三反園知事陣営が重大なルール違反 森山国対委員長ら県境超えて事務所開き参加

反原発派との「政策合意」で多くの県民を騙し、知事の座を手に入れた後も嘘とごまかしで県政を歪めてきた三反園訓氏が、選挙を前に本当の姿を晒した格好だ。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け政府が緊急事態宣言を発令する中、7月の鹿児島県知事選挙で再選を目指す三反園氏の後援会が開いた事務所開きに、国会対応で東京にいた自民党県連の森山裕国会対策委員長と野村哲郎参議院議員が出席していたことが分かった。

ほとんどの鹿児島県関係者が、三反園知事が何度も発した“県境をまたいで鹿児島に来ることや外出を控えるように”との要請を守っているなかでの「県境越え」。我慢を重ねてきた多くの県民から、激しい反発の声が上がる事態となっている。

■「自粛要請」繰り返してきた三反園氏

政府の緊急事態宣言を受けた三反園知事は4月16日、動画配信した『新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を受けての県民への知事メッセージ』の中で、「不要不急の帰省や旅行を控えていただきたいということであります。国においてもそうでありますように、蔓延を防止し、県民の命を守る観点から、都道府県をまたいで移動することは,絶対に避けるよう徹底していただきたい」と発言。同24日には『ゴールデンウィークを迎えるにあたって、県民の皆さまに対するお礼とお願い』を配信し、「県民の皆さまにおかれましては,不要不急の帰省や旅行は控えてください県外に移動することは絶対にやめてください。県外の皆さまへのお願いです。鹿児島県への旅行を控えてください」と訴えていた。

本格的な連休を前にした今月1日、知事は県庁のホームページを通じ、さらに厳しいメッセージを動画配信していた。

5連休を迎えるにあたって、県民の皆さまへの知事メッセージ

県民の皆さまにおかれましては、緊急事態宣言がなされ、ご不便をおかけしております。ご協力に対しまして、心から感謝申し上げます。子どもたちは、学校に行けない、遊べないことからストレスがたまり、不安な気持ちでいっぱいのことと思います。また、各事業者におかれましては、これまで経験したことがない、非常に厳しい状況となっております。

新型コロナウイルスとの戦いをできるだけ早く終わらせなければなりません。そのためにも、明日からの5連休が非常に重要です。この5連休をどう乗り切っていくか、それが、鹿児島県において感染が拡大するかどうか非常に重要となります。

県民の皆さまに改めてお願いいたします。不要不急の帰省、そして旅行は絶対に控えてください。また、県外の皆さまに心からお願いいたします。県境をまたいで鹿児島に来ることは控えてください。鹿児島には、温泉、おいしい食べ物、そして自然、歴史など様々な観光資源がたくさんあります。だからこそ、この素晴らしい鹿児島を守っていただきたいのです。

県境をまたいで、県外の方が訪れないことが、鹿児島県での感染を拡大させないために非常に重要です。是非、鹿児島を守るために、県境をまたいで鹿児島に来ることは控えてください。そして、離島には絶対に行くことはおやめください。

新型コロナウイルスとの厳しい戦いが続いております。困難な時だからこそ今、他者への思いやりや、感謝の気持ちを持って接していくことが大切であります。明治維新を成し遂げた鹿児島であります。強い心をもって、この新型コロナウイルスとの戦いを乗りきっていこうではありませんか。県民一丸となれば、必ず乗りきっていけると私は信じております。一緒になって乗り切っていきましょう。引き続き、ご不便をおかけすることになりますが、県民の皆さまのご理解、ご協力を心からお願い申し上げます。

令和2年5月1日
鹿児島県知事 三反園 訓

下は、このメッセージを発信した際の動画の1場面だが(赤い囲みはハンター編集部)、「不要不急の帰省や旅行は絶対に控えてください」「県境を越えて移動することは絶対に避けてください」と大書されているのがわかる。

メッセージ本文にも「不要不急の帰省、そして旅行は絶対に控えてください」、「県境をまたいで鹿児島に来ることは控えてください」、「県境をまたいで、県外の方が訪れないことが、鹿児島県での感染を拡大させないために非常に重要です」、「県境をまたいで鹿児島に来ることは控えてください」――。人の命にかかわる問題である以上、これらの呼びかけに例外が許されるはずがない。国会議員であろうと大臣であろうと、扱いは同じだ。もちろん、「選挙だから仕方がない」という言い訳も通用しない。

■県民からは厳しい批判

三反園陣営の事務所開きが行われたのは今月9日。鹿児島市大黒町の後援会事務所には、支持者や地元経済界の代表ら数十人の他、わざわざ国会開会中の東京から森山、野村両議員が参加したという。

「自粛要請」の張本人と、その男を推薦した自民党の議員が、守るべきルールを破っていたのでは話になるまい。三反園氏と森山・野村両議員の行為は、県内外の鹿児島県人を愚弄するものだろう。

緊急事態宣言の発令中、しかも三反園氏自身が何度も県境を越えての移動や外出を控えるよう呼びかけてきたのだから、要請を守った鹿児島県関係者が納得するはずがない。ハンターには、この問題を報じた地元紙「南日本新聞」の記事を読んだという県民から、「県知事だけ特別なのか」(鹿児島市・60代男性)、「国会議員は何をしてもいいのか」(薩摩川内市・50代男性)、「県民に我慢を強要しておいて、自分の選挙だけOKとは許せない」(鹿児島市・30代女性)といった批判の声が数多く寄せられている。

連休中、身内を亡くした同県出身のプロスポーツ選手が、自粛要請に従って葬儀への出席を見送っていたとの話も出ており、身勝手な知事や自民党議員の振る舞いに波紋が広がる一方だ。

 

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