福岡県議会の金銭授受疑惑に「カツアゲ発言」で火をつけて以来、オールドメディアがこぞってヒーローに仕立て上げた吉松源昭県議会議員。第三者委員会の設置要請、議長の辞職勧告決議案提出、百条委員会の設置要求、裏アカ問題の同僚県議への問責決議案提出等々、新聞・テレビと協同した形のパフォーマンスが続く状況だ。その吉松氏、小川洋前知事が病魔と闘いながら県政運営に力を尽くしていた頃、県議会の場で知事を激しく糾弾していた。その吉松氏の現在地は……。
■体調不良の小川知事(当時)を執拗に攻撃
2016年10月26日の決算特別委員会。吉松氏は、腰痛治療のため8日間入院したとする小川洋知事(当時)の出張状況について問い質す。
吉松:ただいま人事課長から、今回の入院に際しての海外出張のキャンセル料、この18万8,400円が県費から支出という回答がありましたが、先ほど配っていただいた資料の中で、過去1年の県外の出張の資料をいただいています。これを見ますと、5月15日から18日にかけて、フィンランドに20時間飛行機に乗って知事は行ってあります。また、その2カ月後、7月15日から7月20日にはインドネシアに、飛行機18時間、バスに11時間に乗っている。5月、7月、これだけ乗り物に乗れた人が、急に10月になって、このメキシコまで14時間ですか、聞いておりますが、乗れない。そして、県民の貴重な税金18万8,400円を支払う事態になったと。
知事は記者会見の場で、10月7日に入院を決断したと言っておりますが、この資料によれば、その入院を決断した日から、10月7日から10月8日にかけて、一泊二日で京都まで新幹線に6時間乗っている。腰痛が痛くてたまらん、俺はメキシコやめて入院すると発表した人が、6時間も新幹線に乗っておるんですよ。私、知らないけど、新幹線に寝台があるんですかね。これは県民からすると、18万円返せと、必要なかったやないかと、そんな意見が出ているんですよ。それについてはどう思われますか。
この頃、県関係者の間で懸念されていたのが小川知事の体調問題。「がんではないか」という噂が広がっていたのは確かだ。ただ、何の疾病であれ、8日間も入院治療していたという小川知事に、吉松氏は情け容赦ない質問をぶつけ続けた。同年11月4日の決算特別委員会では、腰痛のため8日間入院したとする小川知事が、その前日まで京都に出張していたことを取り上げて厳しく追及していた。
吉松:こんなことを聞くのは、先般この委員会の中で資料要求をした後に、こういった指摘があったんです。これは7日と8日で行って、8日の11時から○○社長と面談してあるわけですが、ある自治体の職員から指摘がありました。うちの町であれば、小さな町だから仕方ないのかもしれませんが、京都で11時に面談をするんであれば、朝一で新幹線で行きます。3時間で着きますから7時台の新幹線で行けば間に合うと。前日に公務がなかったわけでありますから、わざわざ前日に一泊してまで日程を組むことはちょっと考えられないという指摘がありました。
また、今知事が申されたように県の随行者が誰もいなかったということで、それらをあわせていくと、そもそもこの出張が本当に公務だったのかと。もしかしたらプライベートに近いものであって、それを糊塗するために民間の会社の社長と会うという日程を後から理由づけに入れたんじゃないかと、そんな誤解も生むわけであります。
今、知事が申されたような理由があったわけでありますから、これは真っ当な話であることは今わかりました。しかし、こういった日程表だけを見ると、そういった誤解も県民に招きかねません。そのことを指摘したいと思います。
確認ですが、これは一泊二日で行ってありますが、日帰りでも可能なものではなかったのでしょうか。(中 略)
先ほども指摘しましたが、この宿泊費も税金で払われるわけでありますから、可能な限りその必要性というものについては、今後、取捨選択していただきたいと、これは指摘をしておきます。
(中 略)
今、質問に答えられていないと思うんですね。これはそもそも通院でできたものではないかと。これも多くの方々の御意見ですが、通常、腰痛の検査で入院というのは聞いたことがないと。手術をするのであればともかく、検査だけで入院というのはないということが指摘されております。
