【速報】江差看護学院問題でパワハラ認定52件|「道の責任重い」と第三者委

教員によるパワーハラスメントの事実調査が続いていた北海道立江差高等看護学院の問題で12日夕、外部の第三者で構成する調査委員会(座長・山内良輔弁護士)が函館市内で最後の会合を開き、調査結果を報告した。

第三者委がこれまで行なった教員15人・学生ら24人への聞き取り調査から、延べ52件のハラスメントがあったと認定、加害教員が少なくとも11人に上るとの結果になった。調査報告書は来週にも道に提出され、担当課が近く学生や保護者らへ改めて謝罪の場を設ける考えだ。

副学院長に権限が集中し、独善的な体制となっていた」――同委が認定したパワハラは、2015年から昨年にかけて延べ52件に上り、うち34件が江差看護学院の、残る18件が紋別看護学院の教員によるもの。全体の内訳は「暴言・名誉毀損」27件、「執拗な批難」12件、「教育的配慮の不足」9件、「威圧的行為」3件、「暴力・傷害」1件。加害者とされる教員は11人に上り、それぞれ必ずしもすべての加害行為を認めているわけではないが、第三者委は当事者の認否にかかわらず先のような結論に至った。

委員の1人・藤井壽夫氏(函館短期大教授)は次のように説明する。
「学生が被害を記憶しているにもかかわらず、教員が『覚えていない』というのは、それ自体が大問題。そういうことが重なって事態を大きくしてきたと考えられる」

藤井氏はさらに「少なくともここまで大きな問題になったことに、道の責任は重い」と担当課の姿勢を厳しく批判した。また平松聡美委員(苫小牧看護専門学校副学校長)は「(江差看護などの教育は)非常に前時代的な指導で、しっかり見直していかないとまた同じことが起こり得る」と警鐘を鳴らした。

第三者委発足半年で、ようやく認められたハラスメント被害。道は来週にも同委から正式に報告を受け、学生や保護者らに説明・謝罪した上で関係者の処分などを検討することになる。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

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