福岡県議会・吉松源昭元議長の政治団体が繰り返す脱法行為|“解散⇒再設立”で隠される資金の動き

福岡県議会の金銭授受問題を巡るカツアゲ発言で一躍時の人となった吉松源昭議員の関連政治団体が、政治資金収支報告書を法の規定通りに提出せず、選挙管理委員会の通知を受けて解散しては同じ名称の団体を再設立するという行為を繰り返していることが分かった。これによって、ある一定期間の政治資金の動きが確認できなくなっている。吉松氏の政治家としての資質、資格が問われる呆れた実態だ。

■新たに分かったもう一つの政治団体

収入と支出をすべて会計帳簿に記載し、その内容を「政治資金収支報告書」に転記して期限内に管轄の選挙管理委員会(全国団体は総務省)に提出するよう規定(法第12条第1項)している。国会議員関係団体を除く政治団体の報告書提出期限は翌年の3月31日だ。

収支報告書の提出を2年間怠った場合、いわゆる「みなし解散」の違法状態であるとして自動的に政治団体としての法的資格を失い、選管から「政治団体解散届」と「解散時の収支報告書」を提出するよう通知が発出される(法第17条第2項。*下がその通知文書)。従わない場合は5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金となる(法第25条第1項)。

17条2項の規定に従って解散時の収支の現状のみが報告された場合、それまでの2年間に動いた政治資金の流れは分からないことになる。つまり、都合の悪い相手先からの収入や、不正な支出を隠せるというわけだ。

これまで報じてきた吉松氏の関連団体は、「自由民主党福岡県粕屋郡第一支部」と「吉松もとあき後援会」「昭友会」「吉友会」「松友会」「粕屋の政治を考える会」「粕屋の未来を考える会」「粕屋の発展を考える会」の八つ。これだけでも異例だが、その後の調べで「源友会」という政治団体の存在も明らかとなっている。

「源友会」の収支状況を掴むのが遅れたのは、期限内提出分として公開されている令和4年、同5年、同6年の政治資金収支報告書の中に、同団体のそれがなかったからだ。ただし、「源友会」という団体の名称が時おり出てくるため、他の政治団体も含めて登録の詳しい経緯を調べるため、県選挙管理委員会に団体ごとの「政治団体設立届」「異動届」「解散届」を情報公開請求していた。開示された資料から明らかになったのは、吉松氏側政治団体による『脱法行為』の全容である。

まず源友会だが、初めに設立されたのは平成15年1月28日。しかし、初代源友会は設立からわずか2年の平成17年1月25日に解散、平成30年3月30日に再設立されていた。ところが、二代目の源友会も令和6年5月16日に解散。しかし、同日付けで三代目となる源友会が再々設立されていた。普通ならあり得ない政治団体の運用方法だ。

その源友会の2度目の解散は、前述した政治資金規正法第17条2項の適用を受けてのこと。従って、同団体が作成した政治資金収支報告書のうち、公表された現物を確認できるのは令和6年5月の解散時に提出されたものだけとなる(*下が解散時報告書。赤いアンダーラインはハンター編集部)。

令和6年に源友会に対して17条2項が適用されたのは、令和4年と5年の収支報告書未提出が原因。これは、2年間の正確なカネの流れが確認できないことを意味しており、県選管もその点について認めている。2年間収支報告をしないことで、資金の動きを隠した形であり、明らかな脱法行為と言えるだろう。

■「みなし解散」抜け穴に

ところが、デタラメな政治資金処理は源友会だけではなかった。「昭友会」「吉友会」「松友会」「粕屋の政治を考える会」「粕屋の未来を考える会」「粕屋の発展を考える会」の六つの政治団体も、解散したその日に同名の団体を設立するという手法で2年間のカネの動きを隠す結果となっていたのだ。下に、各団体が行った「初回の設立⇒解散⇒二度目の設立」という流れをまとめた。

「昭友会」「吉友会」「松友会」「粕屋の未来を考える会」「粕屋の発展を考える会」の5団体は、令和5年分と6年分の収支報告書が未提出。そのため令和7年に「みなし解散」となったことで12月26日付で解散届と解散時の収支報告書を提出し、同日にそれまでと同じ名称の政治団体を設立していた。2年間のカネの動きを隠して団体を解散、すぐに再設立するという離れ業である。

一方、「粕屋の政治を考える会」は令和4年と5年の報告書が未提出。6年に「みなし解散」となっていたが、解散届が提出されたのは今年の4月17日だった。杜撰極まりない対応だ。

自民党福岡県粕屋郡第一支部または吉松もとあき後援会からその他の団体に寄附されたカネのほとんどは、「5万円未満の交際費」として費消された形で処理されており、その額は7年間で計1億円超。あり得ない実態に政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いが出たばかり。今度は、“解散⇒再設立”によって2年間のカネの動きを確認できなくするという、法の抜け穴を使った狡猾な脱法行為が表面化した格好だ。ただし、吉松氏側の法を無視した政治団体の運用は、これだけに留まらない。

(中願寺純則)

 

 

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