今月11日、ハンターに鹿児島県警の内部情報である犯歴や告訴告発事件処理簿一覧表を渡したとして守秘義務違反に問われた藤井光樹元巡査長の初公判が開かれ、同元巡査長が起訴事実を認め結審した。
警察と検察は、公益通報ではなかったとする“筋書き”通りに事が運んだと考えているのだろうが、そう結論付けるのは早計だ。ハンターは、県警の不当捜査を示唆した元巡査長と本田尚志元生活安全部長の行為は内部告発だったと確信しており、発端となった強制性交事件や別の事案の追及を通じ、歪んだ捜査当局の監視を続けていく。
本田氏が北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に送った告発文書により事件隠ぺいの実態が明らかになったが、警察・検察は、元部長の行為も公益通報ではなかったという主張を押し通すはずだ。元部長を逮捕し、起訴したということは、つまり頭から「不当捜査」や「隠ぺい」などなかったとする前提に立っているからに他ならない。
しかし、内部告発は元巡査長と元部長が発した2件だけではなかった。実は今年2月、現役警官が起こした犯罪の不当捜査を指摘する「内部告発」が、ある人物に郵送されていた。明日から取材結果の詳細を報じていくが、元巡査長や元部長の他にも、県警の不正を憂えている警察官がいるのは確かだ。今回の告発事案も警官の非違行為であることから、いわゆる「本部長指揮」。県警が、野川明輝本部長の指示を受け、組織ぐるみのもみ消しを行っていた可能性がある。内部通報者を次々に犯罪者に仕立てるという警察・検察が目論んでいる幕引きのシナリオは、完全に崩れる。