QRコード決済・タブレット端末事業の詐欺的商法にご用心

昨年4月、キャッシュレスのQRコード決済に使用するタブレット端末事業を展開していた「NIPPON Platform 」(以下、NP社:本社東京都)と「NIPPON Tablet」(以下、NT社:本社東京都)が、突然営業を休止。加盟店、代理店に対するNP社からの支払いが止まり、その「詐欺的」商法に引っかかった多くの人が途方に暮れていることを報じた。逃げ出した形のNIPPON Platformが、二度とビジネスの世界に戻ることはないと思われていたが、この悪徳業者の関係者は思った以上に面の皮が厚かった。

■逃げ出した詐欺的商法業者が「督促状」

「使用できないタブレット端末なのに、こんな請求がきて……。あまりにひどくないですか」と話すのは、大阪の会社経営者・飯坂忠義さん。手にしていたのはビリングサービスという会社から届いた「督促状(最終通知)」だ。「令和3年4月30日(金)15時迄【厳守】」で「7,260円」を支払えと記されている。

書面を読み進めると、こんな記述があった。「本督促状は、Nippon Platform株式会社より委託を受け、ビリングサービス株式会社が発行しております」。問い合わせ先としては、メールアドレスが記載されているだけで、ビリングサービスの住所も電話番号もない。

 

本サイトでは、昨年4月、「Nippon Platform」(以下NP社)と「Nippon Tablet」(以下NT社)の、QR決済事業で多数の被害者が出ていることを報じた。タブレット端末を契約すれば、NTTドコモのD払いやネット通販大手AmazonのAmazonPayが利用できるというもの。しかし、突然、サービスがストップし、利用者には決済代金が入金されず問題になっているという内容だった。

飯坂さんは、被害者の会を発足すべく奔走していたが、本サイトで一連の経緯を報じた後、タブレット端末への投資目的オーナーや飯坂さんのような代理店、タブレット端末を使用していた加盟店に対するNP社の動きはストップ。その間、NT社はNT残余財産分配株式会社と社名を変更。代表者の高木純氏は、台湾に住居を移転していることになっていた。

だが、悪徳商法とも思える連中は、また動き出した。冒頭のような書面を、加盟店に送付しはじめたのだ。請求の中身は、レンタルしているタブレット端末の保険料を支払えというものである。飯坂さんは、こう解説する。
「ハンターで書いていただいたように、今タブレット端末SIMカードが使えず、決済機能もダメ。Wi-Fiでインターネットを見るくらいしか使えません。ですが、連中は保険料に目を付け、数万人はいるであろう加盟店に手あたり次第、保険料を請求してきたのです。実は、NT社とタブレット端末のレンタル契約を結ぶ場合、故障などについて保険も同時に契約が必須となっていたからです。そこに目を付けたんですね」

決して大きな金額ではないものの、ビリングサービスの保険料請求は、かなりしつこい。飯坂さんが勧誘した加盟店の大半には、まず下のような「請求書」が送られてくる。

 支払いに応じないでいると、次に次の画像のような「督促状」が、そして最後には前掲の「督促状(最終通告)」が送られてくるという寸法だ。

冒頭の「督促状(最終通告)」には「具体的には、貴殿に対し、民事訴訟を直ちに提起し、判決が下ってもお支払いがない場合に、貴殿の給与・資産・売掛金の差押を行い、債権の回収を図る可能性があります」と脅し文句まである。

訴訟がどうのとご立派な文句を並べながら、封筒(下の画像)や書面には、ビリングサービスという会社の連絡先の電話番号すら明記されていないという一方通行なのだから、呆れるしかない。

念のため、NP社の住所として書かれていた東京都品川区の場所を確認してみたが、「自習室」「シェアオフィス」という看板が掲げられていた。NP社やNT社をうかがわせる会社はどこにもないので、話を聞くことさえままならない。

NP社から委託を受けているというビリングサービスの会社がある大阪市北区の場所も、東京同様に実態不明の状態で、とてもまともな会社とは思えなかった。

■弁護士が見立てた悪徳業者の「手口」

この書面を消費者保護に詳しい弁護士に見てもらったところ、次のような見解だった。
「民事訴訟を直ちに提起とありますが、一般的には“法的手続き”と書きますよね。差し押さえをするとありますが、そのためには相手方の銀行口座や所有する不動産などを調査する必要がある。督促されたのは、タブレット端末を契約しただけの加盟店でしょう。加盟店の財産の状況など、普通はわからないものです。ビックリさせて振り込ませようという手口ではないでしょうか」

実際、飯坂さんによれば、書面の内容に驚いて「少額だから」と数千円から1万円程度を支払った加盟店もあるという。

ちなみに、請求書の欄外にあるレンタル中のタブレット端末についての記述。「ご返却に関しましては、元払いでご送付」とある。事前にまともな連絡もなく、一方的に使えなくなったタブレット端末を、元払いで返却せよというのだ。返却先は、京都府向日市の住所。ここも訪ねてみたが、ただの雑居ビルで人影も見られなかった。

「保険料の次はタブレット端末の返却、しない場合は損害賠償請求という連中の姑息な手段が透けて見える」と飯坂さんは予測する。

NP社やNT社が「投資」として募ったタブレット端末のオーナーには、いまだに何の連絡もないという。数千万円をつぎ込んだオーナーの一人は「最初から騙すつもりだったのでしょう。高木ら関係者はコロナ禍にもかかわらず、海外に潜伏して豪遊とも聞きます。処罰しないとダメだ」と話しており、近く集団訴訟に踏み切る予定だという。

詐欺的商法には、くれぐれもご注意を。

(山本吉文)

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