
多数の女性が現金を騙し取られた結婚詐欺事件に絡み、鹿児島県警鹿児島中央署の警察官が、被害者の個人情報を別の第三者に漏らしていたことが分かった。情報を漏らした警察官が当該事案で処分された形跡はなく、事実関係も公表されていない。
情報漏れによって、身元や被害状況の非公表を強く望んでいた女性のフルネームや捜査情報が第三者に知られる状況になったが、内部処理で終わらせる魂胆だったらしく、中央署は被害女性への報告を電話で済ませようとしていた。
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詐欺被害者であるAさんの個人情報や捜査情報が漏洩したのは2024年2月7日。4年近く放置していた結婚詐欺の事件を捜査中だった鹿児島中央署の警察官が、別の第三者に架電し、相手を確かめもせず、送検した被害金の一部の額を前置きなしでいきなり伝えたという。
電話を受けた女性(以下、「Bさん」)が、何のことかわからず「誰におかけですか」と尋ねたところ、警察官は「Aさんでしょ」と回答。それ以前にも中央署の警察官が「Aさんですか」と電話してきたことがあったため、Bさんは2月7日時点で、詐欺被害者Aさんのフルネームと送検された被害額の一部を把握することとなった。中央署の警察官が漏らしたのは「個人情報」と「捜査情報」。深刻な情報漏洩だったことは言うまでもない。
中央署からの間違い電話を重くみたBさんは、県警に対して「情報漏洩ではないか」「自分の個人情報も漏れているのではないか」と追及。情報漏れの事実を「私からAさんに伝えますから」と言ったところ、県警側は「相手方にお話しすることはあなたの責任が問われることになるのでやめた方が良いと思われます」(警察の内部文書に明記された文言)と根拠のない脅しでストップをかけていた。
情報を漏らしたのは県警で、その経緯を“漏洩の被害者”となったAさんに伝えることでBさんの責任が問われるはずがない。責任を問われるのは情報を漏らした警察官であり杜撰な情報管理しかできなかった警察組織。話が広がるのを避けるため、Bさんの口を封じようとした可能性が高い。
県警が漏洩という事態を軽く済ませたかったのは確かで、この事態を受けた中央署の担当警察官はAさんに電話。アポイントを取るためではなく、第一声が「電話でもいいんですけどね」だった。
“大したことではない”と言わんばかりの物言いに、何の話か分からないAさんは「いや、きちんとお話を聞きます」と返して中央署を訪問。対応した捜査幹部から事実経過と気持ちの入らない形ばかりのお詫びを聞かされていた。反省の色はまったく見えなかったといい、その後も、情報を漏らした警察官の処分などについての説明は一切なく、正式な謝罪も行われていない。
Aさんは今週、改めて県警本部に情報を漏らした警察官に対する処分の有無を問い合わせたが、けんもほろろ。監察課の警察官は「特定の者の処分についてはお話しできない」「電話ではAさん本人とわからない」などとAさんを突き放し、頑なに回答を拒んだという。
そもそも、本人かどうかの確認もせず、Aさんの個人情報や捜査情報を第三者に漏らしたのは県警。屁理屈を並べて失態をごまかそうとする腐敗組織の姿勢には呆れるしかない。
県警は2024年5月、ジャーナリストへの公益通報を「情報漏洩」だと言いがかりをつけ本田尚志元生活安全部長を逮捕。この時の逮捕容疑は、当時の県警本部長が隠蔽を指示したとみられている事件の捜査情報や事件関係者の個人名が公益通報文書に記されていたというもの。今回の情報漏洩も同じ構図だが、開示請求で入手していた処分台帳を見る限り、問題の詐欺事件における不当な捜査拒否に関する軽い処分=監督上の措置の記録しかなく、漏洩行為者である警察官が処分された形跡はない。

不都合な真実を隠ぺいするか、力でねじ伏せようとするのが腐敗組織・鹿児島県警。個人情報や捜査情報を漏らすという犯罪的行為が明るみに出た以上、県警は一連の事実についてきちんと公表し、信頼を失う事態が起きていたことを謝罪すべきだろう。
(中願寺純則)















