小野泰輔八代市長のスピード違反と政治資金問題

昨年1218日朝、熊本県八代市の小野泰輔市長が九州自動車道下り線を走行中に法定速度100㎞の区間を152kmで走行。52キロオーバーをオービスで摘発された。道交法違反(速度超過)である。八代簡裁は日付で罰金8万円の略式命令を出し、免許停止90日間となった。

■自宅は熊本市、出勤途中の52キロオーバー

小野氏は東京大学出身。熊本県の副知事を務めた後、2020年の東京都知事選に日本維新の会から立候補し落選。同年10月の衆議院選挙では、再び維新から出馬し比例復活するも24年の総選挙で敗れていた。その後、昨年8月の熊本県八代市長選に出馬し初当選を果たしている。問題のスピード違反は、市長就任から4カ月ほどして起きている。

八代市では、昨年と今年、2度も市職員が酒気帯び運転で検挙されている。2度目の検挙を受けた2月、小野市長は記者会見で「まずお詫びしなければなりません。職員の酒気帯び運転で検挙されましたというご報告です。本年度に入り2度目。決してあってはならない事態。市政を預かる責任者として市民の皆様にご迷惑をおかけしました」と険しい表情で述べていた。しかし、この時点で小野氏は、すでにスピード違反で摘発されていたことになる。自らの交通違反については口をつぐんだわけだ。

小野氏は八代市長当選後、昨年12月のnoteで次のように述べている。

《人口減少の中でいかにして元気な地域を持続させていくか。それには、行政だけの力ではなく、地域の方々の情熱が何よりも大事です。それを後押ししていく市役所でありたいと思っています》――人口減少を市長としてどう克服し、市を発展させるかについて述べているのだが、八代市役所の職員は苦々しそうにこう話す。

「小野市長は、八代市ではなく熊本市に住んでいると言われていました。スピード違反のせいで、はからずもそれが露呈した。捕まったのは、熊本市の自宅から八代市に向かう途中。東京や大阪の大都会ならいざ知らず、八代は人口12万人ほどの小さな市です。全国的に地方が抱える人口減少問題は八代市も同じ。“市長が熊本市に住んで人口が増えるわけない”と市民からは怒りの苦情もあります」

2月の記者会見で52キロオーバーのスピード違反を明かさなかった小野市長は「処分が確定した時点で公表するつもりでした」と釈明した。しかし、市職員の酒気帯び運転については「検挙」の時点で会見している。小野氏の対応は、バレなければいいという「保身」と見られてもおかしくあるまい。市民も怒りはもっともだ。

「小野さんがスピード違反の件を公表していなかったと聞いて、『やっぱり彼らしいな』と思いました」と話すのは、小野市長が維新時代に一緒に活動していた衆議院議員。かなり手厳しく非難する。

「小野さんは、格好つけるのが好きなタイプなので、52キロオーバーのスピード違反でありながら、自分から謝罪するのは嫌だったのでしょう。維新の時からそうでしたから。維新から出馬して比例復活で初当選した時も、『100万円』で大きなニュースになり自慢げにしていたのが印象に残っている」

ここに出てきた「100万円」というのは、小野市長が2020年の衆議院選挙で初当選した直後、国から支払われた文書通信交通滞在費のこと。翌21年12月6日、毎日新聞電子版の記事の中で小野氏は熱く語っていた。

《初登院した1110日、議員会館の部屋に戻ると机の上に封筒があった。はがすと内側に明細が印刷されている特殊な封筒だったが、分厚い現金の札束が入っていた。1031日分(1日分)の歳費と11月分の歳費全額、10月分の文書通信交通滞在費(文通費)100万円、11月分の上半期の文通費50万円、全部で260万円ぐらいあった》

《一見して違和感があった。1031日、1日しか議員として身分が発生していないのに、活動経費である文通費が10月分まるまる支給される。そもそも議員としての活動がない期間のものが支払われるということに非常に違和感を覚えた》

小野市長のクリーンさをアピールする記事だ。だが、スピード違反の件でもわかるように、小野市長のクリーンさには疑問符が付く。

■政治資金還流先のファミリー企業側から300万円

それを如実に示すのが、小野市長が衆議院議員だった時期の政治資金の使途。24年に「日本維新の会衆議院東京第7選挙区支部」が提出した政治資金収支報告書には、レンタカー代として「株式会社ONJ」という会社への支払いが記載されている。レンタカー代の計上は計6回、369,600円に上る。

そこで、株式会社ONJの法人登記簿を見ると、小野氏自身が昨年7月までは取締役。役員の氏名などから小野氏のファミリー企業だと推測できる。また、小野市長の政治団体「小野たいすけ後援会」に、ONJの法人登記と同じ住所地の人物二人が、それぞれ150万円、計300万円を寄付していることもわかる。二人とも同社の取締役である。

維新の会を巡っては、藤田文武共同代表を筆頭に、政治資金を使って地方議員や秘書らが経営する会社に印刷、レンタカーなどを発注する形で身内の懐を肥やしている実情が問題になっている。小野市長の政治資金の使途もまったく同じ構図。組織内で身内への還流が常態化している可能性も否定できない。

八代市民はこうつぶやく。

「小野さんは、さわやかなイメージだが、中身は見かけとまったく違うようだ。維新の悪いところばかりを背負っている感じ。彼を選んだ私たちの判断は間違いだったのかもしれない。せめて地元に住んでくれよと言いたい」

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