兵庫県芦屋市・疑惑のプロポーザル(9)|大きく差がつくはずの評価項目で不自然な採点

疑惑まみれとなった兵庫県芦屋市の「芦屋市道路公園施設包括管理業務」業者選定プロポーザル。公募に応じた二つの事業体(選考に漏れたA事業体と選ばれたB事業体)が提出した「企画提案書」と市の選考委員(芦屋市は「専門委員」と呼称)が採点した2次評価シートを精査する中、選ばれたB事業体のある評価項目への採点が不自然に高いことが分かった。

■「市内業者の活用」で不可解な採点

下は、最終的な結果を示した「評価表(総括)」という文書。A事業体の最終的な評価総合点は503点、B事業体の総合点は516点である。ハンターが注目したのは「市内企業の活用」という評価項目だ(*以下、画像中の赤い書き込みはすべてハンター編集部)。選考に漏れたA事業体は117点、選ばれたB事業体は102点を得ているのが分かる。

選考委員の判断基準は《市内企業の活用の程度は十分か。(企業数や発注金額割合)市内企業の技術やノウハウ、経営基盤等の向上に資することが期待できるか》という点。「企画提案書の作成要領」には次のように記されている。

事業体の下で業務に参加する協力企業を列挙する際には、次の様式を使用するよう決められている。

まず、選ばれたB事業体の提出資料だが、7つの法人名と代表者、住所が記載されているものの「企業」はわずかに2社。あとは社団か社会福祉法人だ。その理由も記入されているが(*赤い囲み部分)、プロポーザル応募時点での協力市内業者は2社に留まっていた。

一方、選に漏れたA事業体の提出資料によれば、プロポーザル応募時点での協力市内業者は33社に上っていた。(*下の文書及び画像参照。実際には34社に増えている)

一方は協力する市内業者が34社、片方は事実上2社。どうみてもかなりの差がつくはずだ。

では、提案内容はどうだったのか。下にA、B両事業体の提案内容を示す。

採点は選考委員の主観によるもので、受け取り方次第で点数も違ってくることは理解できる。だが、提案内容を子細にみれば、A事業体に軍配を上げざるを得ない。しかも、B事業体は協力企業をほとんどそろえていない状態。普通に考えれば、この評価項目における両事業体の点数が「並ぶ」ということは考えにくい。しかし、実際の採点では、A、B両者を同点にした選考委員が2人もいた。B事業体への採点結果は、配点10点のところ三人が「6点」、二人が「8点」。下に、ハンターが問題とみなした2次評価シートを示す。

この二人の選考委員がA事業体の同項目に付けたのも「8点」。主観が入ったにせよ、どう見てもA、B両事業体の提案内容が同点になるとは思えない。

ちなみに、二人の選考委員がB事業体に付けた「8点」が、他の選考委員と同じ「6点」だった場合は、総合点が大きく違ってくる。2点プラス2点で4点を引いたとする。「市内企業の活用」という評価項目の評価係数(掛け率)は「3.0」であることから、4点×3で12点マイナスとなる計算だ。するとB事業体の総合点は504点となり、A事業体503点との差はわずかに1点ということになる。

1点差で“B事業体の勝利”という結果は変わらないようにみえるが、5人中4人が「8点」を付けたA事業体への評価の中にも疑問符が付くものがある。その評価シートが下。

1次評価で「8点」を付けておきながら、2次評価ではなぜか1点減らし「7点」。たったの1点ではあるが、評価係数(掛け率)「3.0」を掛けると「3点」減ることになる。すると、先述した「1点差でB事業体の勝利」が「2点差でA事業体の勝利」に変わる。「7点」は偶然だったのかもしれないが、疑惑まみれの採点過程にあって、気になる点数付けであることは確かだ。

「市内企業の活用」という評価項目における企画内容はもちろん、協力市内企業の数で圧倒していたA事業体と、「選定されたら協力を呼びかける」として具体的な企業名を記載しなかったB事業体の点数が同じというのは極めて不自然。ある方向性を持った意図的な採点を疑うのは記者だけではあるまい。それにしても、このプロポーザルには問題が多すぎる。(つづく)

(中願寺純則)

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