会社破綻で国民に損害を与えた久留米商工会議所会頭が不可解な土地取得 |色褪せる「新幹線発言」

会社を破綻させ、金融機関や福岡県民に7億円を超える損害を与えた本村康人氏が「会頭」を務める久留米商工会議所。こうした人物に会頭を続けさせてきた久留米経済人の常識を疑わざるを得ないが、本村氏が西九州新幹線の新ルートを久留米経由にするよう働きかけていくことを表明したことで、改めて同氏の資質や資格に注目が集まる状況となっている。

そうした中、久留米市の関係者の間で、ある一等地の土地の動きに関する噂が広まった。聞いてみると、土地を取得したのは他ならぬ本村氏。ある市民から「会社を潰して債権者に迷惑をかけた人が、どうやって高額な土地を手に入れたのだろう」という情報を入手し、取材に動いた。

■わずか4か月で2度転売された土地

問題の物件は、2016年にオープンした久留米市の総合文化施設「久留米シティプラザ」の真横に位置する約157㎡(約48坪)の土地(*下の画像)。この辺りは久留米の一等地だという。地元の不動産業者によれば、周辺の地価は坪あたり120万円から150万円。幅を持たせても、売買価格は6,000万円~7,000万円する計算だ。

所有権の動きを見ると、2021年7月から約4か月の間に、ずいぶん忙しく売り買いされていたのが分かる。まず、同年7月に福岡市の個人から同市に本社を置く介護福祉関係の会社に売買で所有権移転。その3か月後には久留米市の賃貸住宅管理業者に、やはり売買で所有権が移り、最後はわずか1か月で久留米市の男性に売り渡されていた。買ったのが本村康人久留米商工会議所会頭である。

本村氏が取得した土地に道路を挟んで隣接する久留米シティプラザは、1,514人収容の大ホールや歌舞伎座仕様の劇場(400席)などを擁する同市のランドマーク。運営は市の第三セクター「株式会社ハイマート久留米」で、同社の代表者は商工会議所会頭の本村氏である。

本村氏が取得した土地の周辺が再開発されるとの情報もあり、それが事実なら、地場の経済界トツプという立場上、そうした話を早い時期に知った本村氏が“先物買いしたのでは”という見立ても成り立つ。だが最大の問題は、前出の久留米市民が言うように「会社を潰して債権者に迷惑をかけた人が、どうやって高額な土地を手に入れたのだろう」という点だ。

これまで報じてきた通り、本村氏は、かつて経営していた「本村商店」を破綻させた際、7つもの金融機関と福岡県信用保証協会に多額の損害を与えた人物だ。つまり国民が被害を被ったということなのだが、その額は下の表で明らかなように7億円を超す。

 会社を破綻させた以上、個人資産もほとんど整理されたはずで、現在本村氏が住む自宅は本村商店の経営が傾いていた2013年(平成25年)、銀行側が債権放棄した後、売買の形で身内に所有権だけが移っている。

会社を潰して金融機関や福岡県民に多大な損害を与えた人物が、地方都市の一等地に高額な土地を購入したとなれば“原資”を詮索されるのは当然。現在本村氏が経営する「久留米情報サービス」という実態不明の会社が高い売り上げを誇っているとは思えず、謎は深まるばかりだ。

本村氏に2,000億円をはるかに超えるとされる西九州新幹線の新ルート誘致を推進する資格があるのか?そもそも、地元経済界トップである商工会議所会頭という地位に本村氏がいること自体、間違いではないのか?商工会議所の運営に税金が投入されているということを、久留米の経済人は真摯に受け止めるべきだろう。

 

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