【追跡・鹿児島県警】詐欺師による傷害事件、鹿児島中央署が1年4か月放置|問われる被害拡大の責任

鹿児島県内に住む女性(以下、「Bさん」)は、詐欺師・日高洋被告に騙され現金とクレジットカード代など合わせて2,700万円あまりの損害を被った。2022年、必死の思いで駆け込んだ先は鹿児島南警察署。しかし同署は3回に渡ってBさんを“門前払い”して捜査を拒否していた(既報)。

同年8月、鹿児島南署に見切りをつけたBさんが別の警察署に被害相談する中、鹿児島市内でBさんともう一人の被害者(以下、「Cさん」)に騙し取った現金を返すよう迫られた日高は、二人に対する傷害事件を起こす。現場に臨場したのは、日高によって1億円近くの詐欺被害に遭った女性・Aさんの訴えを4年近く放置した「鹿児島中央署」の警察官。捜査拒否が常態化していた不良警察署らしく、その傷害事件も1年4か月放置される。

■またしても鹿児島中央署

BさんとCさんに対する傷害事件が起きたのは2022年8月24日。鹿児島市内の飲食店で騙し取ったカネを返すよう求める二人の女性に対し、日高が激昂。帰ろうとした日高が、制止したBさんとCさんに暴力を振るったという。店側が110番通報、BさんとCさんはケガを負ったため救急搬送されていた。下が二人の被害女性の診断経過書である。

鹿児島中央署は、9月8日にBさんとCさんそれぞれから詳しい顛末を聴取。事件現場で検証を行うなど、傷害事件の捜査を始める構えを見せていた。現行犯逮捕が可能な事案だったとみられるが、以後、立件に向けての動きはなかったという。中央署が傷害容疑で日高を逮捕したのは、事件から1年4か月後の2023年11月21日である。

Bさんらは、詐欺被害のこともあり何度となく傷害事件の捜査を進めるよう頼んだが中央署は黙殺。犯人・日高を逮捕しようとしなかった。Aさんの詐欺被害を4年近く放置した同署の姿勢と重なる(既報2)。

■警察の不作為で被害拡大

警察が犯罪者を野放しにした場合、不利益を被るのは一般市民。被害者Aさんを巡る詐欺事件の経過に、Bさん及びCさんの事件経過を加えてみると、鹿児島県警の捜査拒否がどのように被害を拡大させたのか瞭然となる。一覧表を以下に示す(Aさんの欄、「鹿児島中央署」とあるのはAさんが中央署に足を運んで被害を訴えたとの意味。電話は別に扱った)。

傷害事件での日高逮捕から約2週間経った12月3日、県警はAさんを被害者とする詐欺の疑いで、ようやく日高を逮捕する。Bさんに対する詐欺の疑いで市外の所轄署が日高を逮捕したのは24年の3月11日(5月20日に再逮捕)。Cさんの事案での逮捕はさらに遅れて12月の6日だった。

Bさんが南署に詐欺の被害申告をした22年6月から逮捕まで1年9か月、Cさんのケースでは被害申告から2年半かかった計算だ。この間、定職に就くことなく何人もの女性から騙し取ったカネで贅沢三昧をしていた日高が、同じような犯行を繰り返していたことは想像に難くない。ハンターが掴んだ被害者は少なくとも9人いるが、実際にはさらに多くの人が泣き寝入りしている可能性がある。

一覧表から分かる通り、Aさんが詐欺被害を訴えた2020年3月に鹿児島中央署が捜査に入っていれば、Bさんの被害額が大幅に減っていたことは確か。クレジットカードを悪用された約300万円の被害も、捜査が入っていれば遭わなかった可能性が高い。不当な捜査拒否がBさん・Cさんの被害を拡大させ、Aさんの被害認定額を極端に少なくさせたということだ。鹿児島県警は、被害者らに対する一連の不当行為についての正式な謝罪も、関係警察官の処分についての説明も行っていない。

これまで報じてきた通り、被害者に寄り添うどころか、騙したり暴言を浴びせるなどして(既報3)被害届や告訴状の提出を断念させようと仕向ける鹿児島県警――実は、こうした腐った組織風土が何十年も前から変わっていないことを示す事例がある。詳細を次の「追跡・鹿児島県警」から報じていく。

(中願寺純則)

 

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