ばら撒きカタログギフト、熨斗(のし)記載の送り主は「高市早苗」|問われる「自民支部が寄附」との整合性

「圧勝したはずなのに、さっそく総理自身のスキャンダル。一気に支持率が落ち込まないか心配だ」――自民党の中堅議員が顔を曇らせた。

高市早苗首相は25日、衆議院選挙で当選した316人中、自身をのぞいた315人に3万円相当のカタログギフトを贈ったことを認め、国会で釈明した。

ハンターもカタログギフトの写真を入手。熨斗(のし)にはしっかり「御祝 高市早苗」と記されていた。自民党の支部による寄附との釈明とは明らかに矛盾している。

◆   ◆   ◆

1人あたり3万円相当のカタログギフトが大きなニュースになった25日、首相は開会中の参議院の予算委員会で厳しい追及を受けた。

「今回の大変厳しい選挙を経て当選したことへの労いの気持ち。1人分約3万円で315人分」(高市氏)。945万円を支出してカタログギフトを贈ったことを認めた上で、こう強弁した。

「政党支部から議員個人への寄附として出しているので法令上、問題はないと認識している」

しかし、熨斗に記された送り主は「高市早苗」。高市氏が支部長を務める「自由民主党奈良県第2選挙区支部」ではない。相当苦しい弁明だ。

実際に、カタログギフトをもらったという自民党のある議員は、心配顔で次のように話す。

「高市総理の事務所から『総理からです』といって議員会館の部屋に届きました。うちの秘書が、その包み紙を受け取ったんです。総理がいったい何をくれたのか、秘書も心配したらしく、すぐに連絡をくれました。議員会館で中身を確認すると、カタログギフト。選挙が終わったばかりの時期にこんなものもらっていいのかと考え、仲のいい議員に電話したら、やっぱり届いていると――。新人議員だけじゃなく自民党の当選者全員に届いたと聞きました。1年前の石破政権の出来事を思い出しました」

2025年3月、当時首相だった石破茂氏が初当選の新人議員に商品券10万円を渡したことが分かり、大きな問題になった。この時、商品券をもらった新人議員は10数人で総額100万円超だった。しかし、今回のカタログギフトにかかった金額は1,000万円近く。石破氏のケースとは、けた違いと言えるだろう。

政治資金規正法は、政治家個人に「金銭等」を寄附することを禁止している。石破氏の「商品券」は「金銭等」に該当するが、カタログギフトはそれにあたらないというのが高市首相の考えのようだ。しかし、国民が物価高に苦しむ現状とは相容れない「寄附」であることは確か。高市氏には道義的な責任もある。来年の統一地方選挙を控える福岡県内の地方議員も、厳しい表情でこう語る。

「せっかく高市人気で衆院選に大勝し、自民党単独過半数を勝ち取ったのに、カタログギフトという新たな『政治とカネ』の問題が発覚したことで、支持率が急落するんじゃないか」

だが、問題は支持率云々ではない。高市首相は約1,000万円を投じて、自民党の315人もの議員にカタログギフトをばら撒いた。あさましい懐柔策である。原資となったのは、税金がかかっていない政党支部の政治資金。高市氏のケースが容認されれば、税金を払わずに他者を丸め込むという手法が広がることにつながる。脱法的なばら撒きが許される理由などあるまい。

高市首相は、「政党交付金は使っていない」と言う。しかし、カネに色はついておらず、1円も税金を使っていないという証明は現在のところ不可能。今年の政治資金収支報告書の提出期限は来年5月なので、記載はどうとでも操作できる。ごまかし可能と見ての強弁なのだろうが、カタログギフトをばら撒いた事実を消すことはできない。

高市首相の政治資金を巡っては、実態不明の宗教団体「神奈我良」から3,000万円、同団体の代表からも1,000万円の寄附を受け取った疑惑が報じられており、カタログギフトを発端に「政治とカネ」の問題が再燃する可能性が出てきた。

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