明日告示の南大隅町長選挙 “因縁の構図”

本土最南端の町「鹿児島県南大隅町」の町長選挙が明日告示される。出馬予定の候補者陣営は、今年1月頃から活発な後援会活動を展開していた。立候補を予定しているのは、現職で元町総務課長の石畑ひろし氏(68)、新人で元衆議院議員政策秘書の田中けい氏(42)、同じく新顔で元町企画観光課長のあいこう真一氏(57)の3人。出馬が噂されていた町役場の職員は、挑戦を断念したという。改めて、戦いの構図を取材した。

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石畑氏とあいこう氏には、ある人物とのつながりがある。核ゴミ施設の誘致に絡んで不適切な接待を受けていた森田俊彦元町長だ。石畑氏はかつて、総務課長として問題だらけの森田氏を長く支えたが、前回の町長選で出馬を見送った森田氏は他候補の支援に回った。そして今回の選挙に向けて森田氏が擁立したと言われているのが、役場の職員だったあいこう氏である。

あいこう氏にとって、森田氏も石畑氏も元上司。森田VS石畑という町政をめぐるの勢力争いが顕在化した格好と言っても差し支えあるまい。

問題は、やはり町政から引退したはずの森田氏の存在だ。南大隅町はハンターにとっても特別な意味を持つ自治体で、旧サイトにおいて繰り返し批判したのが、まるで息をするように嘘ばかりついていた森田氏だった。なぜ今になってあいこう氏を担いだのか聞いてみたかったが、今月3日に取材で訪問したあいこう氏の事務所に同氏の姿はなかった。

森田氏の代理ともとれるあいこう氏と、森田氏の裏も表も知り尽くした現職・石畑氏。新旧の町幹部による争いに割って入る形となったのが、長く自民党国会議員の政策秘書を務めてきた田中けい氏である。今回が2度目の挑戦となるが、若さと具体的な政策を武器に着々と支持者を増やしてきた。役場内の争いに辟易した町民票の受け皿になりつつあり、「現職VS田中」という事実上の一騎打ちを予想する声さえある。

大隅町の人口は減り続けてきた。2000年まで1万人を超えていた町内の人口は今年1月1日現在で5,912人(*同町のホームページより)。減り幅は、全国でも上から数えるほど大きい。町の将来に向けた展望を示し、光をもたらすのは誰か――。投開票は13日だ。

 

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