カツアゲ発言・吉松源昭県議の「嘘」と関連政治団体の「違法行為」

福岡県議会の金銭授受問題に火をつけた「カツアゲ発言」で時の人となった吉松源昭県会議員の関連政治団体による「違法行為」がまた一つ発覚、改めて同氏の「嘘」が証明される形となった。

これまで吉松氏の関連政治団体は自民党支部を含め9団体と報じてきたが、別にもう1団体あることが判明。吉松氏側はその団体の設立から2年間、政治資金規正法が定める収支報告書の提出を怠っていた。

県選挙管理委員会が“違法”であることを指摘する文書を発出したため当該団体はいったん「解散」、その日のうちに同じ名称の団体を「再設立」していた。しかし、吉松氏側が解散に伴う作業を完結させていないため、選管は収支の実態を公表できていない。

Xへのポストで「(政治資金収支報告書を)適正に作成・提出」「現在まで違法又は虚偽記載であるとの指摘を受けた事実はありません」などと断言した吉松氏だったが、いずれも真っ赤な嘘であることは明らかだ。

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新たに判明した吉松氏の関連政治団体は「福岡4区の政治を考える会」(以下、「考える会」)。吉松氏の政党支部や後援団体の収支報告書に記載された内容から、「考える会」に政治資金の動きがあることは分かっていたが、提出が義務付けられている政治資金収支報告書を確認することができない状況だった。

「考える会」の実態を調べるため県選管に開示請求して入手した同会の「政治団体設立届」(*下の画像)によれば、団体設立は令和5年8月3日(届出は同月15日)。住所地は吉松氏の自民支部や八つの政治団体と同じ。事務所の土地・建物は吉松氏が代表を務めるコンサル会社「ビジネスサポート」が保有していることが分かっている。

団体の存在は確かなのに、県選管がホームページ上で公表している県内の政治団体名簿(令和7年12月31日現在)に「福岡4区の政治を考える会」という名称の団体は記載されていない。また、提出されているはずの令和5年分と6年分の政治団体収支報告書も見当たらない。

考える会に政治資金の動きがあったことだけは分かっていた。吉松氏の政党支部「自由民主党福岡県粕屋郡第一支部」の令和6年分収支報告書には『考える会』に533,610円を寄附したこと、「吉松もとあき後援会」の報告書には『考える会』から6,770,000円の寄附を受けたことの記載がそれぞれあるからだ。その該当部分を下に示す。

別団体の収支報告書に「考える会」の名称とカネの動きの一部が出てくるものの、それを裏付ける同会の令和5年分と令和6年分の政治資金収支報告書は未提出。違法状態を確認した選管は、政治資金規正法の規定に基づき、昨年6月30日付で下の文書 ―『政治資金規正法第17条2項の適用について』―を吉松氏側に送付していた。

政治資金規正法は、収入と支出をすべて会計帳簿に記載し、その内容を「政治資金収支報告書」に転記して期限内に管轄の選挙管理委員会(全国団体は総務省)に提出するよう定めている(法第12条第1項)。国会議員関係団体を除く政治団体の報告書提出期限は翌年の3月31日だ。このルールに従わず、収支報告書の提出を2年間怠った場合、いわゆる「みなし解散」の違法状態にあるとして自動的に政治団体としての法的資格を失う。その段階で、選管から上掲の通知文書が送付される決まりだ(法第17条第2項)。

解散に伴って提出しなければならないのが「政治団体解散届」と「解散時の収支報告書」。従わない場合は5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金となる(法第25条第1項)。

上掲の通知が発出されたのは昨年の6月。すぐに通知に従っていれば、同年11月に行われた政治資金収支報告の公表に間に合っていた可能性もある。しかし、「福岡4区の政治を考える会」の解散届に添付されていたはずの政治資金収支報告書は公表されていない。一体どうなっているのか?

開示された資料によれば、「考える会」が解散届を提出したのは今年の4月17日。書類上の届出年月日を昨年の「12月31日」に遡るという身勝手な内容だった(*下の画像)。さらに、解散と同じ日に「福岡4区の政治を考える会」という同名の政治団体を立ち上げていた(*解散届の下の画像)。昨年6月に違法状態であることを指摘され、解散届と収支報告書を提出するよう求められてから9か月も放置――呆れるしかない。

■「適正に作成・提出」「現在まで違法又は虚偽記載であるとの指摘を受けた事実はありません」は真っ赤な嘘

4月に提出された解散届は確認できたが、何故か解散に伴って提出されたはずの政治資金収支報告書が公表されていない。実は収支報告書に不備があり、選管から修正を依頼しているが、作業が完結していないのだという。前述したように、少なくとも6,770,000円という大きな金額を動かしておきながら、資金の流れが確認できない状態。杜撰というよりデタラメな政治資金処理と言う他ない。これでは、何かを隠すための意図的な違法行為という見方も可能だ。いずれにせよ、関連政治団体の管理さえできていない吉松氏に、政治家としての資格はあるまい。

吉松氏は、SNS上で関連政治団体の政治資金収支報告書について「適正に作成・提出」とした上で、「現在まで違法又は虚偽記載であるとの指摘を受けた事実はありません」と断言している(*下がその投稿)。それが真っ赤な嘘であることは明白だ。

「考える会」に出された『政治資金規正法第17条2項の適用について』は、“違法”を指摘するもの。これは選管も認めている。吉松氏側が政治資金収支報告書の“適正な作成・提出”を実行していれば、その文書は発出されていなかった。吉松氏側に送付された『政治資金規正法第17条2項の適用について』こそが、「適正な作成・提出」「現在まで違法又は虚偽記載であるとの指摘を受けた事実はありません」が噓だった証(あかし)である。

問題は、違法性の指摘を受けたのが「考える会」だけではない点だ。7月に配信した《福岡県議会・吉松源昭元議長の政治団体が繰り返す脱法行為》で報じた通り、吉松氏側の政治団体「源友会」が初めに設立されたのは平成15年1月28日。しかし、初代源友会は設立から2年の平成17年1月25日に『政治資金規正法第17条2項』の適用を受けて解散。平成30年3月30日に再設立されたが、二代目源友会も17条2項の適用を受けて再び解散し、すぐに3度目の再設立をするという脱法行為を繰り返していた。同じ団体が、「違法」との指摘を2度も受けていたということだ。

さらに、吉松氏の関連政治団体である「昭友会」「吉友会」「松友会」「粕屋の政治を考える会」「粕屋の未来を考える会」「粕屋の発展を考える会」の六つの団体も、違法の指摘を受けて解散。その日のうちに同名の団体を設立するという手法で2年間のカネの動きを隠す脱法行為を行っていたことが明らかになっている。各団体が行った「初回の設立⇒解散⇒二度目の設立」という流れは次のようになる。

確認できただけで少なくとも「8回」、吉松氏側の政治団体に違法行為があるとして『政治資金規正法第17条2項の適用について』が発出されていたのは事実。それもまた、「適正に作成・提出」「現在まで違法又は虚偽記載であるとの指摘を受けた事実はありません」という吉松氏の主張が、真っ赤な嘘だったことの証明となる。

デタラメな政治資金処理や不適切なホテル利用を指摘されながら、それを糊塗するために吉松氏が繰り返す「嘘」や幼稚な「言い訳」。こうした人物が発した「カツアゲ」も、真相を隠すためのでっち上げだった可能性が否定できない。

(中願寺純則)

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