田川市・郡の8自治体で構成する田川地区広域環境衛生施設組合(組合長:永原譲二大任町長。以下、「広域組合」)が運営する「田川地区斎場」が行った“ご遺体の尊厳”や“人権”を冒しかねないルール変更(既報)。背景にあるのは、組合長を務める永原町長の権力に依拠する「利権」だ。それを独占しているのは永原氏自身の“ファミリー組織”である。
■斎場利権を独占する「オールジャパンクリーン」とは
斎場利用料の大幅値上げ、火葬件数の削減、予約時間に1分でも遅れたら後回しとなり火葬炉に空きがなければ翌日回しにするという非常識な運営方針、ペットボトルまで含んだ飲食物持ち込み禁止――明らかなサービス低下を招いたこれらのルール変更で得をする形となっているのは、広域組合が斎場の管理業務を委託している企業組合「オールジャパンクリーン」である。
【企業組合とは】個人が集まって組合を作り、企業のような活動をする法人組織。株式会社への移行が可能。
オールジャパンクリーンという法人は永原氏の関係者で固められており、実権を握っているのは同氏の身内。同法人が事務所を置く建物の玄関ドアには、永原町長のポスター2枚がこれ見よがしに貼ってある(*下の写真)。企業組合の登記簿上の代表者は、築上郡内の社会福祉法人「英明会」が運営している就労支援施設の施設長である。

法人登記簿などによれば、英明会の理事長は永原町長の自宅敷地内に住む同氏の娘婿。令和5年6月までの理事長は、地場の有力企業「鷹羽建設」の社長を務めている永原町長の長男だった。オールジャパンクリーンの代表者は、永原一族の支配下にあるとみるべきだろう。
■ファミリー組織「鷹羽グループ」の存在
斎場の非常識なルール変更は、地域住民はもちろん葬儀業者の声さえ聞かずに決められた。裏にあるのは、永原町長を中心とするグループ組織の存在である。
オールジャパンクリーンも英明会も、鷹羽建設を中心とする「鷹羽グループ」の構成法人だ。いささか見にくいが、下の画像は毎年大任町内で開かれる「しじみ祭り」の際に発行されているチラシの広告(*赤い加工はハンター編集部)。目立つところに「鷹羽グループ」の広告が掲載されており、その中にオールジャパンクリーンと英明会が列記されているのが分かる。つまりオールジャパンクリーンは、鷹羽建設や英明会と並ぶ、永原氏にとってのファミリー組織なのだ。

斎場の運営実態について調べたところ、シフト制となっているオールジャパンクリーンの火葬担当は8人いて斎場には常時5人を配置。清掃や給湯の担当者は6人いて、斎場には常時4人が充てられている。委託業務ではない売店の担当は3人。もちろん、オールジャパンクリーンの人間である。
この企業組合への業務委託額がどの程度のものなのか、入手できた資料から年度ごとの「斎場管理業務委託料」を抜き出した。

別の資料によれば、令和5年度からの毎月の委託料は約430万円ほど。7年度までは、ほぼこの金額で推移していた。それが、今年3月まで斎場の運営を担っていた「田川地区斎場組合」(管理者:黒土孝司福智町長)が田川地区広域環境衛生施設組合に併合され、永原氏が斎場の管理最高責任者になったとたん、委託料は2,000万円以上も上乗せされる。「利権」という言葉が、これほどはまるケースは少ないだろう。
そもそも、永原氏が最高責任者を務める斎場の運営組合が、その永原氏のファミリー組合に業務を委託すること自体が問題のはず。“永原組合長が永原ファミリーに組合の仕事を出す”という不適切な構図のもとで実行された委託料アップに、大きな疑念が生じるのは当然である。
これまで報じてきたように、斎場のサービスは大幅に低下している。しかも、利用料を値上げしているにもかかわらず、管理業務の委託料が大幅に増えるという理解し難い状況だ。そこには、地域住民には何の説明もなく進められた人道無視のルール変更と、「永原利権」とも呼ぶべき業務委託の実態がある。
広域組合を構成する自治体の首長や議員たちは、この事態を「是」とするのだろうか?向き合うべきは永原氏ではなく、地域住民のはずだが……。
(中願寺純則)















