芦屋市・疑惑のプロポーザル(7)|隠されていた「手書きの個票」で崩れる市側の主張
- 2026/7/14
- 社会
- 2次評価シート, プロポーザル, 個票, 兵庫県, 疑惑, 芦屋市, 芦屋市道路公園施設包括管理業務, 障害者雇用状況報告書
兵庫県芦屋市が令和6年に実施した「芦屋市道路公園施設包括管理業務」の業者選定プロポーザルに応募したのは、選定に漏れたA事業体と業務を受託したB事業体の二つ。両者はそれぞれ企画提案書を提出したが、最終的な評価総合点の算出方法は極めて不透明な形で変えられていた。いつ、だれが、どのような理由で計算方法を変えたのかを示す決裁文書は存在しておらず、真相は藪の中だ。
そうした中、市議会で問題の業者選定について質問された市側は、苦しい説明に終始。総合点の算出方法を変えた時期を、「1次評価が終わってから」と言い出した。選考過程で唐突に計算方法を変えたということだ。しかし、市側の主張を証明する公文書は存在しておらず、この答弁が疑惑を深める形となっている。ハンターが改めて注目したのは「手書きの個票」である。
■従来型の「採点用紙」使用で疑惑拡大
まず、ハンターに開示されるまで隠されていた資料と取材によって分かった問題点を整理しておく。
・事実上隠蔽されていたプロポーザルの選考委員(芦屋市は「専門委員」と呼称。以下「専門委員」)による「手書きの個票」。
・事業者との裁判で市が提出を拒んでいる「2次評価シート」(市議会へも未提出だった)。
・いったん従来型の採点方法で評価点を算出しながら、最終結果を導く段階になって変えられた「総合点の算出方法」。
・疑念が持たれるB事業体提出の「障害者雇用状況報告書」。
芦屋市への情報公開請求で入手した資料や取材結果をつなぎ合わせると、選考結果の正当性に大きな疑問符が付く状況だ。しかも、ここに来て疑惑を追及するハンターへの口頭取材拒否。グレーがクロに変容しつつある状況と言えるだろう。
ところで、「公文書毀棄」を指摘したとたん市が開示した「手書きの個票」(*下の画像)にも新たな疑念が生じている。

追加開示された手書きの個票=採点用紙は、何故か従来型「2次評価シート」を使ったものだ。しかも白黒。見た瞬間に違和感を覚えたのは言うまでもない。
下は、当初芦屋市が“個票”として開示した「2次評価シート」だが“カラー”。当然、手書きの採点用紙もカラーでプリントアウトすべきだったが、そうはなっていない。ただ、白黒でも色付け部分はカラー版と一致する。

不可解なのは、評価総合点の算出方法を変えておきながら、なお従来型の評価シートを採点用紙として使った点だ。市は議会で「1次評価が終わった段階で採点方法を見直した」という趣旨の主張を行っているようだが、かなり苦しい。
市は、上掲の2次評価シートにある項目ごとの評価点について、「手書きの採点用紙」に書き込まれた数字を転記したと説明しているが、そもそも、1次評価の後に採点方法が変更されていれば「掛け率」や「小計」、「基準点」、「合計点」は採点用紙から削除されていなければならない。下に、赤い囲みで不必要だった箇所を示す。

繰り返すが、市側の言い分が事実なら、手書きの個票に点数を書き込んだ時点では計算方法が変わっており、もともとの「掛け率」、「小計」、「基準点」、「合計点」は意味をなさない。なのに、市が採点経過を証明するための公文書だと主張する「2次評価シート」には、不必要な数字が残ったままとなっている。さらに総合点まで算出して記載――。これでは、2次評価シートの作成時点まで計算方法が変わっていなかったことを証明しているようなものだ。
そもそも、まともな行政機関なら計算方法変更後の新しい採点用紙を作成して選定委員に供するのが当たり前。そうしなければ、評価過程の信頼性を担保できないからだ。上掲の2次評価シートが作成された後に、いきなり違う評価を記した最終結果が出てくれば、疑念を持たれるのは当然。市はそうなることを恐れて、事業者との裁判や市議会に「2次評価シート」を提出しなかった可能性が高い。
下が最終結果となる「評価表(総括)」(赤い書き込みはハンター編集部)だが、何度も報じてきたとおり、赤字で示した従来型の計算方法と新方式との点差は歴然だ。従来型ならA事業体が510点でB事業体は515点、新方式ならその差が13点となる。この13点差が大きな意味を持つことは、本シリーズ6《「障害者雇用状況報告書」と「13点差」の意味》で詳報した通りである。「計算方法を変更した時期は、いったん従来型の総合点算出方法で結論が出た後だったのではないか」――そうした見立てに信憑性が増す状況だ。

ところで、『1次評価』はどのように行われたのだろうか?実は、その実施方法にも重大な疑義が生じている。
(つづく)
(中願寺純則)















