安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから２年となる７月８日、。事件現場となった、奈良市の近鉄西大寺駅前のロータリーには自民党奈良県連有志による献花台が設置され、大勢の人が安倍元首相を追悼した。そこにやって来たのは・・・・・・。

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午前11時半、犯行時刻に合わせてやってきたのは、自民党の旧安倍派に所属していた参議院議員のグループ「清風会」などのメンバー約30人。先頭に立ち、歩を進めてきたのは世耕弘成参議院議員で、山崎正昭元参議院議長が献花台に花をたむけ、全員で黙とうを捧げた。

献花後の取材に応じたのは山本順三元国家公安委員長。安倍元首相の追悼の場なのだが、裏金事件についていくつも質問が飛んだ。安倍元首相が裏金はやめようと言っていたようだが、どうなのかという内容の質問には「裏金をやめられなかったことは、安倍元首相の意思に反することで申し訳ない気持ちだ」などと苦しい答えが続いた。

その後、近くの西大寺に場所を移動して、僧侶が読経する中で安倍元首相の慰霊が続いた。山本氏は「自民党の議員約30人が有志として声をかけて集まった」と説明。現場で確認できた参加者は山谷えり子、丸川珠代、橋本聖子、生稲晃子、松川るい、森雅子、高橋はるみ、大田房江、上野通子、井上義行、北村経夫、岡田直樹、末松信介、山本順三、堀井いわお、山崎正昭、衛藤晟一、山田宏、片山さつき、加田裕之、酒井庸行、宮本周司、赤池まさあき、野上浩太郎、石井正弘、羽生田たかし、などの面々だった。

このうち、裏金議員は1,540万円の世耕氏を筆頭に、2,400万円の山谷氏、2,000万円の橋本氏、1,400万円の宮本氏、870万円の堀井氏、822万円の丸川氏、818万円の羽生田氏、648万円の加田氏、584万円の末松氏、560万円の山田氏、378万円の石井氏、318万円の上野氏、282万円の森氏、214万円の太田氏、204万円の松川氏、178万円の井上氏、118万円の北村氏、100万円の野上氏、58万円の山本氏ら。この中で、まさに「どや顔」で闊歩していたのが世耕氏だった。

一度は廃止の方針となった裏金を再開し、自身も多額の裏金を受け取っていたことで自民党から離党勧告を出され、無所属となった世耕氏。献花に参加していたある参院議員はこう話す。

「参加したのは、安倍派に所属していた参議院議員のグループ「清風会」の人がほとんど。無所属になって以降は影を潜めていた世耕さんが、ひさかたぶりの表舞台でマスコミにも追いかけられ、気分爽快という表情でした」

ただし当の世耕氏は、何を聞かれても「無所属です、追悼に来ただけだ」としてコメントを拒んだ。

地元の和歌山では、世耕氏の衆議院転出もウワサになっており、前出の参院議員は、「30人ほどが参加して世耕さんはご満悦でしたよ。参議院での影響力を広く誇示できたわけですからね。衆議院転出となれば、実にいいPRだったんじゃないですか」

ただし、自民党和歌山県連の幹部は苦い表情で次のように語る。

「世耕氏は無所属なのに、なぜかまだ自民党和歌山県連会長代行というポジションのまま。次の衆議院選挙では、新和歌山１区から無所属で出馬するという。当選して自民党に復党という未来を描いているんでしょうが……」

周囲も世耕氏に厳しい目を向けている。

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「世耕さんはボスのような恰好で現れ、裏金事件の反省はあるとは思えなかった。橋本聖子議員は裏金で政倫審に呼びつけられ、きちんと弁明している。安倍元首相が銃撃に倒れたのは、旧統一教会による宗教を隠れ蓑にした過剰なカネ集めへの恨みによるもの。旧統一教会の支援、票で当選している井上氏や北村氏はよくこの場にくることができたものだ。悪徳政治家集団に追悼される安倍元首相はどんな気持ちだったのでしょうか」（献花に参加した別の参院議員）

松川氏は、昨年夏に自民党女性局のパリ研修で、エッフェル塔前の写真をSNSに投稿し、「エッフェル姉さん」と呼ばれ大炎上した。太田氏は、経済産業副大臣在任中にマンションを新規購入したことがバレて、大臣や副大臣、大臣政務官在任中は、不動産などの取引を自粛するとする大臣規範に抵触していたことが批判された。井上氏は、2022年の参議院選挙で旧統一教会からガッツリと支援を受けていたことが大きく報道されている。

何かと問題を起こしてきた生稲氏は、選挙直前に旧統一教会の施設を萩生田光一元政調会長と訪れていたことが露見。北村氏も旧統一教会と近い関係がわかっている。山谷氏に至っては既報の通り、選挙運動員に旧統一教会の信者が参加していたことが分かっている。

献花には、世耕氏が率いるグループとは別に、自民党から党員資格停止処分を受けている西村康稔元経産相も登場。裏金をはじめとするスキャンダル議員ばかりがあつまる格好となっていた。

歴代最長となった2,822日間続いた安倍政権。その「子分」たちが、いかにお粗末かを証明するような追悼会場の様子だった。