【速報】江差高等看護学院・パワハラ教員が不正受給 |計200万円超「旅費」返還

北海道立江差高等看護学院で学生へのハラスメントを疑われている教員らが、前任地の紋別看護学院で不適切な経費請求を続けていた事実がわかった。不正は短かくとも2013年度から18年度までの6年間に及び、一昨年5月までに教員ら12人が計220万円を北海道に返還していたが、当事者への処分の詳細はわかっていない。

■不正請求の実態

不適切な経費請求は、主に江差看護学院で副学院長を務める品川由美子氏の前任地・紋別高等看護学院で行なわれていた。一部の教員が実習などで出張する際、道に公共交通運賃を請求しつつ、実際には自家用車を使ったり学生に手配されたバスに同乗するなどして旅費の実費を安く抑え、適正運賃との差額を不正に受け取っていたという。

当時紋別に勤務していた元教員の1人(58)がこれを見咎めて注意したが、品川副学院長ら不正の当事者が「見なかったことにして」などと取り合わなかったため、一昨年2月に道の担当課へ匿名告発に踏み切っていた。

同元教員の証言を得た筆者が本年5月末、道の条例に基づいて関係文書の開示を求めたところ、道は6月14日に文書の一部開示を決定、『旅行命令簿』など7種の公文書計785枚を開示した。文書によると不適切支給を理由に返納された旅費の総額は、2017年度までで256件・219万5531円に上る。(下の文書参照。以下、画像内の赤い書き込みはハンター編集部)

 内訳を記録した一覧表によれば、品川副学院長が2回に1回ほどの頻度で虚偽の旅費を受け取っていたほか、ほぼ全件で自家用車を使いながら公共交通運賃を受給し続けた職員などもいた。

道の担当課はこれらの不正について、「制度を正しく理解していなかった」「長年黙認されてきた組織慣行に従った」などと原因を分析、その背景に「自家用車を頻繁に使用しなければならないやむを得ない状況」があったとし、結果として当事者への厳しい処分を回避したようだ。だが先の記録などを確認すると、不正の告発者となった元教員については一度も自家用車を使わずに出張できている。同元教員によれば「そもそも自家用車を使うのなら『公用使用』の承認を得ればよいだけのこと」で、それをせずに公共交通運賃を受け取り続ける行為が、故意でなかったとは考えにくい。

■告発者はパワハラ受け退職

告発した元教員はその後、当時の学生たちと同じようにパワハラの標的にされ、退職に追い込まれている。筆者が月刊『北方ジャーナル』の取材を兼ねて当時の状況を尋ねると、次のように証言した。

「最初のころは『JRで申告したのに車で行くんですか』みたいに直接指摘してたんですが、相手は『そんなの訊かなくていいから』と言うばかり。複数の教員が宿泊を申告しながら日帰りしていた時も、笑いながら『私たち幻だから見なかったことにして』『透明人間だから』って。それでも納得できず、聴こえるように『これって不正だよなあ』と独りごとを言ったりしてました。それで疎ましがられたんだと思いますが、80時間ほどの時間外手当をゼロにされたり、年休を全部潰されたり、立たされてお説教を受けたり…。要は学生へのハラスメントと同じノリです。不眠と食欲不振で産業医を受診し、振興局の課長さんも『これはパワハラだ』と認めてくれたんですが、道の本庁は『相手にも確認しないとわからない』って……」

今回の開示請求で確認できたのは、記録が残る2013年度以降の不正受給のみ。道が「長年黙認されてきた」と認識する慣行は、一昨年の告発時点で12年度以前の記録が破棄されていたため、今後も全容はわからないままだ。

今回の文書開示決定後、先の元教員は「当時、必ず結果を報告して欲しいと伝えていたのに、その後まったく連絡がありませんでした。文書を見て、道があの行為を『不正』と認めていないことにがっかりです」と、改めて当時の職場への不信感を顕わにしている。

民間なら即解雇となるようなこうした不正を、甘い処分で済ませてきた結果が江差高等看護学院や紋別高等看護学院での非道なパワハラにつながったとみることも可能だ。責任が北海道庁にあるのは言うまでもない。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

*「江差高等看護学院の正常化を求める父母の会」公式サイト⇒https://esashi-seijo.main.jp/

 

 

 

 

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