内戦状態に陥った「れいわ新選組」

今年2月の衆議院選挙で惨敗を喫したれいわ新選組が「内戦状態」に突入した。選挙前は8議席だったが今回は1議席。しかも、自民党の圧勝で候補者が足らなくなり、他党に割り振られた1議席を、れいわが運よく拾ったものだ。れいわの元国会議員は「衆議院選挙前からずっと火種がありました。負けるべくして負けたということです」と指摘する。れいわの内部で何が起きているのか?

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昨年12月、当時はれいわ所属の衆議院議員だった多ヶ谷亮氏がイスラエルに渡航した。イスラエルがガザ侵攻を正当化するため、そのPRを目的に世界中から政治家を呼んだことに応えたもの。飛行機代などはイスラエル側が支払っていた。自民党、日本維新の会、無所属議員らと一緒の参加だったという。

すると、れいわ党内で多ヶ谷氏への批判が殺到。党から了解を得ていたという多ヶ谷氏は驚くばかりだった。結局、多ヶ谷氏はれいわを離党。中道改革連合に加わり衆議院選挙を戦ったが惨敗し、選挙後、多ヶ谷氏は黙っていなかった。3月になって週刊新潮でれいわ最大の“暗部”とされていた秘書給与の詐欺を告発したのだ。

れいわの手法は実に単純。以前から新興政党が使っていた手法。国会議員は、政策担当、第一、第二と3人の公設秘書が税金で賄われるが、うち一人を党の仕事に専従する党職員として派遣せよというものだ。

しかし、国会議員のために仕事をすることで国家公務員となっている公設秘書が、党専従として給料を得ると詐欺的な行為とみなされる。

それをれいわは、「結党して2、3年で公設秘書の差し出しをはじめた」と、かつてれいわ某議員の公設秘書となったが、党に“献上”された経験があるA氏がこう証言する。

A氏によれば、その方法を考えたのは、れいわ創設者の山本太郎代表ではないという。「れいわの党を牛耳る2人の事務局幹部ですね。何も国会、永田町のことを知らない山本代表から全面的に委任を受けたとして始めたのが公設秘書の献上です。山本代表はそれが当然だと思うようになり、新たな議員が当選すると『公設秘書を党に1人』と指示するようになった。たいていの議員は山本代表の人気で議員バッジをつけている。断るなんて選択肢はありません」

2人の事務局幹部は多ヶ谷氏の告発のあと急に党本部から姿を消し、今は議員会館で「党務」にあたっているという情報がある。事実なら「詐欺」が継続していることになるが……。

多ヶ谷氏の告発で捜査に乗り出したのは、東京地検特捜部ではなく警視庁。「すでに複数の元国会議員が事情聴取を受けています。ほとんどの議員が党本部に公設秘書を献上していたので、一連の経緯を詳細に聞かれている。中には携帯電話のデータをとられた関係者もいる」(前出のA氏)という状況らしい。4月15日にも警視庁は元国会議員を呼びつけており、事態は風雲急を告げている。

意外だったが、取材を重ねてみると山本代表への批判は思ったより少なく「れいわをダメにしたのは、あのおばさんだ」として集中砲火にあっているのは、大石あきこ共同代表だ。

大石氏は、衆議院比例区で当選2回だが、山本代表のお気に入り。初当選時から党役員に就任し、今年の衆議院選挙では大阪5区から出馬した。結果は法定得票数にも届かない惨敗。だが、依然として共同代表の座に座ったままだ。

「大石さんが入るまでは山本商店のようで問題もあったが、一致結束して雰囲気のいい党だった。しかし、大石さんが加わり山本代表がその指示にうなずくようになって、れいわは完全におかしくなった。山本代表は大石さんの話ばかりを聞くようになり、強権的な党になった。『今日も大石さんが山本代表をオルグしている』なんてしゃれにもならない話が飛び交うようになった」(前出のA氏)

1月21日、山本代表が病気を理由に参議院議員の辞職を表明。衆議院選挙が目前に迫る中での突然の表明に党内は大混乱に陥った。そして3月と4月、れいわはオンラインで臨時総会を開催している。

「当然、批判の矢面に立つのは代表の山本氏しかいません。しかし、山本代表はなぜか画面に姿がなく声だけの参加。『参議院議員をやめて、代表はやるっていうのはおかしい』と責められた。多ヶ谷氏から『海外でサーフィンしている』と告発されているので、『日焼けした顔を見られるのが嫌だったんだろう』という憶測まで生んだ。もう一人、批判されたのが大石さん。衆議院選挙の責任を問われると同時に、『テレビやSNSで人への文句ばかりを叫んでいてはダメでしょう』という意見が出た。まさにその通りだったのですが、大石さんは『政権を批判することは何も悪くない』『反戦を守らねばならない。反軍演説なども必要』と極左のような回答で反論した」(前出・A氏)

だが、肝心の秘書給与詐欺の問題については、ほとんど意見が出なかったという。別のれいわ関係者は現状を次のように語る。

「もう山本代表と大石さんは、自分たちに火の粉が降りかからないように弁護士を用意して『秘書が悪い』と言い訳する態勢だと聞いた。いずれ『秘書が、秘書が』と言い出すのでしょう。本来は特捜部の事件なのでしょうが、取り調べを受けた人から聞くには『極左のれいわ』という感じで聞いてくるそうです。それもあって公安事件の様相もあり、警視庁が手掛けていると聞きました」

れいわの“内紛”を密かに期待しているのが自民党。参議院では過半数に達していないからだ。

「れいわがバラバラになってくれたら助かる。万が一、参議院にれいわから一人でも来てくれたら大歓迎だ」(自民党議員)

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