立民衆院議員候補・今井瑠々氏、自民移籍の無節操

今月13日、立憲民主党所属で衆議院岐阜5区の総支部長だった今井瑠々氏が、今春の統一地方選挙で自民党から県議選に出馬することを記者会見で発表した。
2021年10月の総選挙に、史上最年少で出馬。自民党の古屋圭司元国家公安委員長を相手に約1万3千票差(惜敗率83%)まで肉薄し、将来を有望視されていた人物だったが……。

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「1月初めまで立民の候補者で、総支部長としてやっていた。それがいきなり、自民党の県議候補でビックリ仰天。究極の裏切り行為ですよ。有権者をバカにしている」と立民の岐阜県連幹部が憤る。

その今井氏は会見で、自民党に宗旨変えして県議選に立候補することについて「若者、女性の声を届ける、政策実現のためには予算(が必要)。政局、政党ではなく、県議として実現させたい」「立民では、仲間が見つけずらい(岐阜県が保守王国で)応援がしにくいとの声をたくさんいただいた。立民も支持率が伸びず、サポートもなかった」と自身の正当化を訴えた。

衆議院選挙の際は、25歳でルックスもいい今井氏を見たいと多くの「追っかけ」もいたほど。アイドル並みの人気だったという。昨年夏の参議院選挙では、「集客効果」を狙った立民が、辻元清美参議院議員ら有力な候補者の応援に今井氏を投入していたほどで、知名度は全国区になりつつあった。

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今井氏が衆院選で戦った古屋氏は、安倍晋三元首相に近く、「右寄り」な発言で知られる。共産党について「なんでも反対の人たち。財源の裏付けない主張は詐欺」などと口汚く非難。北朝鮮の金正恩総書記を「デブでどうしようもない」などとけなすなど、過激な発言も少なくない。

一方、今井氏は衆院選の際、“同性婚賛成”、“憲法9条改正や原発の再稼働、新設に反対”と、古屋氏とは真逆の政策を訴えていた。古屋氏と近い安倍晋三元首相の「国葬」にも反対をしていたほどだった。

今井氏は会見で、昨年12月、議員会館に古屋氏を訪ねて自民党から県議選に出馬する意向であることを報告した上で、「(古屋氏と)政策の考えの違いなどを確認した」という。

古屋氏は、今井氏について「多様性があっていい。県議には女性が4人しかいない。共産党のような主張じゃないから大丈夫だ。立民、泉代表から相当な圧力があったが、立派だよ、よく耐えてくれた。政策実現のためには自民党に入らないといけないと決断してくれた」としてご満悦だ。

次期総選挙で、古屋氏にとって最大のライバルになる予定だった立民・今井氏。それを自民党に鞍替えさせたということは、当面、古屋氏の「バッジ」が安泰になったということだ。古屋氏は当選11回のベテランで現在70歳。後継者として公設秘書である長男・一郎氏の名前もあがっている。今井氏は会見で、古屋氏の秘書と何度も会っていたと認めており、その中に一郎氏が含まれていたことも分かっている。井氏のこれまでの支援者が、ムッとした表情でこう話す。
「今井は爽やかさやフレッシュな印象で売り出した。しかし裏の顔はとてもキツイ人だった。『うぜぇ~』『なんだよ、なにやってんの』など罵倒するような言葉は珍しくなかった。立憲民主党からサポートがないというが、活動費50万円が党本部から出ていた。今井は自分のことを棚に上げているが、彼女をサポートしたくないから人が集まらないのですよ」

さらに「地元で流れている噂で、真偽は明確ではない」と断った上で、次のような話を披露してくれた。
「今井は、なんでもいいからバッジをつけたいと、自民党にすり寄るための人脈を探していた。そこに引っかかってきたのが古屋氏の長男の一郎だったそうで、何度か食事しているところを目撃されています。今井は古屋の長男に『衆議院議員になりたいので自民党にいってもいい』と懇願したといいます。 しかし、古屋の父親はまだ現職。とてもじゃないが無理筋の要望です。すると今井は『離婚してあなたと結婚してもいいから』とまで迫ったというのです。結局、今井が『バッジなら何でもいい』と折れて県議選になったというのですが……」

この話は、今井氏の地元である岐阜5区、とりわけその中心である多治見市においては、あちこちで聞かれる話となっている。

自民党は、県議選の候補としてすでに共同通信政治部の元記者、友江惇氏を公認しており、今井氏は党推薦にとどまる見込み。県議選は定数2で、現在は自民党と野党系無所属で分け合っている。友江氏と今井氏で「2議席を独占したい」と古屋氏は自信ありげに語るが、自民党のベテラン県議は冷ややかだ。
「公認の友江を最優先で当選させねばならない。今井は知名度も高いので党の支援がなくとも票はとるでしょう。それに、推薦候補だからそう力を入れるわけにもいかない。よくみれば、古屋代議士がバッジを守るためにライバルを引っこ抜いたという、有権者そっちのけの政治的な動きですからね。代議士は今井の会見には同席せず、野田聖子元総務相に任せた。おまけに地元の記者だけで、週刊誌などの突っ込んできそうな記者は会見からシャッタアウト。そりゃ、今井と長男のことを聞かれたらヤバイからだと思うよ。今回は代議士の作戦がすべてはまったということ」

立民から自民に移籍するという今井氏の「裏切り」と噂される「醜聞」に、地元もしらけムードだ。

「今井氏への同情とか、かわいそうだという声は皆無ですよ。それどころか『ポスターを貼らせてというのでOKした。自民党なら剥がせ』『立憲民主から頑張るというから寄付した。詐欺だ。カネを返せ』といった抗議がたくさん届いている」(立民関係者)

 

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