鹿児島県医師会職員わいせつ事件「調査委員会」の欺瞞

鹿児島県医師会の男性職員が新型コロナウイルスの療養施設内でわいせつ行為を繰り返していた問題で、医師会が組織内に設置した「調査委員会」の役割に疑問の声が上がっている。

■次々あがる疑問の声

強制性交の被害を訴える女性の人権を無視して、「合意があった」と一方的な主張を繰り返す池田琢哉会長ら医師会幹部。コロナ対策事業への信頼を失いかねない事態に怒りを露わにした県の指示を受けた県医師会は、2月に「調査委員会」を設置したが、なぜか4か月以上経った現在も、結論は出ないまま。ハンターの読者からは、医師会への厳しい批判とともに、「調査委員会」への疑問の声が数多く寄せられるようになった。

「そもそも、調査委員会で何を調査するというのでしょうか。まさか、合意があったかどうかを、医師会が決めるなんてバカな話じゃないですよね」(鹿児島市在住の主婦)

「医師会の職員がコロナの療養施設で性的な行為を行ったことを認めているのなら、その時点でいったん処分を下すべき。“調査結果を待ってから処分”というのは、わいせつ行為を認めるまでの話で、もう結論は出ているのだから……。どうも、いまやっていることは時間稼ぎにしかみえない。これ以上、何を調査するというのか」(鹿児島県内在住の開業医)

「医師会もよくないが、調査を命じた鹿児島県もよくない。報道によれば、2月の段階で医師会の会長が県に対して職員のわいせつ行為を認めている。ならば、県は調査を命じる必要なんてなかった。(男性職員に)どのような処分をするのか、そして県の医師会はどのような責任をとるのか、その点だけ報告させればよかったはずだ。『調査』という言葉を使ったばっかりに、責任の軽重が「合意があっかかどうか」で決まるかのような方向に流されてしまった。医師会側が、意図的にそっちの方向に持っていったのだろうが、事件の本質が歪められたのは確か。医師会が警察・検察や裁判所のまねごとをしてはいけない」(司法関係者)

■歪められた「調査」の方向

確かに、医師会の調査委員会は、本来在るべき姿を逸脱している。事情に詳しい医療関係者が、調査委員会についての厳しい見方を示す。
「池田さんたちは、被害を訴えている女性が目の前で泣き叫んでも「合意があった」「芝居だ」と平気で言うのでしょうね。はなから弱い女性に寄り添う気持なんかない。愚かな行為に走った男性職員を庇ったのは、おそらく医師会長選挙を前にした池田さんが、問題を矮小化して再選を果たすためでしょう。結論を出せないと分かっていながら、調査委員会での議論を続けさせて時間を稼ぎ、うやむやにして終わらせるつもりなんじゃないですか。もし『合意があった』というようなおかしな結論を公表したら、被害者である女性から訴えられますよ、必ず」

県内の医療機関で働く女性看護師も、県医師会の方針に真っ向から異議を唱える。
「弁護士の方が参加しているとはいえ医師会の調査委員会は素人の集まり。それも池田先生が指名したメンバーばかりでしょうから、女性の側に立った結論が出るはずがないですよね。そもそも、女性から告訴状が出ているのなら、事件の経緯を調べてどちらの言い分が正しいのかを判断するのは検察か裁判所であって、医師会が結論を出すべき話ではありません。それなのに医師会は、合意があったか否かについての結論を出すことを、処分の前提にしている。これは絶対におかしい。そもそも、コロナの療養施設で医師会の男性職員がわいせつ行為に及んだ時点でアウト。普通なら即刻、懲戒処分でしょう。職場でわいせつ行為というのは、民間企業なら当然クビ。調査すべきは、わいせつ行為が事実か否かであって、合意があったか・なかったかではないはずです。わいせつ行為については当事者が認めた時点で結論が出ているのだから、だらだらと調査委員会を続けるのはナンセンス。さっさと処分するべきです。それにしても、県医師会は女性の人権をなんだと思っているのでしょうか」

女性看護師や前出の開業医の言い分はもっともだ。本件についての配信記事で何度も述べてきたことだが、鹿児島県医師会が責任を負うのは、新型コロナウイルスの療養施設内で、組織の一員が患者そっちのけでわいせつ行為を繰り返していたことについて。わいせつ行為が事実なら、「合意」があろうがなかろうが、医師会は責任をとらねばならないのだ。一般常識からすれば、職場で性交渉に及んだ段階で社会人失格。しかし、池田氏にはこの常識が通じない。

池田氏の非常識が如実に表れたのが、医師会長選挙を前にした5月13日に、池田会長が発出した下の文書の一節だ(赤い囲みはハンター編集部)。

  被害を訴えている女性の雇用主が県医師会に要求したのは、コロナの療養施設で性行為に及んだ医師会男性職員への懲戒処分。世間一般では当たり前の話なのだが、池田氏は、これを「しかし」と否定する。その理由は、「懲戒処分を行うための絶対条件は、事実関係の確定」。「絶対条件」「事実関係の確定」に、わざわざ黒点まで付けて強調していた。おかしな処分方針である。

コロナの療養施設内で、医師会の男性職員がわいせつ行為を繰り返していた』――これを男性職員自身が認めており、すでに「懲戒処分を行うための絶対条件である、事実関係の確定」は終わっている。処分するのに、これ以上なにが必要なのだろうか?

きょう、県医師会の調査委員会が開かれる。

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