【速報】大任町議会が議事録改ざん|永原譲二町長が非常識な削除指示

 昨年12月に開かれた福岡県大任町議会の委員会議事録が改ざんされたことが分かった。改ざんによって消されたのは、永原譲二町長と宮地篤議員の質疑内容。ハンターが入札結果表の不開示決定処分を取り消すよう求めた裁判に関する質問だった。

 結果的に改ざんにつながることになった“議事録削除”を言い立てたのは永原町長。町民は議会における議論の内容を知ることができず、改ざんが議会制民主主義の否定につながる暴挙であることは明らかだ。

■11ページに渡る議事録改竄

 改ざんが明らかとなったのは、昨年12月5日に開かれた大任町議会地域振興常任委員会(永原学委員長)の議事録。同町の次谷隆澄町議と宮地篤町議が議会事務局から受け取ったもので、宮地篤町議が町長に質問した際のやり取りのすべてが横線で示す形で削除されていた。下に示す通り、前代未聞の議事録改ざんは11ページに渡っている。

 次谷議員は、この委員会の議事録原本に実際のやり取りが記載されていることを確認しており、写しが必要になった時点で改ざんが行われた模様だ。さすがに“なかったこと”にはできなかったとみえ、発言者である宮地議員と永原町長をハッキリ区別した上で、発言の長・短が分かる格好で文字だけを削除していた。

 言うまでもなく、この議事録では議会で何が議論されているのか町民は知ることができない。ただ、町長にとって都合の悪い事実を隠蔽したことだけは確か。改ざんまでの経緯を知るため、質疑のすべてを削除された宮地議員に委員会でのやり取りを確認した。

■激昂し「削除しろ」

 宮地議員によれば、質問したのはハンターが入札結果表を非開示にした大任町の不開示決定処分を不服として取り消しを求めた裁判について。裁判では昨年、大任町側が不開示処分を撤回し、事実上の敗訴となっている。事実関係の確認を求めた宮地議員に対する永原町長の第一声は、「宮地議員はなぜ大任町を貶める事しか言わないのか?」だったという。さらに「宮地議員が(裁判のことを)知っているのはおかしい」「ハンターと仲がいいのか?」などと逆ギレ。大任町を貶めているのは永原氏自身なのに、町政について質問した議員を非難したというのだから呆れるしかない。

 宮地議員の質問の根拠となったのは下の文書。問題の訴訟で大任町の代理人弁護士が裁判所に提出した「準備書面」である(*赤い囲みはハンター編集部)。不開示決定処分を『撤回する』と明記してあり、これは事実上ハンターの主張を認めたということだ。

 この件に関する宮地議員の質問に永原氏が激昂したのは、裁判の負けを知られたくなかったという理由からだろう。怒りが強すぎたのか途中から別の訴訟と混同、宮地議員のメモによると永原氏はこう述べていた。

・「それこそ情報漏洩」
・「私の所には書面等一切きてないし、弁護士からなにも聞いてないので答えようがありません」
・「大任町から情報がもれた件も職員も私も一切漏らしてません」

 「情報漏洩」「情報が漏れた件」「職員も私も一切漏らしていません」というワードが指し示すのは、2021年6月に大任町と田川市に行った情報公開請求の内容が国会議員の事務所に漏洩したことに対し、ハンターが両自治体に損害賠償を求めて提訴した件だ。永原町長が二つの訴訟を混同したことで、訳が分からないやり取りとなった可能性が高い。このあと町長は、“独裁者”の姿勢を鮮明にして「議事録から削除できるやろ。その他(の質問)やき、(削除)できるやろ」叫んだという。

 なぜか永原学委員長も永原氏の暴論に同調。宮地議員に、「議員のほうが分が悪いから削除したほうがいいよ」と削除を認める発言を行っていた。この委員長も永原氏同様、二元代表制の意味が理解できていない。

 委員会では、個人情報や刑事事件に関する議論が行われたわけではなく、隠す必要のない内容だったのは明らか。永原氏と委員長が削除や改ざんを命じたことは、町民の知る権利を著しく侵害する行為に他ならない。

 ここ最近、都合の悪い話になると激昂して訳の分からないことをまくし立てるようになった永原氏。実は、別の『訴訟』に関する発言を巡って極めて重大な疑義が浮上している。

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