福岡県大任町に関する報道を始めて5年が経過した。発端となったのは、2021年6月に大任町と田川市に対して行った情報公開請求。そこから派生する形で何度も報じることになったのが、町発注工事のいびつな実態だった。特に注目してきたのが、施工能力のない「ペーパー業者」と町長の身内や関係の深い人物たちが代表を務める「側近業者」の受注状況。町発注工事の6割をペーパー業者と側近業者が占めるという異常さだ(*下のまとめ参照)。前提となるのが『官製談合』であることは言うまでもない。

官製談合に必要なのは行政側の絶対的な力。新たな公共工事を作り出し、入札を経て契約へと進む過程を強い力でコントロールしなければ談合組織の秩序は保てない。舞台となっているのが、大任町から仕事をもらうほとんどの建設業者が参加している談合組織「田川政策研究会」であることも報じてきた。

地域活動を隠れ蓑にする談合組織「田川政策研究会」の指示役は、分っているだけで3人。一人は指定暴力団「太州会」の元組員で、1996年に永原町長が設立した建設資材の企業組合「九州環境企業組合」の工場長を務めていた人物F。他に町長の親族でペーパー業者でもあるN、さらには町長の実弟も業者に指図していた。(*ちなみに、その町長の実弟の甥にあたるのが、今年4月に建設業法違反で逮捕され、現在も裁判中の建設会社社長Y。Yは昨年の大任町長選挙の際にも買収で逮捕され、罰金50万円の処分を受けている)
指示役から「今度は、おたくだ」あるいは「今度は、おたくになったから」などと連絡を受けた業者は、自分ではじき出した金額を入札書に記入し、その写しを持って他の指名業者に提示。指示役からお墨付きを得た業者が落札するという仕組みが確立していた。
一番の問題は「ペーパー業者」が受注したケースである。ペーパー業者はスコップ1本持っておらず、施工能力ゼロ。仕事は当然丸投げとなる。しかし、ペーパー業者にも分け前は必要で、その分は工事費に上乗せしておかなければならない。無駄な公金が仕事もしない連中にタレ流されてきたわけだ。
ペーパー業者に利益をもたらすためには、設計及び積算の段階での金額操作が必要になるはず。そう読んだハンターは、数年かけてその実態を調べ上げてきた。近く詳細を報じる予定だが、あえて解説を省き、設計業務の受注状況を示しておきたい。

もう一点、事前に示しておきたい写真がある。大任町内の、ある施設内に部屋を構える役場の出先である。この部屋がどのような役割を担ってきたのかは、今後配信予定の記事の中で詳しく報じることになる。

シリーズで展開してきた「汚れた土着権力」も、いよいよ核心に迫ることになる。
(中願寺純則)















