この国のオールドメディアは、手が届く獲物を見つけると“右向け右”で足並みをそろえ、暴走する。いわゆる「メディアスクラム」だ。過剰な取材によって被害者を生むことさえある。
叩く相手のことは証拠がなくても遠慮なく攻撃するが、自分たちが犯した過ちは平気でスルーする――そうしたオールドメディアのルール違反や犯罪的行為が読者や視聴者に届くことは少ない。自分たちの番組や記事にとって都合の悪いことは平気で隠すからだ。しかし、注目を集める事案の取材現場で、その“事件” は確実に起きた。以下、複数の関係者の話から。
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確たる証拠も示されぬまま、加熱する偏向報道の対象となった全国都道府県議会議長会の蔵内勇夫会長が、テレビ局の記者の非常識な取材によって転倒。重いケガを負わされた。だが、原因を作ったテレビ局も事実関係を知る他の報道機関も、その件を一切報じていない。
“事件”が起きたのは今月22日。東京都内で開かれた全国都道府県議会議長会定例総会の直前だった。総会に出席するため会場があるビルに入ろうとしていた蔵内氏を待ち構えていたのは複数のメディアの記者。その中から、あるテレビ局の男性記者が、建物の内側からスマホを構えて蔵内氏に突進し、正面に位置して進路を塞いだという。
後ろ歩きしながら蔵内氏を撮影していた男性記者が、内側のガラスドアにぶつかり体勢を崩した瞬間、容易に前に進めなくなっていた蔵内氏がその余波を受けて激しく転倒。1分近く立ちあがれない状態となった。気を失っていたという情報もある。
周囲の報道関係者や蔵内氏の随行員が駆け寄り声を掛けながら介抱。蔵内氏はなんとか身体を起こしたものの、ふらついて歩くのもやっとの状況だった。その間、蔵内氏を転倒させたテレビ局の記者は、ただ黙って倒れた同氏を見おろしていたという。

蔵内氏は、その後の県議会議長会定例総会や高市早苗首相との会談をこなしたが、容態は悪いらしく、杖を持っての移動が続いている。
蔵内氏は72歳。死につながりかねない転倒事故だったことは確かだ。テレビ局の記者は、オールドメディアが総出で叩いている相手なら何をしても構わないとでも思っているのだろうが、筆者は、こうした驕りの姿勢に嫌悪感を覚える。
テレビであれ新聞であれ、取材対象の進路をふさぐ形でマイクやカメラを向けるのはご法度。相手が総理大臣だったら、大変な騒ぎになっていたはずだ。問題を起こした記者が所属するテレビ局は正式に経過を説明し、謝罪するべきだろう。でなければ、福岡県議会のことを報じる資格などない。
確実な証拠も示さぬまま、読者や視聴者に「蔵内氏はクロ」と信じ込ませるような報道が続いている。特に西日本新聞とTNCの報道姿勢は偏執的だ。西日本新聞は拾った街の声を一面トップの見出しに持ってくるという見たことのない手法で世論誘導(*下の画像)。TNCテレビ西日本はお笑い芸人と元議長を同席させて宴席を再現し、具体的な証拠を示さぬまま関係者を断罪するという危ない番組を放送した。

いずれも、カツアゲ発言を行った元議長の証言を真実とみなし、同氏を正義のヒーローに見立てた形の報道だ。しかし、筆者はデタラメな政治資金処理の実態が明らかになりつつある元議長の話など信用していない。
そもそも、現金授受が事実だとすれば、カネでポストを買った元議長や副議長も共犯的立場。要求をはねのけなかったのだから、偉そうなことを言う前に辞職するのが筋だろう。カツアゲだのみかじめ料だのと古巣の自民党県議団を罵倒しているが、いまのところ彼の方から進んでカネを持っていった可能性を否定する材料はない。
新聞やテレビは、これまでさんざん「人権」や「冤罪」をネタにしてきた。「疑わしきは罰せず」「推定無罪」がこの国の司法の原則だ。西日本新聞とTNCがいつから裁判権を持ったのか知らないが、せめて証拠のある話と証言だけにとどまる話とを区別して報道するべきだろう。だが、現状は「蔵内氏には人権などない」といわんばかりの過剰なまでの攻撃報道。オールドメディアが金科玉条にしてきた「公平公正」「客観報道」はどこにも見当たらない。
(中願寺純則)
















