三浦瑠麗氏・夫の詐欺事件の裏にチラつく政治家と大樹総研

国際政治学者を名乗って活動してきた三浦瑠麗氏の夫、三浦清志氏が経営する再生可能エネルギー投資会社「トライベイキャピタル」に東京地検特捜部の“ガサ(家宅捜索)”が入って1か月以上が経過した。瑠麗氏は、これまでレギュラー出演していたテレビ番組への出演を次々と見合わせ、画面から姿を消してしまっている。事件の裏にチラつくのは……。

■チラつく旧統一教会の影

「特捜部はトライベイキャピタルからパソコンやデータ、契約書類などを押収している。家宅捜索後、清志氏自身も特捜部から事情聴取を受けたようです。携帯電話の提出も求められ任意で応じたと聞いています」とトライベイキャピタルの関係者は話す。

ハンターは2021年、トライベイキャピタルの疑惑についていち早く報じていたが(既報)、この時の記事が、トライベイキャピタルが京都地裁で訴えていた民事訴訟の法廷で取り上げられていた。

同年10月、清志氏は兵庫県福崎町の太陽光発電システム建設を計画していたが、住民同意の調整が難航。計画が進まず、土地や開発権利(ID)の所有者と清志氏が、カネの支払いを巡って対立した。所有者が土地を売却しようとしたことで、清志氏がまかりならないとして土地所有権・移転登記手続請求権確認を行う訴訟を起こしたのだ。

法廷で清志氏に質問したのは、旧統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)の顧問として記者会見に登場していた福本修也弁護士。法廷では、ハンターの記事のコピーが証拠になっていた模様で、福本弁護士がそれを清志氏の前に示して「これは、ネットの情報のですがあなたの会社に『警視庁のガサが入った』という内容です。ガザを受けたことはありますか」と尋ねていた。(*実際の記事の記述は《警視庁が、ガサを入れたんじゃないのか」――先週28日、ある会社を巡っての情報が永田町に流れた》

この時は警視庁のガサ入れを否定した清志氏だったが、その後、東京地検特捜部から「ガサ」を受けるはめに――。旧統一教会の顧問である福本弁護士がついていたということが分かり、三浦夫妻はさらに追い込まれた。

瑠麗氏は昨年7月、奈良市で安倍晋三元首相の銃撃事件後、旧統一教会の高額献金が山上徹也被告の引き金になったことについて「そんなに同情すべきかことか。競馬でスったって同じじゃないですか。統一教会(の被害)なら救ってあげ、競馬なら救わないというのはない」などと、メディアに語り、旧統一教会の「擁護」をしていた。

それが報じられると瑠麗氏は、《一部報道におきまして、夫のビジネスに関わる訴訟を担当している弁護士の方が旧統一教会関係者であるとの記述があり、夫に選任の経緯を確認しました。元検事の優秀な先生ということで5年前に取引先の業者にご紹介いただき、継続的に訴訟を担当していただいていたとのことでした。訴訟については、別の弁護士に担当を代わっていただくとのことです。正直、報道を見て驚いております。私としましては、旧統一教会による霊感商法等の活動を一切容認するものではありません》と、自身のホームページで弁明に走らざるを得なかった。

瑠麗氏は、福本弁護士が「ヤメ検」だから清志氏が選任したと理由を説明する。しかし福本弁護士が、「反社会的勢力」と言われてもおかしくない旧統一教会の顧問であることは確かだ。安倍元首相の銃撃事件が起こる前であっても、インターネットで検索すれば、簡単に福本弁護士と旧統一教会の関係は把握できたはずなのだ。つまり清志氏は、民事訴訟だけでなく刑事事件、とりわけ特捜部案件を想定していたのではないかとの見立ても成り立つ。また、一連の瑠麗氏の発言からは、旧統一教会顧問の福本弁護士について、抵抗感がないと思える。

■土壇場の三浦氏夫妻

もう一つの「事件の影」もうかがえる。清志氏は、兵庫県福崎町の計画(合同会社STC3)の前に、和歌山県日高川町でも合同会社STC1を設立して計画を進めていた。そこに投資をしていたのある会社(以下「B社」)の代表者(以下「K氏」)について、事情に詳しい関係者はこう話す。
「太陽光発電システムは完成していません。B社は数億円の損害を被っています。B社にも多少の瑕疵があり、現在は交渉中。そのさなかに、清志氏側に対する特捜部の家宅捜索が入ったことに、(B社側も)面食らっているようですね。B社としては裁判も辞さないという話でしたが、どうも瑠麗氏と親しい関係にある首長政治家が動いたようです。和歌山といえば二階俊博元幹事長や世耕弘成参院幹事長を思い浮かべますが、そうではないようです。和歌山の地元ではない政治家で、B社も関係が深く人物。それもあって清志氏との交渉に応じているそうです」

インターネットやSNSで検索すると、確かに瑠麗氏とその首長政治家とのツーショット写真が何枚も出てくる。かなり親しい関係であることがうかがえる。

トライベイキャピタルと政界のフィクサー、大樹総研の矢島義也氏とのつながりは本サイトで何度も報じてきた。だが清志氏は、瑠麗氏を通じ別の政治家ルートを構築していた可能性もある。仮にB社とのトラブルが回避できたとしても、特捜部の事件は政治家を使ってもかわせないはず。三浦夫妻にとって厳しい状況であることにかわりはない。

「特捜部がガサを打って“何もありませんでした”というのは、まず考えられません。最近で唯一消化不良に終わったのは、大樹総研関連だったJCサービスの事案くらい。しかし、トライベイキャピタルにガサが入って、大樹総研の疑惑がさらに語られるようになりました。トライベイキャピタルだけなら詐欺や業務上横領でしょうが、大樹総研が絡めば政治家との贈収賄も視野に入る。東京五輪の汚職事件が3月末には終結するでしょうから、その次あたりでしょう」(東京地検特捜部OBの弁護士)

年度が明ける4月が「Xデー」になる可能性もある。

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