鹿児島県警による捜査拒否のせいで多数の被害者を出す形となった結婚詐欺事件。総額1億近い被害に遭った女性(以下、「Aさん」)の訴えを何度も門前払いにして4年近く放置していた鹿児島中央署が、あろうことかAさんの個人情報を別の詐欺被害者=Bさんに漏らしていた。「自分の情報も漏らされているのではないか」――危機感を抱いたBさんが中央署に抗議したことが、漏洩発覚のきっかけとなっていた(既報)。
そのBさんこそ、詐欺事件の犯人である日高洋被告から多額の現金を騙し取られた第二の被害者(以下、「Bさん」)。実はBさんの被害申告も、Aさんのケース同様、複数回に渡って門前払いされていたことが分かっている。

■被害状況
Bさんが稀代の詐欺師・日高洋被告(詐欺容疑で逮捕起訴され公判中)と出会ったのは2019年12月。知り合ってすぐに、交際するようになったという。日高は、Aさんの場合と同じように「九大卒。地場銀行幹部」を自称。最初に銀行の“行員証”を見せて信用させ、「結婚を前提に付き合いたい」と申し入れていた。行員証が偽造であったことは言うまでもない。
これに応じたBさんに対し、日高は銀行のノルマを達成するために現金を預けるよう依頼。行員だけの有利な金利だと説明し、同月の200万円を皮切りに次々と現金を要求。2022年3月までの間に、計21回で約2,500万円あまりの現金を騙し取っていた。
手持ち現金が少なくなったBさんから言葉巧みにクレジットカードを取り上げた日高は、Bさんとは何の関係もない約270万円分の物品を勝手に購入して転売。さらに、それらのカードを使って金融機関から約100万円を借り入れ、Bさんに多額の損害を与えた。被害額総計は、2,700万円を超えた形だ。
この間、日高による詐欺被害は、Bさんの友人=Cさんにまで及んだ。Bさんを通じてCさんと面識を持った日高は、銀行員の特別な枠があり有利な資産運用ができるとしてCさんからも800万円を騙し取っていた。
■被害申告するも・・・
2022年頃になって日高の詐欺行為を確信したBさんは、現金を預けたという証拠を残そうと考えた。800万円という大金を渡してしまった友人であるCさんの分も必要だ。日高に預り証を書くよう迫った。
下は、日高が事件化を逃れるため作成した「預り証」の画像。勤務先も書くよう求められ、自ら「○○○銀行 本店」と記していた(*赤いアンダーラインはハンター編集部)。

約束の返金が実行されることはないと判断していたBさんは、警察に被害申告することを決断。同年6月、県内の鹿児島南警察署に出向き、日高との経緯を詳細に伝えるに至る。「詐欺です。捕まえて下さい」という意思表示だった。ところが……。
(中願寺純則)















