衆議院和歌山1区補選、公認に二階派・門氏の裏舞台

今月18日、自民党和歌山県連は4月の衆院和歌山1区の補欠選挙で門博文前衆議院議員を擁立すると発表した。当初、元沖縄・北方相の鶴保庸介参議院議員の鞍替えがほぼ「内定」と言われていたが、急転直下門氏となった。

◇   ◇   ◇
記者会見で県連会長の二階俊博元幹事長は「門氏は勝てる候補だ。一致結束して擁立する」と述べた。一方で、鞍替えに意欲を燃やしていた鶴保氏は、この日の会議が終わるとすぐに会場となったホテルから出て、むっとした表情で何も語らず去って行った。

門氏擁立までの経緯を、自民党の和歌山県連幹部が次のように明かす。
「補選候補に内定していた鶴保さんに、旧統一教会で講演していたことが報じられた。写真誌フライデーの記事は写真付き。ところが、自民党の調査では未報告だった。その後、門氏も旧統一教会への祝電などがフライデーに暴露されたが、彼は現職ではなかった。門氏はフライデーが発売前に記者会見して陳謝。旧統一教会の問題が鶴保さんにとっては致命傷になった。鶴保さんについては、昨年の参議院選挙に当選して1年にも満たないことも考慮された」

旧統一教会との関係が鶴保氏の転身に影を落としたのは事実らしいが、二階氏と世耕弘成参議院議員との「確執」も見え隠れする。

世耕氏は鶴保氏の「内定」に対して「選考委員会を設置すべき」などと主張し、門氏を事実上バックアップしていたという。最後に門氏擁立の声が強くなったのは、昨年の和歌山県知事選への対応が関係しているとみられている。

これまで衆院和歌山1区では、門氏が岸本周平氏(現知事)に5連敗していた。その門氏が、自民党が推薦したこともあって、知事選では岸本氏を支援した。「岸本氏から門氏なら応援をするいう言葉もあった」と二階氏は、門氏に決めた理由に付け足している。

「衆議院転出を狙う世耕氏としては、鶴保さんが先に転出してしまうと参議院軽視と言われかねない。旧統一教会のネタを週刊誌に流したのも『世耕氏が鶴保落としで仕掛けたのでは』と噂されるほどだ。だが、いずれにしても今回は世耕氏が二階氏に一矢を報いたような恰好にはなった」(前出・県連幹部)

門氏は、旧統一教会問題がフライデーで報じられることがわかって最初に連絡したのは二階氏だったという。選挙にはめっぽう強い二階氏。和歌山1区でずっと負け続きの門氏には、「我々は、負ける候補にしょっちゅう付き合ってはいられない」と苦言を呈したという。

門氏もそれまでは「鶴保さんの後の参議院が狙いだ」などと軽口を叩いていたそうだが、記者会見では「チャンスをいただいた。しっかりと戦いたい」と平身低頭だった。

二階氏は早くから、中川郁子衆議院議員との“不倫路チュー”スキャンダルなどが尾を引く門氏では「補選は勝てない。勝つ候補を」と鶴保氏に白羽の矢を立てていた。日本維新の会の参戦に危機感を抱いていたからだ。維新の補選候補者は未定だが、擁立を明言しており、2月23日には、大阪府の吉村洋文知事が和歌山入りすることも決まっている。

「ところが、自民党の世論調査で門氏でも鶴保さんでも勝てそうだという結果が出た。それが二階先生の決め手になった」(前出・県連幹部)。結果的に、世耕氏が門氏を押し込んだ形になったというわけだ。しかし、門氏も鶴保氏も二階派。二階派王国が続くことに変わりはない。

前出・県連幹部がこう締めくくった。
「世耕氏はなんとか衆議院転出の目を残した。和歌山市の市議や県議をよく説得して、門氏支援に回らせたのは事実だ。ただし、もし門氏が維新の候補に負ければ、世耕氏の責任問題が問われることになるだろう。どっちにしても、高笑いなのは二階先生です」

 

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