
田川市・郡の8自治体で構成する田川地区広域環境衛生施設組合が運営する「田川地区斎場」が、“ご遺体の尊厳”を冒しかねないルール変更を行ったことが明らかとなった。
■運営主体、基盤強化もサービスは低下
田川地区斎場は今年3月まで「田川地区斎場組合」が運営主体だったが、同組合は今年3月末をもって解散。田川地域のごみ処理やし尿処理を担う「田川地区広域環境衛生施設組合」に併合される形で、斎場も同組合の施設となっている。
斎場組合がまだ存続中だった3月2日、田川地域周辺の葬儀業者が広域環境衛生施設組合のごみ処理「さくら環境センター」の会議室に集められ、多くの関係者が耳を疑うようなルール変更を申し渡された。
斎場側は、田川地区斎場組合から田川地区広域環境衛生施設組合へと組織形態が変わることを伝えた上で、一方的に新たな斎場利用のルールを伝達。変更したルールについては見直しをしないと明言していた。注目すべき主な変更点は次の通りだ。(*以下、画像の中の赤い書き込みはハンター編集部)
・13才未満の火葬料を現行の10,000円から16,000円に、13歳以上の火葬料金を現行の20,000円から27,000円に値上げ(*下、自治体配布資料参照)。

・1日の予約回数を20件から16件(実質は15件)に削減(*下、組合配布資料参照)。
13歳以上のご遺体の火葬料金値上げ幅は35%となる7,000円。大切な人とお別れするにあたって火葬料金で文句をつける人は少ないのかもしれないが、庶民にとっては痛い話だ。
一方で、火葬件数は20件から16件(実質は15件)に削減。組合はより大きな組織となったのに、サービスは低下するという矛盾する状況となっている。サービスを落とした本当の理由があるはずだが……。
■「人権」も「尊厳」冒す新ルール
サービス低下の問題以上に、絶対に容認できない新ルールが次の2点である。
・飲食物の持ち込み禁止。飲みかけのペットボトルも原則持ち込み禁止。
・予約時間に数分間でも遅れたら後回し。火葬炉に空きがなければ翌日回し。⇒*上掲の資料★印参照。
ペットボトルまで持ち込み禁止にしたことは、斎場を運営する組合側に「人の健康や生命を守る」という行政機関が堅持すべき意識が欠落していることを意味している。温暖化の影響で猛暑日ばかりとなっている日本の夏、ご遺体と共に葬儀場から斎場にやって来て、「飲み物は持ち込み禁止」と言われた遺族はどうすればいいのか?
熱中症予防に必須なのは飲み物。遺族の手持ちペットボトルを奪う権利など、斎場にあるとは思えない。組合側は「斎場にはお茶もある、売店もある」と反論しそうだが、あまりに住民をばかにした言い訳にしか聞こえない。これは人権にかかわる問題だ。
そして、人間に必ず訪れる「死」。ご遺体の「尊厳」は最大限守られなければならない。もし、身近な人が亡くなって葬儀が終わり、斎場での別れとなったところで「おたくは1分遅れたから後回し。炉に空きがないから火葬は明日」――といきなり突き放された時、遺族は「はい分かりました」と言えるだろうか?
ご遺体をいったん引き取るか、安置室に置いていくかという選択になるが、「仕方がない」で済ませられる問題ではあるまい。田川地区広域環境衛生施設組合は、死者の尊厳を冒すようなルールを勝手に決め、一方的に住民に押し付けているのだ。暴走組織のトップである組合長は、独裁的な行政手法で地域に君臨する永原譲二大任町長である。
ではなぜ組合は、住民だけでなく死者まで苦しめるような斎場のルール変更を断行したのか?調べてみると、やはり「利権」とつながる背景があった。(つづく)
(中願寺純則)
















