遠山元公明党衆院議員、在宅起訴の背景

東京地検特捜部による遠山清彦元公明党衆院議員の貸金業法違反疑惑の捜査が大詰めを迎えている。特捜部は近く、在宅のまま同氏を起訴する模様だ。

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これまで遠山氏は、日本政策金融公庫への融資「口利き」について、否認してきた。だが、東京地検特捜部の調べに「口利き」に加え見返りである「カネの授受」も認めているという。

遠山氏は、環境関連会社(本社・東京都港区)の社長M氏と通信販売会社の(本社・東京都港区。現在は解散)のK氏の2人を通じて、融資を求める企業を物色。さらに、自身や秘書が、「営業」をかけていたという情報もある。「財務副大臣」の肩書を利用した、悪質な犯罪行為である。

ある捜査関係者が次のように話す。
「遠山氏は、M氏、K氏らの連れてくる怪しげな会社へ融資を仲介。それに味をしめて、自らも口利きに乗りだした。遠山氏だけで1,000万円以上のカネを謝礼として受け取っている。当然、M氏やK氏も分け前をもらっている。遠山氏の秘書の一人もマージンをとっていた」

口利きの一例が、詐欺罪などで逮捕・起訴され、東京地裁で公判中の太陽光発電関連会社「テクノシステム」社長・生田尚之被告との関係だ。生田被告と遠山氏を結び付けたのはM氏。2019年春、M氏が生田被告から依頼を受けて日本政策金融公庫に融資を求めたが失敗。そこで、遠山氏が乗り出し、4億円の融資が得られた。

M氏が周囲に、「俺が遠山氏を紹介してやったからだ。銀座のクラブで生田被告に遠山氏を接待させて、100万円を礼として渡している」などと話していたことが分かっている。

銀座での遊興にのめり込んでいった背景について、遠山氏の知人はこう語る。
生田被告に「遠山氏は、事実上の一人暮らしなんですね、奥さんの体調がすぐれないから。そこで、覚えたのが銀座のクラブ遊びです。連日、生田被告の世話になるわけににもいかず、お気に入りの女性がいる店に、自分のカネで通うようになった。当然、一晩で10万、20万円と使うから、国会議員の収入では払えない。そこで、口利きビジネスに傾いていったようです。私も遠山氏から『困っている会社があれば、いつでもどうぞ』と言われたことがあります。ちなみに、遠山氏は議員時代から、公明党では唯一、カジノ推進に必死でした。それも、口利きビジネスとつながるような気がする」

11月に公開された政治資金収支報告書によれば、遠山氏の資金管理団体「遠山平和政策研究所」には、M氏が窓口になって遠山氏のスポンサーになっていたX氏が30万円を献金。X氏が経営する会社を調べると、2020年4月に、「贈賄、不正行為等起こした」として静岡市から入札停止処分を受けていた。

M氏が作成した「若侍リスト」にも生田被告は「殿与力」、X氏は「若侍」として遠山氏支援の仲間として記載されている。遠山氏側に、筋の悪すぎるカネが集まっていたのは確かだ。

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当初、東京地検特捜部は、遠山氏と生田被告による贈収賄事件として立件する方向だったという。だが、生田被告が自身の詐欺事件でも容疑を否認。遠山氏へのカネの提供についても「あっちこっちにバラマキすぎて、どのカネを何の目的に使ったのか生田本人が理解できていないようだ。(遠山側に渡した)銀座のクラブでの100万円にしても、趣旨が判然とせず、貸金業法違反での立件となった」(捜査関係者)

別の遠山氏の知人が、事件の背景を語る。
「遠山さんはヤメ検弁護士をつけている。貸金業法違反でカネの授受は認めるから在宅起訴で、と検察側に頭を下げたという話がある。確かに、そういう筋書きになっていますよね」

ヤメ検への弁護費用は、刑事事件の場合、着手金が数百万円と安くはない。遠山氏についているのは、東京地検特捜部出身の弁護士だ。。議員バッジを失い、銀座で散財していた遠山氏が用立てるのは大変だろう。来年の参院選を前に、検察側に公明党が“泣き”を入れたということなのかもしれない。

 

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