田川市・今村寿人市議に公選法違反の疑い|市内に多数の違法看板

次々に不正を疑わせる事実が明らかとなっている福岡県田川市(二場公人市長)の「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」業者選定プロポーザルの過程を検証するため市議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)で、疑惑発覚の発端となった記事を配信したハンターを、「姿も見えない」「公式の報道機関でもない」「社員が何人いるかも分からないようなところ」などと一方的に誹謗中傷した今村寿人市議会議員(当2回)が、選挙区内に違法な政治活動用看板を多数設置していることが分かった。

■「証票」なしは確信犯の可能性

政治活動をする際、公職の候補者(政治家)がその氏名や氏名が類推できる事項を選挙区内に掲示することは、売名行為にあたることから原則禁止だ。ただし、一定のルールを守った掲示物については、公職の種類(国会議員、都道府県知事、都道府県議会議員、市長・市議、町長・町議など)によって設置数を決めた枚数が認められている。

設置可の掲示物であることを示すのが、当該選挙を管理する選挙管理委員会が発行する「証票」である。政治家とその後援団体などが政治活動のために看板を設置するためには、当該選挙を所管する選挙管理委員会に枚数や設置場所を届け出て、「証票」の交付を受けなければならない。

市長及び市議については政治家本人用が6枚、後援団体用が6枚の計12枚。看板大きさにも規格があり、縦150㎝以下、横40㎝までと決められている。証票」が貼られていない、あるいは有効期限切れの「証票」しか貼られていない看板は違法となる。

下は、今月20日、ハンターの記者が田川市内を半日調査して、確認できた今村寿人市議の「後援会連絡所」の看板。この日だけで13枚の看板の証票添付状況を確認したところ、有効期限内の証票を貼っているのは、たったの2枚。別の2枚は有効期限切れで、残り9枚は証票がなかった(同日現在。下はその一部の写真)。

前述したとおり、証票がないものや有効期限切れの証票を貼った看板は、すべて違法。さらに今村氏の場合、すべての看板に「後援会連絡所」と記載されており、「政治家本人用6枚、後援団体用6枚」という規定も守られていない。

田川市を走り回っていると、確認した13枚のほかにも次から次へと現れる今村氏の違法看板――。当然ながら“合計12枚”という制限も全く守られておらず、「確信犯」であることを疑う余地はない。平然とルールを無視する人間に、議員バッジをつける資格などあるまい。こういうふざけた議員のために「落選運動」があるのだが、事情を知った市民の間からは、「選挙を待つまでもない。刑事告発すべき」という声が上がっている。

設置された看板に証票交付の手続きが取られていない場合や有効期限切れの証票の場合、または事務所の実態がないところへの掲示は、公職選挙法第243条により2年以下の禁錮または50万円以下の罰金となる。

ところで、ハンターは今月17日、田川市選挙管理委員会に今村氏側提出の「証票交付申請書」の開示請求を行ったが、ここ数日来、今村氏の違法看板が撤去されたり新しい証票が貼られるなど法律違反を回避する動きがあるという。罪を認めたも同然だが、今村市議と関係の深い別の政治家陣営も、看板絡みでおかしな動きをみせている。

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