九州豪雨で被災した福岡県朝倉市の復旧工事を巡る贈収賄事件に絡み、役員が逮捕された久留米市の防水設備会社「九州防水」から、自民党福岡県連の会長を務める原口剣生県議会議員の政党支部が60万円の献金を受けていたことが分かった。
■贈賄側「九州防水」が60万円
九州防水は、2019年5月に朝倉市黒川地区の復旧工事を、市との特命随意契約で請負った別の建設業者から単独下請けで受注。この際、逮捕された役員が、工事の規模を拡大してもらったり予定価格を聞き出した見返りに同市復興推進室係長に現金100万円を渡した疑いが持たれている。
原口氏が代表を務める政党支部「自由民主党福岡県久留米市第二支部」が福岡県選挙管理委員会に提出した2017(平成29年)年分の政治資金収支報告書によれば、九州防水は同年10月、60万円を同支部に献金していた。(*下の収支報告書参照)
ハンターの調べによれば、九州防水は2015年(平成27年)から17年(平成29年)にかけて、県関係の工事9件を落札しており、原口氏の自民党久留米市第二支部に60万円を献金した17年には、4件で計1億1,571万円の工事を受注していた(*下の表参照)献金時期と落札時期とが近接するケースがあったことが分かる。
九州防水の代表者は原口県連会長の県議選で“選対本部長”を務めてきた人物で、地元久留米では二人の親密な関係が知られている。