東京地検特捜部は7日、国際政治学者としてメディアで活躍してきた三浦瑠麗氏の夫でコンサルティング会社「トライベイキャピタル」の社長・三浦清志容疑者を業務上横領容疑で逮捕した。
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容疑は2019年10月、3回にわたって三浦容疑者が関係していた太陽光発電システム投資会社から4億2千万を引き出し、トライベイキャピタルの口座に入金させたというもの。
ハンターが最初に三浦容疑者の「疑惑」に迫ったのは、2021年8月のことだった。東京の投資会社や不動産会社が投資した10億円余りの資金が、実は太陽光発電事業に使用されず、紛争が起きているというものだった。
今年1月19日には、特捜部が三浦夫妻の自宅やライベイキャピタルを家宅捜索。多くのメディア関係者が「X デー近し」とみて、特捜部の動きに注視していた。
今回特捜部が立件した事案は、「2019年10月」とされる犯行時期からして、これまで報じてきた兵庫県福崎町の「STC3」と呼ばれる太陽光発電事業への投資に絡むものと見られる。当初の計画から事業は前に進んでおらず、三浦容疑者はT社だけではなく、
他の関係先とも複数の民事裁判を抱えていた。
一連の裁判で三浦容疑者は、「同意が取れると聞いていたので、投資を募った」、「地元との調整がうまくいかないのは、元の地権者の責任」などと主張していたが、そんな言い訳は通用しなかった模様だ。兵庫県福崎町の事業以外にも、三浦容疑者は九州や東北、和歌山県など各地でトラブルを引き起こしている。
三浦容疑者の背後には、複数の政治家や経済人の影がちらついており、中でも政界フィクサーと呼ばれる大樹総研・矢島義也氏との関係が今後の焦点となるとみられている。
「三浦容疑者本人や妻の瑠麗氏を通じての人脈で、会社には数多くの政治家が訪れていた。すでに大樹総研にも、特捜部がガサ(家宅捜索)を入れている。事件は永田町や霞ヶ関まで、さらなる広がりを見せる可能性は十分ある」(捜査関係者)
三浦容疑者が、民事裁判で旧統一教会の顧問である福本修也弁護士を代理人としていたことはハンターでも報じた。逮捕直後、三浦容疑者は「反省すべき点はあるが、業務上横領にあたるような罪を犯したことは決してありません」と発表したが、担当するのは、渥美陽子弁護士で、福本弁護士の名前はなかった。今後の捜査に注目したい。