また、これはちょっと抗議をしたいことがあるんですが、10月27日の答弁の中で知事は、最小限の入院で公務にも余り影響が出ないというタイミングでやったと答弁されております。これには私は強い憤りを覚えています。多くの方々が楽しみにし、3年前から約束してあった海外福岡県人会世界大会を欠席し、さらに県民の最も関心の高い原子力防災訓練、しかもこれは長崎、佐賀両県とともに実施した訓練、これも欠席をしている。断じて公務に影響が出ないというタイミングではなかったわけであります。
そういった意味でも、入院ではなく通院という形で検査をやれば、あるいは入院をするにしても一日、二日ずらせば、こういった大事な公務も出られたと思うわけであります。重ねて申しますが、この8日間の入院というものが必要だったという資料を出していただいて、やはり県民の皆さん方にきちんと説明をしていただきたいと思います。
不適切な政治資金処理を続けてきたことが分かっている吉松氏は(参照記事⇒こちら)、自分には甘く他者には厳しい。そもそも、追及する際の言葉の使い方が酷すぎる。何様のつもりなのか分からないが、知事の体調を詳しく知る立場にない吉松氏が、「入院ではなく通院でよかったはず」などという指摘をするのは間違いだ。人の道から外れていると言っても過言ではあるまい。
「新幹線に寝台があるかどうかも知らない」という一言は幼稚な皮肉。吉松氏は『県民からすると、18万円返せ、必要なかったやないかという意見が出ている』と述べていたが、その具体的根拠は示されていなかった。「牽強付会」の一語が頭をよぎる。
■「予算要望」でラブホテル?
注目すべきは、「日帰りでも可能なものではなかったのでしょうか」「宿泊費も税金で払われるわけでありますから、可能な限りその必要性というものについては、今後、取捨選択していただきたい」という吉松氏の発言だ。
これまで報じてきたように、吉松氏は昨年から今年1月にかけての4回の東京出張において、ラブホテルを利用していたことや「2名で宿泊」していた疑いがあることが明らかになっている。目的はすべて「予算要望」。いずれも一泊二日だ。

この日程での公費出張は本当に必要だったのか?改めて、令和5年から今年にかけての東京出張の実態を調べ、表にまとめた。
*吉松県議の東京出張の日程、用務先、用件、旅費
令和5年と6年の宿泊施設ついては、この頃まで領収書の提出義務がなかったため不明。しかし、令和7年から今年1月にかけての東京での宿泊先は、残されていた領収書から「露天風呂」付きのラブホテルや、ダブルかツインの部屋があるシティホテルだったことが分かっている。一人で公費出張したにもかかわらず、シティホテルには「2人」で泊まっていた疑いがあることも報じてきた通りだ(既報)。
気になるのは、国会議員と思しき相手に繰り返し行ったことになっている「予算要望」という出張目的だ。周知の通り、ほとんどの国会議員は「地元事務所」を構えている。予算要望が必要なら、地元事務所を訪ねれば済む話。わざわざ東京に出かける必要などあるまい。予算要望は“建前”に過ぎなかったのではないかという疑念が生じる。
もう一点、令和5年10月、6年5月、同年12月の東京出張は日曜出発。翌日の面談に備えた前泊だった可能性もある一方、なぜ日曜日に出発する必要があったのかについては、出張資料だけでは明らかではない。
体調不良が明らかとなっていた知事に対し、「(出張が)日帰りでも可能なものではなかったのでしょうか」「宿泊費も税金で払われるわけでありますから、可能な限りその必要性というものについては、今後、取捨選択していただきたい」と迫った以上、吉松氏もそれを実践すべきだろう。吉松氏にはぜひ、次の質問に答えてもらいたい。
・なぜ国会議員の東京事務所への訪問が必要だったのか。地元事務所は対応できなかったのか?
・それぞれの出張について、日帰りで対応できなかった理由は何か?
・「予算要望」の具体的な内容は何だったのか?
・面談した国会議員、面談日時、要望内容を公表できるか。
・露天風呂付きホテルを選んだ経緯と理由について合理的な説明ができるのか?
・令和5年と6年の東京出張における宿泊先と宿泊費を確認できる資料が公開できるか?
・出張の結果、県政上にどのような成果を得たのか?
・令和5年から6年にかけての東京出張4回の内、3回が日曜日の出発だったのは何故か?
(中願寺純則)















