永原譲二大任町長、し尿処理業者に「道交法違反」そそのかし

田川地域の8市町村で構成する一部事務組合「田川地区広域環境衛生施設組合」の組合長を務める永原譲二大任町長が、バキュームカーの運転に必要な免許を持つ従業員が不足する現状を訴えた業者らに対し、「警察はバキュームカーを止めたりせん」などと発言。道路交通法の規定を無視して、所定の免許がないまま運行するよう唆(そそのか)していたことが、し尿処理業者に近い関係者の話から分かった。

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し尿処理業者が運用するバキュームカーは、主に3トン車か4トン車だ。運転するには車体重量や積載量に応じて「準中型」か「中型」の免許が必要になる。

貨物用車両の免許については、2007年(平成19年)から2017年(平成29年)にかけて順次改正されてきた。それまでの「普通免許」と「大型免許」に加え、07年には車両総重量が7.5トン以上11トン未満、最大積載量が4.5トン以上6.5トン未満の自動車を運転できる「中型免許」が、17年からは車両総重量が3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量が2トン以上4.5トン未満の自動車を運転できる「準中型免許」が加えられたという経緯がある。

中型免許も準中型免許も、貨物自動車による事故件数が増加したことを受けて新設されたもの。これを取得せずに中型自動車や準中型自動車を運転することはできない。

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永原氏による「違法行為そそのかし発言」は、同氏が組合長権限を拡大解釈し、勝手にし尿処理業者の「区割り」を変更するにあたって、業者らと懇談する中で発せられた。

区割り変更で受け持ち件数が増えた業者は、バキュームカーを増車し、必要な免許を持った人材も確保しなければならなくなる。しかし、新人を募集しても準中型免許や中型免許を保有する人間が集まらないのが現状らしく、それを訴えた業者らに永原氏は、「警察はバキュームカーを止めたりせん」「そうやないか」などと同意を求め、中型や準中型の免許を持たない運転手を使って業務を行うよう指示したという。事実なら、道路交通法違反を唆す発言。首長である前に、社会人失格の愚かな態度だった。

別の関係者によると、し尿処理場の稼動による景観を憂慮した永原氏は以前、地域内を走行するバキュームカーの荷台部分に囲いをして一見するとバキュームカーだと分からないようにする「架装」を求めたとされ、その際にも車輛重量が規定を超える可能性があるとの指摘に「警察はバキュームカーを止めて重量を測ったりしない」と申し向け、道交法違反を助長する姿勢をみせていた。

 

田川地域を走る「架装」したバキュームカー

田川地域のし尿処理行政を巡っては今年春、地域内のし尿処理業者を一堂に集めた永原氏が、許可権限を盾に恫喝。強制的に自身の言い分を認めさせた上、意に沿わない業者との業務提携を結ばないよう求め、参加者全員に提携拒否を誓わせていたことも明らかとなっており、組合長としての資格や適格性が問われる状況だ。

 

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