令和8年熊本地震から1週間。激震に見舞われた氷川町では朝から厳重な警備が敷かれていた。高市早苗首相が避難所になっている氷川中学校に視察にくるからだ。予定の午後3時、高市首相ご一行の車列が氷川中学校前に着いたが、首相の後ろにゾロゾロと入ってきたのは大勢の警官や政府の関係者。行った先はエアコンがガンガンと効いている校長室だった。そこには、なぜか避難者が待ち構えていた。

■氷川中学校
まずは、高市首相に同行しているマスコミ向けの「絵作り」。その後、避難者がいる体育館に向かうのかと思っていたら、「高市さんが来る2日前だか前日に、段ボールベッドと布団が届いた」(批判している住民)という教室へ。そこに居たのはたった3分ほど。室から出てきた高市首相は、あっという間に氷川中学校を後にした。同行しているマスコミ以外はシャットアウトして、避難者と向き合うというパフォーマンスだった。避難者が呆れ顔でこう話す。
「避難者の中の誰が高市首相と話すとか、避難所の教室ではこの人に話しかけるからとか、台本が決まっていたようです。私もいっぱい言いたいこと、お願いごとがあったけど、遠くに高市首相が見えるだけで、見向きもされなかった。いったいどこを視察にきたのですかね。あれじゃ、なんにもわからないはずですよ。大きな災害が発生する度、膝を折って避難民の声を聞かれる天皇皇后両陛下や皇室の方々とはえらい違いですね」
氷川町や隣接する八代市鏡町など、被害が甚大だった地域の避難所では、エアコンがなく熱中症で倒れる人も少なくない。首相の体調を心配していた官邸関係者が次のように打ち明ける。
「高市総理の体調不安説がずっと流れている。この日も11時に熊本空港に到着し、空港内にある陸上自衛隊の高遊原分屯地からヘリで視察、それが終わって2時間ほど休息して氷川町へ。そこでまた休息して熊本県の防災センターに行き、地元からの意見、要望を聞いて夜8時の飛行機で東京へ帰るという日程だった。今の総理の体調とこの暑さでは、精一杯の視察だった。ただ地元の被災者からは『どこ見てんだ』と厳しいお言葉が飛んでも仕方がないほどの駆け足になった。とりあえず現地に入ったという事実が最も大事だ」
一方、九州選出の自民党衆議院議員は「被災地を視察したことで、高市総理の支持率が少しは回復するだろう」と話す。つまり、被災者は高市首相の支持率回復のための「視察ごっこ」に付き合わされたということだ。
《今日の14時頃にクーラー300台を載せた輸送機が航空自衛隊入間基地から熊本へ飛び立ちました。地震発生から24時間以内に支援を実現した部隊と経産省はじめ関係省庁、企業の連携に心から敬意を表します。引き続き、先手先手で動きます》――そうSNS上で綴っているのは小泉進次郎防衛相。確かにその後、各所にエアコンが配送されていった。
だが、八代市の施設では届いたエアコン4、5台が箱詰めされたまま。周囲には倒れたテーブルや、椅子があり、立ち入り禁止となっている。関係者に話を聞くと「道が渋滞して届けたくともなかなか難しい。届けたところ電源がなかったりして、設置できない避難所もある。また、届いたスポットクーラーというのは、前からは涼しい風がきますが後ろからは熱風。ようは窓の外に設置しないといけない。そうなれば外の熱風で避難所は逆に暑くなり、蚊などの虫も入ってくる。また、設置にはそれなりの知識が必要で、電気工事の業者も被災しておりそう簡単にはいかない。正直、歓迎しない避難所もある」という。
■八代市役所
2016年の熊本地震で被災した八代市役所は、2022年に事業費118億円の予定を171億円へと増額し、木をふんだんに使用したモダンでかつ豪華な庁舎を建設した。しかし今回の地震は、障がい者向けの駐車場と庁舎を結ぶ通路のタイルがめくれあがり(*下の画像)とても歩けない状況。周囲には、立ち入り禁止の柵が張り巡らされていた。

小野泰輔市長も、《八代市役所の中に避難しようとされる市民の皆さんがいらっしゃいますが、免震装置がダメージを受けており、安全確認が取れておりません》と発信しており、新築したばかりの庁舎は、情けない惨状となった。
市庁舎建設を巡っては今年5月、市議の成松由紀夫被告らが業者から6,000万円を受け取ったという贈収賄事件が発覚(既報)。大騒ぎとなったのは記憶に新しい。いわく付きの市役所が機能不全に陥った格好だ。

また、小野市長自身も、熊本市から八代市に向かう高速道路でスピード違反し、免許停止処分を受けていることが分かっている(既報2)。
ちなみに小野市長は、SNSで《私のところへ「水がないので届けてほしい」との連絡がありましたが、自分で取りに行ってくださいと申し上げました》と投稿して炎上。多くの市民が、“給水所に行きたくともガソリンがない”あるいは“道が破壊されていて高齢者が運転するにはかなり危ない”――といった状況がまったくわかっていないことを証明してしまった格好だ。八代市役所に来ていた市民が、こう息巻いた。
「新しい庁舎の障がい者向けの駐車場が使えない。市議は逮捕。市長はスピード違反。そして後手にまわる地震対応。もう八代は終わってますよ。2016年に熊本は大きな地震で大変だったのに、その教訓が生かされていない。国も八代市もどうなってんでしょう」
















