福岡県議会の金銭授受問題で「カツアゲされた」と発言し、オールドメディアからヒーロー扱いされている吉松源昭元議長。高額な海外視察の旅費や政治とカネの問題などで古巣の自民党県議団や県を厳しく批判してきたが、自身の所業に次々と言行不一致の事例が浮上する展開となっている。
7年間で1億円を超える支出先不明の「交際費」、公費出張先でのラブホテル利用、一人のはずのホテルの部屋に2人で泊まっていた可能性を示す領収書……。「カツアゲされた」という発言の信憑性が問われる状況だ。
ハンターは、その吉松氏がローカルテレビのインタビューに応じた際の発言に注目。同氏が議会の一員として「海外出張」した際の実態を調べ直した。
■公費での海外出張を否定したが……
吉松氏は今年6月、TNCテレビのインタビューに応じ、次のようなやり取りを行っている。
TNC:議長就任後、海外視察に行ったか?
吉松:議長になってからは行っていない。2020年6月就任、新型コロナが2月。議長になったのは「ステイホーム」と言っていた飛行機も飛んでない時期。議長の間は海外に行っていない。その前の議運委員長の時期には行っていたが基本的には自費、一部は政務活動費で。公費では行っていない。TNC:どこに行ったか?
吉松:議運の委員長の時は行かないと「やる気がない」と言われかねないので、おそらく全て行った。例えばオーストラリアとか、ハワイ行ったんじゃないか。ホテルは同じホテルで、部屋はそのホテルが1番か2番目に安い(ところ)。(議長などが)スイートに泊まっていたのは全然知らなかった。
海外視察については、「公費では行っていない」と断言している。ただし微妙な言い回しだ。“議長就任後、海外視察に行ったか?”と聞かれた吉松氏は「議長の間は海外に行っていない」。あとは議運の委員長時代に「オーストラリアとか、ハワイ」と記憶をたどっている。議長を辞めた後のことには、TNCも吉松氏も触れていない。
下は、令和4年10月に吉松氏から議長あてに提出された「議員派遣決定願」。派遣目的は「福岡県議会ブラジル福岡県人移住110周年及び福岡県人会創立90周年記念式典訪問団参加のため」となっていた。同氏はTNCとのやり取りから時日を経て、このブラジル行きをいずれかのメディアの取材に認めている。

この海外派遣は同年10月17日から25日までの日程で実施されたもの。前年6月まで議長を務めていた吉松氏をトップに、他4人の県議と3人の職員を合わせた8人がハワイを訪問していた。旅費の総額は10,686,360円。吉松氏には航空券代やホテル代などを合わせ2,178,700円が支給されている。

吉松氏が「公費」で海外に出張していたことは明白だ。しかも、残されている関連文書には、吉松氏が搭乗した航空機の座席がビジネスクラスなどを意味する「特別座席」だったことも明記されていた。

■議長就任前には夫人同伴でハワイ
では、議長就任前の時期はどうだったのか。吉松氏はTNCのインタビューに「ハワイ」に行ったとも話している。ただし、自費か政務活動費であり「公費では行っていない」という。話の流れから言って、ハワイ行きも公費は使っていないはずだ。しかし、実際は違う。下は、ハンターが独自に入手した「平成24年度ハワイ州議会友好訪問報告書」である(*以下、画像の中の赤い書き込みはハンター編集部)。この頃の吉松氏は議会運営委員会の委員長ではない(*委員長就任は平成31年 )。

福岡県議会がハワイ州議会から招聘され、平成25年(2013年)1月15日から20日までの日程で、代表団を送った際の報告書だ。正式参加したのは県会議員7名と議会事務局の職員2名で、団長は当時議長だった松本國寛氏(現自民党県連会長)。この中で吉松氏は副団長を務めていた。関係者は「吉松さんは副団長。自費ではなかった。間違いなく公費出張。まずないと思うが、政務活動費だったとしても原資は公費、同じことだ」と話す。
たしかに、政務活動費は公費で賄われており、それを使った海外渡航も「公費出張」であることに変わりはない。テレビインタビューに「(海外出張は)基本的には自費、一部は政務活動費」と答えているところをみれば、吉松氏はその点が理解できていないのではないだろうか。重ねて述べるが政務活動費の原資は公費である。


実はこのハワイ訪問に、吉松氏は結婚したばかりとみられていた妻を同行させていた。報告書に記載された記念写真などには、しっかり「吉松夫人」が写っている。

![]()

正式なルールはないが、福岡県を代表して知事や県議が諸外国を訪問する際、夫人の同行が認められているのは大抵の場合、県知事と議長など訪問団のトップだけ。招聘元によっては、“参加議員の夫人もご一緒に”と誘うケースもあるという。この時はまさに「夫人も共に」だったとされるが、ある訪問団の関係者は「新婚旅行のつもりだったんじゃないか」と振り返る。
いずれにせよ、議長就任前のハワイと議長退任後のブラジルへの旅行が「公費」によるものであるのは確実。吉松氏がTNCに述べた「公費では行っていない」には疑問符が付く。
言行不一致が目立つ展開となった吉松氏。ハンターには現役の県職員や幹部OBから、同氏の実像を告発する内容のメールなどが相次ぐ状況となっており、裏付けが取れた話から報じていく予定だ。
(中願寺純則)















