【速報】鹿児島県警が強制性交事件の捜査資料を改ざん

大量の捜査資料を流出させながら会見を開かず、実態を隠蔽している鹿児島県警が、情報漏洩の発端となった強制性交事件の事件処理簿を、一部削除の形で改ざんしていたことが分かった。

■送検前、削除された調書の記載

改ざんされたのは、新型コロナウイルス感染者の療養施設に派遣されていた鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職。以下「元職員」)が強制性交の疑いで告訴された事件の処理簿。まず下の文書が当初入手の事件処理簿で、記載内容から事件を鹿児島地検に送致した後のものとみられる。

一方、最近になって入手したのが、同じ強制性交事件の処理簿でありながら、記載内容が一行多い処理簿。送検前のものだと思われる。

2枚の文書を見比べれば分かるが、送検前の処理簿に記載されていた『被告訴人の取調べを実施。 R4.11.10参考人●●●●の取調べを実施。 R4.11.30参考人▲▲▲▲の取調べを実施。』が、送検後の処理簿からは一行丸ごと削除されているのが分かる。

確認したところ、削除された記載に出てくる二人の参考人は、確かに11月10日と11月30日に、それぞれ聴取を受けており、調べにあたった警察官が作成した調書に署名している。当然、その時の調書は残っているはずだ。

被告発人(元鹿児島県医師会職員)の調書が存在しているのかどうか知る由もないが、処理簿に『被告訴人の取調べを実施』という記載がある以上、こちらも何らかの記録が残っていなければならない。では、なぜ問題の一行が削除されたのか――?

まず、「スペースが足りなくなった」などという幼稚な言い訳は通用しない。送検後の処理簿にはまだスペースがあるし、そもそも用いる文字のポイントをおとせば済むこと。従ってスペースの問題ではない。

次に「後日改めて調書を作成したから、聴取段階の記載を削除した」という鹿児島県警ならありそうな主張も、合理的とはいえない。前述したように、調べを受けた二人は、警察官の求めに応じて署名しているからだ。

考えられる答えは限られる。削除は、警察一家にとっては不都合な部分――警察官の息子だった医師会の元職員が不利になるような供述――がある調書を意図的に削除し、なかったことにするためではないのか。つまり送検にあたって、「起訴」につながりかねない証言の記録を隠したということだ。いかなる理由であるにせよ、事件処理簿が改ざんされたのは事実。新旧の処理簿がその証拠である。

県警は12日、記者レクの形で情報漏洩を認めたというが、対象としたのは2枚の処理簿に記載がある4件の事案についてのみ。しかし、これまで報じてきた通り、流出した処理簿は多数であり、数十件分の捜査情報だ。調査中をいいことに会見を開かず、記者レクでお茶を濁すという弥縫策に走ったのは大きな間違いだと指摘しておきたい。

ハンターの記者は先月、鹿児島県警が情報漏洩を認め県民に謝罪するなら入手した全ての処理簿を提供しようと申し出たが、担当の県警幹部は1時間近く待たせたあげく面会も拒否。県警は、漏洩内容を掴む機会を自ら放棄した。結局、どれだけの規模の情報漏洩があったのか、いまだに把握できていない状況だ。警察庁あたりから指導され、やむなく記者レクを行ったとみられるが、お粗末すぎて話にならない。

ちなみに、県警は情報漏洩が認められた関係者に、事の経緯を説明し、すべての人に「謝罪」を終えたかのような話をしたようだが、肝心の強制性交の被害者には謝罪していない。県警は記者レクの前日、強制性交事件で被害を訴えている女性の代理人弁護士に「個人情報の保護に関する法律に基づく通知について」という発出文書を一方的に届けたが、その通知には謝罪の言葉は一切なく、事実関係を列挙しただけ。文書に中に「二次被害のおそれの有無と内容」とあり、次のように記されている。

ネット記事では、前記2の部分については黒塗りになっていますが、今後、ハンターから直接取材の虞もあるなど、二次被害の虞がないとは言えないところです。

『ネット記事』とは情報漏洩について報じてきたハンターの配信記事のことで、『前記2』は被害を訴えている女性の氏名や生年月日といった漏洩した情報の内容を指している。県警に断っておくが、ハンターは強制性交事件の報道を始めるにあたって、最初に被害者に会って話を聞いており『二次被害』を与える『虞』などない。そもそも、不当捜査によって強制性交事件の実相をねじ曲げ、被害女性に二次被害を与えたのは鹿児島県警ではないのか!

 

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