永原譲二大任町長が武田元総務相の公設秘書に現金200万円|三浦瑠麗氏夫のメガソーラーに絡み

7日、東京地検特捜部がコンサルタント会社「トライベイキャピタル」(東京都千代田区)の社長・三浦清志容疑者を業務上横領の疑いで逮捕した。

同容疑者は、国際政治学者という肩書でメディアへの露出を増やしてきた三浦瑠麗氏の夫。事件の行方に注目が集まっているのは言うまでもないが、実はこの三浦容疑者とハンターが追及を続けている福岡県大任町の永原譲二町長には、メガソーラー事業を通じてのつながりがある。

三浦容疑者が手がけたメガソーラー発電所に絡み、永原町長が武田良太元総務大臣の公設秘書に200万円の現金を渡していたことが分かった。

■利権となった川崎町のメガソーラー

下は、フリーマガジン「SOLAR JOURNAL」に掲載された記事のページの画像だ。

 記事が紹介しているのは、福岡県川崎町で2015年9月に竣工した太陽光発電システム(メガソーラー)。事業を主導したのは、当時三浦容疑者が代表を務めていたセーフレイ・ジャパンという会社だった。(*上掲の記事のページの右下に三浦容疑者の写真

この太陽光発電システムの不動産登記簿には、興味深い金融業者の社名が出てくる。代表者はYという人物。田川郡内の関係者によれば、Y氏は「闇金」の元締めとして地元に名をとどろかせており、2010年には福岡県警が生活保護受給者の預金通帳やキャッシュカードを担保にしてカネを貸していたYとその関係者を貸金業法違反で逮捕している。普通のビジネスマンでは太刀打ちできない相手だったということだ。

関係者によると、太陽光発電システムを建設した土地をY氏側から買収したのは、セーフレイ・ジャパンなどがこの事業のために立ち上げた東京の合同会社。困難とみられていた土地買収の話をまとめたのは、永原町長だったという。そして、裏で動いていたのが、川崎町を含む衆院福岡11区を地盤とする武田良太元総務相の秘書たちだった。三浦瑠麗氏の夫のメガソーラー事業が、政治家の利権になっていた可能性がある。

■武田元総務相の自民支部に三浦氏側から100万円

三浦容疑者が代表を務めていたセーフレイ・ジャパンと武田元総務相には、金銭絡みのつながりがあったことを示す証拠が残されている。

上掲の画像でも分かるとおり、川崎町のメガソーラーが竣工したのは2015年(平成27年)。この年、セーフレイ・ジャパンは、武田氏の自民党支部「自由民主党福岡県第十一選挙区支部」が2月に主催した政治資金パーティーのパーティー券を購入する形で、武田氏側に100万円を提供していた。“メガソーラーで動いてもらったことへの謝礼”という見立ても成り立つ*(下が同支部の政治資金収支報告書。赤い囲みはハンター編集部)

■200万円を放り投げた永原町長

この前年の2014年暮れ。クリスマスでにぎわう福岡市内にあるホテルの中華料理店の個室で、毎年恒例となっていた忘年会が開かれていた。参加者は8人。主催者は永原譲二大任町長だった。

この忘年会の席で話題になったのが、川崎町で整備が進んでいたメガソーラーの件。永原氏はいつも通りの饒舌で、川崎町の町会議員S氏の実名を挙げて「手を引かせた」と自慢した後、「うるさいけん、2,000万やった」と裏話まで披露。ただし、この日呼び出していた武田氏の公設秘書の到着が遅れていることに苛立っていたという。

その日は高速道路も渋滞で、武田氏の秘書はかなり遅れて到着。不愉快そうにしていた永原氏が、「川崎の、おまえの分け前や!」と言いながら食卓の上に放り投げたのは、帯封のついた二つの100万円の札束だった。

参加者にひけらかすような現金供与のやり方に、顔を歪める武田氏の公設秘書――。現金を受け取った秘書は数日後、周辺の関係者に、永原町長の傲慢な振る舞い対する怒りをぶちまけていた。この際、200万円を別の公設秘書と折半したことも打ち明けたとされる。

ちなみに、三浦容疑者が代表を務めていた当時のセーフレイ・ジャパンがパー券購入で100万円を提供した自由民主党福岡県第十一選挙区支部の会計責任者は、永原町長から200万円の現金を受け取った公設秘書である。

■永原氏の息子の会社が関連工事受注

メガソーラー事業を主導した三浦清志氏側と永原氏側との関係を示す証拠は他にもある。ハンターが福岡県に情報公開請求して入手した、永原氏の息子が代表を務める建設会社T社の工事経歴書だ。(*下の画像の赤い囲みはハンター編集部)

2015年2月にセーフレイのグループ会社から2億2,532万5,000円の土木工事を下請け受注し、9月にも1億264万6,000円の工事を受注していた。分かりやすい構図と言えるだろう。

5日、永原町長から200万円を受け取ったとされる武田元総務相の秘書に事実関係を確認したところ「事実無根」として完全否定した。しかし、200万円の授受現場にいた複数の参加者を含め少なくとも4人の関係者が、ほぼ同じ内容の証言。口裏合わせができない状況で一人ずつ話を聞いた結果であり、証言の信憑性は高いと言わざるを得ない。

三浦容疑者の逮捕で、川崎町のメガソーラーを巡るダーティーなカネの流れにも注目が集まりそうだ。

 

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