イオンモール熊本の爆発事故、地震後の入館認めたイオン側に遺族から「人災」の声

先月28日、令和8年熊本地震後に爆発が起き、7人が亡くなったイオンモール熊本の大惨事。ハンターでも既報の通り、《「イオンの人」と見られる人物に許可を得ていた》ことで犠牲者が出た可能性が浮上していたが、8月11日、イオンは《重要なお知らせ》《イオンモール熊本の爆発事故について(第5報)》で、地震発生後の避難後に一時入館を認めたことを発表した。

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これまで、イオンは避難していた従業員やスタッフに再入館を「認めたことは一切ない」と否定していた。しかし、《避難後、当施設は車通勤者が非常に多いことから帰宅困難となる従業員が複数発生し、車の鍵や身分証、携帯電話等の貴重品の回収、またトイレの使用やレジ締め等、再入館の要望が寄せられました。混乱する現場の状況下において、帰宅困難者等の入館要望者への個別対応が必要となり、一時入館を認めた事実があったことを確認いたしました》と公表。これまでの主張とは一転して「過失」が問われかねない状況だ。

このイオンの発表を見てすぐに連絡をくれたのは、ハンターの取材に証言したイオンモール熊本で働く女性スタッフAさん。電話口でこう憤る。

「やっぱり許可を出していたじゃないですか。“イオンの人”は『揺れも収まったようなのでちょっとくらいなら』と私に言ったんですから。絶対に間違いない。それなのに、これまでウソをついていた、あたかも戻った方が悪いと言わんばかりだったイオンの姿勢は許せない」

Aさんの記憶では、地震から1時間弱が経過した7月28日午後5時20分くらいのことだった。同じ店や他のテナントの人と5、6人がかたまって、「スマートフォンがないから家族に無事を伝えられない。家族も無事なのか心配」「車のカギがないから、どうやって帰ろうか」などと話し合っていた。

気付けば、入口付近に普段から挨拶している“イオンの人”。そこで、他のテナントの人が「車のカギがなくて帰れそうにない」「店が心配なので、見に行っていいか」などと問いかけた。すると“イオンの人”は「揺れも収まったようなのでちょっとくらいなら」と明言。それを聞いていたAさんは、店の同僚と話し合い、店舗にカギやスマートフォンを取りに行くことになったという。Aさんはこう振り返る。

「私がモールに入ろうとしたときには、他の数人のスタッフらしき人も戻っていました。“イオンの人”がそれを止めることはありませんでした。地震でディスプレイが倒れ、商品が散乱する中、2階の店に戻ってカギやスマートフォン、あと入館証などを同僚の分も手にして出ようとしました。あまりに店内がめちゃくちゃで、明日から営業になったら勤務の人が困ると思ってちょっと片付けようとしました。けど、10年前の熊本地震では最初に大きな地震がきて、2度目はさらに揺れたことを思い出したんです。早く出ないといけないと、私が店を出て1階に降りて外に出ようとした時です。ガス臭い』――、そう感じて急ぎ足で駐車場に出ました。ちょうど別の店のスタッフさんとも一緒になり、『ガスの匂いかな』などと話をしたので間違いありません」

すぐに、カギやスマートフォンなど貴重品を同僚に手渡し、店内の様子を話しながらモールから少し離れた時だった。Aさんたちを、すさまじい爆発音と爆風が襲った。報道によると、午後5時50分頃とされている。Aさんは10分ほどの差で助かったのだ。

地震と爆発から5日後、Aさんは「ガスの匂いかな」と話した別の店のスタッフと連絡をとることができたという。

「その人は、イオンの人が、何人もの人に『戻っていいよ』という許可を出していたのを見ていたと話しています。一度中に入って駐車場に再度避難したスタッフの中には、イオンの人に『モールはとんでもない状況だ』と言っていたとも聞きました。イオンの人は1人ではなく、複数がいて止めることもなかったとも言っています」(Aさん)

8月1日、イオンモール熊本の捜索が終了してようやく「入館許可」を認めたイオン。Aさんは数年前からの顔見知りでよく話をしていたスタッフの一人がモールに戻って爆発に巻き込まれ、死亡したことを8月5日に知ったという。

「私も同じようになっていたかもしれない。同じ場所で仕事をしていた顔見知りが亡くなって、言葉もありません」(Aさん)

亡くなったスタッフの親族は、ハンターの取材に「これまでイオンは許可していないと言い張ってきた。ウソをついてきたことになる。あれほどの地震なのだからどんな危険があるかわからないのに、戻ることを許可したなんて……。地震後の対応マニュアルには、現場の判断となっている。その判断に従って命を失ったのであればこれは人災だ」と無念の胸中を明かしている。

イオンは発表で《避難後の規程やマニュアル、教育・運用体制が無かったことが現場に判断をゆだねる結果につながった》と「現場判断」に任せていたことも認め、今後はマニュアルを改定するという。しかし、亡くなった7人は戻ってこない。「人災」の責任をどう負うのだろうか。

 

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