失政の証明(上)|“大任町産しじみ”は何処(いずこ)

暴力団の企業舎弟から地域の大実力者にのし上がった大任町の永原譲二町長が昨年12月、町議会定例会の冒頭で、赤ん坊からお年寄りまですべての町民に現金5万円と米5㎏、さらには大任町名産の「おおとう 大ちゃん納豆」やにんにくドレッシングまで付けて支給することを公表した。支給開始は今年2月3日。翌3月の町長選挙をにらんだ露骨な“ばら撒き”である。町民は「くれるものなら貰っておこう」と考えるはずで、実際、町内から批判の声は聞こえてこない。しかし、過大なばら撒きの背景に「失政隠し」があるとすれば話は別。町の将来のためには、5万円と米を前に、歪んだ現実と向き合うことも必要だ。

■町の各所に「しじみの大ちゃん」

大任町内のいたることころに掲示さえているのが「しじみの大ちゃん」。大任町のシンボルキャラクターだ(下の写真)。

田川地域の8市町村が整備を進めてきたごみ処理施設の建屋にも、存在を誇示するためか、ひときわ大きく「しじみの大ちゃん」が描かれている(下の写真)。

■“貝殻付きのしじみ”はどこに?

道の駅「おおとう夢街道」の売り場には、しじみ関連商品がズラリと並ぶ。

いずれの商品にも確かに「しじみ」が入っており、中でも町が現金5万円とともに支給を決めた「おおとう 大ちゃん納豆」(下の写真)は人気だという。

大任町がシンボルキャラにしているだけに、大ちゃん納豆をはじめいずれの名産品にも「しじみ」のエキスが入っている。しじみそのものの佃煮もある。だが、道の駅の売り場のどこを探しても、貝殻の寝床で眠る「しじみ」の現物は、ない。地域の名産品として「しじみ」を売り出している以上、貝殻付きがあるはずだが、見当たらない。

例えば、しじみの産地として有名な宍道湖がある島根県内の土産屋には、必ず貝殻付きのしじみが置いてある。下は昨年12月、全国で唯一県庁所在地にある島根原子力発電所2号機の再稼働を取材した折に買ってきたもの。貝殻付きのしじみである。

道の駅「おおとう桜街道」には、こうした貝殻付きのしじみがない。だが、しじみを名産品として扱っている以上、佃煮やエキスは大任産に違いない。そう思って商品を手にしてみたところ……。

なんと、原材料名として記されているしじみの産地は「インド」や「中国」。他も確認したが、大任町産のしじみを使った商品は一つもない。これは一体どうしたことか?まさか、「しじみの大ちゃん」はインドや中国生まれということなのか?そういえば、取材のため大任町に通うようになってもいうじき4年になるが、町内で貝殻付きしじみの現物を見たことがない。町のシンボルにまでなっている「しじみ」はどこにいるのか、調べてみることにした。

(次稿につづく)

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