旧統一教会・自民党選挙支援の証拠動画入手|名指しされた原田義昭、鳩山二郎、藤丸敏、衛藤征士郎の各氏

「国会議員の姿を見習って学んで、さらにお母様を支えていけるような家庭連合になる」――昨年11月1日、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)久留米家庭教会で開催された「南福岡教区孝情奉献礼式」でマイクを手に語るのは南宏彦渉外部長。ハンターは、その会合の一部始終が映っている動画を入手した。旧統一教会と自民党の、切っても切れない関係を立証するような内容である。

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昨年10月の衆議院選挙の翌日に開催されたこの会合の中で、南氏は、久留米家庭教会が地元か選出の自民党議員を支援したと説明していた。

最も手厚く支援したのが、福岡5区の原田義昭元環境大臣だ。原田氏は公認を巡って元県議会議長の栗原渉氏と衝突。最後は、党本部の裁定を栗原氏が受け入れる形で、かろうじて保守分裂が回避されるという厳しい選挙区だった。

南渉外部長は原田氏への支援について、「昨日まで選挙に皆様の大きな力を与えて下さり、本当にありがとうございました」と挨拶した後、「まず結果、南福岡教区が関わった選挙区の報告からです。はじめに福岡5区。皆様、注目して頂きましたが(原田氏は)惜しくも1万4,609票差で堤かなめ(立憲民主党)に負けてしまうという結果。家庭連合としては最後まで祈って待っていたんです」と旧統一教会が「祈り」まで捧げていたことを明かす。さらに、「NHKなどの出口調査の結果がそのまま出てしまったのかな。票の動きは、やはり栗原票と公明党の票を奪い返すことができなかったことが、一つの敗因」と詳しい分析まで行っていた。選挙前に公認争いをした栗原氏と、連立与党の公明党が動かなったという理由付けだ。旧統一教会が選挙に手慣れているのが、よくわかる。

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旧統一教会が力を入れて支援していたのは原田氏だけではない。南氏の口からは次々と自民党議員の名前があがる。「福岡6区ですね、鳩山二郎先生はですね、見事に12万5,366票を獲得いたしまして勝利しました」と南氏が報告すると、大きな拍手が沸き上がる。続けて、「福岡7区は、藤丸敏さんが9万2,233票で、少し立憲がですね、追い上げてきましたけど勝ちました。ありがとうございました」と久留米市や大牟田市が地盤の鳩山氏、藤丸氏の名前をあげて勝利宣言していた。

この2人とはよほど深い関係があるのか、南氏は「いったん締めくくりとして、ここに鳩山二郎先生を迎えて、勝利の報告をしてもらう。藤丸先生もですね。大牟田の皆さん、桑原(誠大牟田)市議から、すでに昨日、藤丸さんを教会に連れていきますと約束して頂いている。今日、桑原市議が教会長に挨拶にと言っていました。皆さん歓迎してください」と鳩山氏や藤丸氏が、当選御礼のために久留米家庭教会にやって来るとまで断言していた。この話が事実なら、鳩山、藤丸両議員は、旧統一教会に挨拶に出向かなければならない立場なのだろう。

南氏はさらに佐賀1区の岩田和親氏と大分2区の衛藤征士郎氏の名前を上げている。
「佐賀1区、鳥栖の方々が関わっていたが、原口一博さんの立憲が勝ってしまった。133 票差だった。非常に僅差でありました。鳥栖のメンバーに、岩田さんを応援という流れを作れなかったんですね。そこが私の責任。鳥栖のメンバー130人くらいは獲得できた」――旧統一教会の力があれば、133票差は簡単にひっくり返せると豪語したも同然だ。

続けて、衛藤氏のことは「大分2区、衛藤征士郎さんを応援。7万9,433票、645票差の僅差で勝つことができました。ありがとうございました」と報告していた。

南氏の「選挙報告」は約13分間にわたって行われたが、敗戦した原田氏についての話が一番長かった。原田氏は、旧統一教会系の議連「日本・世界平和議員連合懇談会」の会長だ。南氏は、「(原田氏の支援に集まった)家庭連合の婦人は涙しながらですね、悔しいと話していた。私たちがお母さま(韓鶴子総裁)に近かった日本会長を守れなかった。すべての力を注げたかと言うとまだまだ足りない、本当に申し訳ない」と涙ながらに訴える。さらに「私からすれば、なんで公明党、動いてねぇーんだよ、(県議の)栗原ちゃんとしろ」と、恨み節が続く。旧統一教会が、いかに選挙に力を入れているかが分かる。

ある自民党の大臣経験者は、この動画について次のように話す。
「旧統一教会は、教会ごとに担当する選挙区を決めて自民党の政治家を支援する、これは昔からのことです。この動画を見て、福岡県の南部から佐賀県、大分県はこういうふうに地域を割り振って支援をしていたんだと分かりました。大分2区の衛藤さんは支援したようだが、大分3区の岩屋毅氏は出てこない。衛藤氏は安倍派の重鎮なので、力の入れ方が違うということなのでしょう」

旧統一教会は、表向きには世界平和連合、国際勝共連合といったダミー団体を使って選挙や政治に関わることが多い。旧統一教会による記者会見などでも「選挙に関しては、平和連合という友好団体で国政と関わっている度合いが大きい」と明言しているほどだ。

動画の報告の終盤で旧統一教会が選挙で集めた“名簿”に南氏が言及し「さまざまな家庭の事情がありながら、多くの方々が名簿獲得に力を注いで下さいました。今までにない名簿数を南福岡があげることができました。大牟田にも頑張っていただき400ぐらいが、900を超えるという数をあげた。トータルであの教区としましてはですね、6,007という名簿を獲得」と旧統一教会の力を誇示。さらに、「名簿は天寶の勝利に向けて、伝導の勝利に向けてつながっていく名簿」と発言する。旧統一教会が自民党への選挙支援を名目に、信者の勧誘、さらには献金に利用しようとしているたくらみが透けて見える。

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