鹿児島知事選絡みの「30万円」、地検が捜査|買収の疑いで告発状

昨年7月に行われた鹿児島県知事選挙の際、三反園訓前知事を推薦した自民党鹿児島県連が現金30万円を所属県議37名に配っていた問題を巡り、「買収」の疑いがあるとして告発状が提出され、これを受けた鹿児島地検が関係者に事情聴取するなど捜査を続けていることが分かった。この時の知事選で落選した三反園氏は、先月末に行われた総選挙で鹿児島2区から立候補。支援してもらった自民党の公認候補を破り、国政に転身している。

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現金が配られたのは、知事選を2か月後に控えた昨年5月。県連の建物内で行われた会議の席上、知事選で推薦を決めていた三反園氏を支援するよう、元県連事務局長で当時三反園陣営の事務局長に就いていた人物が、ポスターや推薦願いなどの活用法や具体的な支援策の説明をした直後に、封筒に入った30万円が全員に配られていた。少なくとも総額1,110万円が動いたとみられている。

県連サイドは「調査活動費だった」と主張していたが、ハンターが報じた現金供与の場面は、どうみても「選挙資金」であることを各議員に自覚させるためのもの。議員らがいた県連内の部屋から三反園陣営の事務局長を退室させ、直後に現金を配っていたが、県連幹事長だった県議が「三反園さんをよろしくお願いします」と念押ししていたことが、その後の取材で明らかとなっている。

昨年6月に鹿児島県在住の男性から提出された告発状によれば、同年5月8日、三反園陣営の幹部が県連内の3階にある会議室に集まった37名の県会議員に対し、茶色の紙袋に入った政治団体「三反園訓後援会」作成に係るリーフレット50部、名刺50枚、ポスター10枚、三反園の署名入り推薦依頼10枚、推薦状10枚、事務所の案内などの活用法を説明した上で、三反園氏を支持する人間のリストを作成して提出するなど当選を図るための活動を活発化させるよう要請。陣営幹部の退室直後に、県連事務局長と県連の職員1名をもって自民党県連が作成・使用する封筒に現金30万円を封入し、37名の県議全員に手交した行為が公職選挙法が禁止する買収にあたるとして、県連の会計責任者を務める事務局長などの処罰を求めていた。

複数の関係者によると、告発を受けた鹿児島地検が、県連事務局長をはじめ現金配布当時の県連幹事長や関係議員を何度も呼び事情徴取。検察は県連内部のカネの流れを正確につかんでいる模様で、資金配布にあたっての指示系統や、カネの性格について慎重に調べを進めているという。検察の捜査状況については、県議団の会合でも話題に上っており、聴取を受けた県連関係者しか知らなかった話が一気に広まっていた。

昨年の知事選を巡っては、複数の関係者が、県連が同氏の推薦を決め党本部がこの方針を追認した後の昨年5月初旬頃、三反園氏側が県連に対し2,000万円の資金提供を行ったことを証言。三反園氏の支援団体「みたぞのさとし後援会」の会計責任者で前知事の懐刀と言われてきた人物も、ハンターの取材に対し、県連から三反園氏の資金管理団体「みたぞのさとし後援会 三訓会」の方に、資金提供するよう指示があったことを認めていた。県連が所属県議に30万円ずつ配ったのは、この資金提供の後だったとみられている。

三反園氏は知事選落選後、周囲に国政転身を明言。支援を受けた自民党の公認候補がいる鹿児島2区で活動を続け、先月の総選挙に無所属で出馬して初当選している。

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