【速報】安倍派「裏金議員リスト」を入手

2月5日朝、自民党は安倍派と二階派の政治資金パーティー裏金事件で、政治資金収支報告書を訂正した「裏金議員リスト」を野党の求めに応じて提出した。

裏金議員リスト

「裏金議員リスト」は訂正が可能な過去3年分、2020年から22年までの政治資金収支報告書の訂正を一覧表にしたもの。政治団体名とその代表者、訂正した金額が記載されている。

リストを確認した立憲民主党幹部は、「東京地検特捜部が捜査したのは過去5年分です。それ以前は時効なので仕方ないが3年分でごまかそうとしている、自民党の姿勢にはますます国民不信を招きます」と話している。

◆   ◆   ◆

東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で衆議院議員の池田佳隆被告を逮捕、起訴。谷川弥一前衆議院議員を略式起訴(確定)し、大野泰正参議院議員を在宅起訴した。「裏金議員リスト」に並んでいる名前の大半はすでにオープンになっているが、一部に引退、落選、転身した議員が含まれており、その人たちの名前はなぜか伏せられている。

2020年には、
・通商産業エネルギー政策研究会 114万円 細田博之
・誠信会 20万円 岸信夫
・自民党石川県第一選挙区支部 272万円 馳浩
と「大物」がずらりと並ぶ。

故・細田氏は安倍晋三元首相の前の派閥トップ。キックバックの裏金を決裁する立場にあった。衆議院議長就任後、セクハラスキャンダルにまみれたことは記憶に新しい。細田氏の裏金は3年間で210万円にものぼる。

「細田さんは安倍政権下で長く派閥会長を務めた。会長が率先してキックバックをもらい、裏金化していたなんて……」――安倍派の参議院議員からは“恨み節”も聞かれる。

岸信夫氏は、安倍元首相の実弟。防衛相などを歴任し世襲で息子の岸信千代氏に後を継がせた。その信夫氏の裏金は3年間で30万円だった。

石川県の馳浩知事ついては度々報じているように、とうてい知事の重責を担うような人物ではない(既報)。馳氏の裏金は3年間で503万円、5年間だと819万円にものぼることが明らかになっている。

落選中だが、目立つのが中山泰秀元衆議院議員。過去3年間で596万円と少なくない額だ。昨年夏、自民党は日本維新の会が猛威をふるう大阪府で、衆議院小選挙区の支部長を見直すために茂木敏充幹事長が本部長となり「大阪自民党刷新本部」を立ち上げた。当初、中山氏は支部長から外され、メディアに向けて「なぜ支部長ではないのか? 再公募を出さないといけないのか」と怒りをあらわにしていたが、同氏のご活躍ぶりについては報じてきた通りだ(既報1既報2)。

「中山さんのキックバックには、日大事件で逮捕、起訴されている医療法人代表のカネが含まれていたんじゃないか」――自民党の大阪府連からも疑問視する声が上がる。

安倍派解散が決まった直後、「新しい集団を作る」と信じられないような動きを見せたのが、福田達夫元総務会長。派閥の弊害で3人も現職議員が立件されるスキャンダルを起こしながら、一部では福田氏に賛同する議員もいたというから言葉を失う。市民感覚とズレた福田氏の政治団体「日本戦略会議」も、3年間で94万円の裏金を受け取っていた。

「裏金議員リスト」の最大の問題は、安倍元首相の政治団体の記載がないことだ。「細田さん、岸さんがあるのだから、安倍元総理もと疑われても仕方ない」(安倍派の衆議院議員)

自民党には、過去5年に限定せず、さかのぼれるところまで徹底調査して、裏金の金額は当然のこと、その使途や管理していた銀行口座などの詳細、パーティー券を買った団体、個人などを公開する義務がある。簡略化した「裏金議員リスト」でお茶を濁すことは許されまい。

 

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