米国のイラン攻撃知りながら選挙応援|高市首相が推す馳知事の陣営に浮上した疑惑

2月28日夕、高市早苗首相は石川県を訪問。石川県知事選で2期目を狙う馳浩氏の応援のためにマイクを握り、「馳浩を失っちゃいかんのです」などと同氏を持ち上げた。

だが、東京を出発する直前、アメリカのトランプ大統領はXで《United States military combat operations in Iran:》と投稿し、アメリカがイランに対して軍事オペレーションを開始したことを表明。アメリカの軍事作戦参加を知った高市氏だったが、優先したのは選挙の応援演説だった。

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トランプ大統領は、Xで唐突に政策転換などを打ち出すことが知られている。首相官邸の関係者は、「トランプ大統領のXは、24時間体制で日本政府もチェックしている。これは他国でも同じだ」とした上で、「2月28日のイランへの軍事行動というのは、全世界を揺るがすもの。高市総理にも、第一報があがっていた」と話す。事実同日午後4時、首相は官邸に「イラン情勢に関する情報連絡室」を設置している。

高市首相は記者団に対し、「空港に出発しようという時に攻撃の第一報が入った。飛行機に乗る直前にアメリカも参戦したと聞いた。飛行機に乗るかどうか迷った」と説明したが、アメリカは日本の同盟国でありイランには在留邦人もいる。また、アメリカとイランの衝突となれば中東全体の問題だ。しかし、“迷った”末に高市首相はそのまま馳氏の応援のため金沢に向かい、決起大会に参加している。高市氏に安全保障に関する危機管理の感覚が欠如しているのは明らかだ。

公務や危機管理より政治活動を優先したのは確か。そうまでして応援した馳氏は裏金議員であり、本サイトでは何度もスキャンダルを報じてきた人物だ(既報)。

2024年1月1日に起きた能登半島地震の発生時、馳氏は東京で正月を過ごしており、すぐに石川県に戻れず批判を浴びた。今回の高市氏の行動は、それ以下だろう。

高市首相と馳氏が絡んだ問題はまだある。石川県知事選は、馳氏と元金沢市長の山野之義氏がデッドヒートを展開中。地元メディアの報道をみても、ほぼ横一線なのだという。そうした中、YouTubeにチャンネル登録されている「ワンチーム石川」という組織が出したとみられる「広告」に疑惑が囁かれているという。調べてみると、「ワンチーム石川」は馳氏の選挙をバックアップするための政治団体であることがわかる。選挙戦術的にいえば、間接的に馳氏を応援していこうという形だ。

筆者が確認した段階で、投稿されている動画は2本。いずれも馳氏を応援する内容だ。

1本は《高市総理と現職知事の力強いタッグで1日も早い能登の創造的復興へ!ワンチーム石川》というタイトル。高市首相が能登半島地震の復興について語っている模様がアップされ《能登震災・豪雨災害からの復興は着実に進んでいます》と馳氏の県政運営を評価するデータも並ぶ。動画の最後には「ワンチーム石川」という文字がある。

もう一本のショート動画は、熊本県の木村敬知事が「能登の復旧、復興がここまで進んだのは驚異的」と馳氏の手腕を持ち上げるもの。ここでも「ワンチーム石川」の文字が入っている。

公職選挙法は、《インターネット等を利用する方法による候補者の氏名等を表示した有料広告の禁止等》(第142条の6)で、選挙運動の期間中に有料でインターネット広告を出すことを禁じている。そこで不思議なのは、「ワンチーム石川」の出す2本の動画の再生数だ。

高市首相のものは76万再生、木村知事のショート動画は51万再生となっている。「ワンチーム石川」が登録されたのは2月18日。知事選告示は19日。チャンネル登録者数43人(3月3日現在)で、高市首相と木村知事の動画の再生数127万回を達成するのが可能なのかどうか?

人気絶頂の高市首相の動画には不思議なことにコメントがついていない。ここでも違和感を覚える。2本の動画には馳氏を支援する「ワンチーム石川」の文字が入っており、同団体による選挙活動と思われても仕方あるまい。

さらに確認してみると、Facebookにも「ワンチーム石川」のページが登録されていた。たどっていくと、「ワンチーム石川」が木村知事のショート動画の広告主になっていることが表示される。

<3月2日に掲載開始、合計アクティブ時間16時間>とあり、Facebookでは明らかに選挙期間中の広告と確認できる。ある自民党の関係者は、次のように話している。

YouTubeなどでのSNSの広告が衆議院選挙で大きな効果を上げたのは事実。ただ、公職選挙法で選挙期間中に禁じられている行為もある。高市総理が応援に入った馳知事やその周辺で、疑惑を持たれるような運用をしていれば自民党にとっても大きな問題となる。ご指摘の通り、登録者数からはとてもこの再生回数はあり得ないと私も見る。YouTube広告を出稿しているからこその再生回数ではないか。高市人気が沸騰する中、イラン情勢と馳知事への対応で失速しなければいいが……」

 

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