北海道を中心に約90万部を発行するブロック紙「北海道新聞」は13日、同編集局報道センターの記者(31)がオフレコの取材メモを第三者に漏らしていたことをあきらかにし、同日付朝刊で謝罪した。
道新によると、情報漏洩が発覚したのは12日。当該記者は今年3月から9月にかけ、北海道議会に関する取材メモの内容をLINEで別の取材先に提供していた。漏洩は複数回にわたるといい、同社は記者や編集局幹部を厳正に処分する方針。現在、社内で調査を続けているという。
同本社経営管理局は取材に対し、自社で報じた経緯以上の事実は現時点で公表を控えるとした上で、新たな事実が判明次第、適切に発表していくとしている。
【間瀬達哉報道局長のコメント】
「記者がオフレコの情報メモを外部に提供していたことは、情報源の秘匿という記者倫理の根幹に反する許されない行為で、報道機関として極めて深刻に受け止めています。関係者に多大なご迷惑をおかけし、読者との信頼関係を損ねたことを深くお詫びします。記者教育の徹底を図るとともに情報管理のあり方を見直し、再発防止に全力を挙げます」
報道センターに勤務する道新関係者の1人は「議員相手にメモを回してたんだとしたら、脇が甘すぎ。記者よりも政治家のほうが老獪と心得るべきだった。社内処分がどうなるかはわからないが、現場から外して内勤に異動させることになるのではないか」と話している。
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 北方ジャーナル→こちらから |