「自殺を考えた」―北海道立江差高等看護学院教員による集団パワハラの実態

北海道立江差高等看護学院で起きている“事件”は、パワハラという表現では説明が尽くせない醜悪なものだった。被害を受けた関係者の中には、「集団リンチ」「集団暴行」と泣き声で話す人もいる。関わっているとみられる教員は、品川由美子副学院長をはじめ6人。在学する学生や卒業生にとっては、悪夢のような日々が続いてきたのだという。

2回にわたって告発メールの一部を紹介してきたが、直接話を聞いてみると、文章に落とすのをためらわざるを得ない内容の行為があったことが分かる。同じような被害が別々の年代の関係者から語られるため、決して誇張したものではないことも理解できた。

詳細は今後の特集記事で明らかにしていくが、共通しているのは「教員の気分次第」(卒業した生徒)でその日の生徒の運命が決まるという点だ。機嫌のいい時の方が少なかったという証言もあるが、どの教員も瞬間的に「キレる」(前同)。それがいつ来るか分からないため、生徒たちは始終怯えていることになる。

怖い」「怯えていた」「死にたくなった」「悪夢」「悪魔」「威圧」「暴行」「リンチ」「脅し」――。関係者のメールや証言には、これらの言葉のうちのどれかが、必ず出てくる。

何故だか分かっていないが、教員らは、生徒を意図的に留年や退学へと誘導している可能性が高い。課題の提出を命じておいて、持っていくと「時間がない」「忙しい」「知らない」と突き放し、未提出扱いにするという手口を多くの関係者が訴えているからだ。その結果、単位が足りずに留年というケースが少なくない。もちろん、精神的に病んで休学し、留年や退学に追い込まれた人もいた。

精神的な暴力にとどまらず、身体に対し直接的な「暴行」を受けたという証言も複数ある。言葉の上での「殴るぞ!」「殺すぞ!」は頻繁だったというのだが、実際に「殴られた」「蹴られた」「小突き回された」「引き倒された」という話が出ている。こうなると、たしかに「集団リンチ」という関係者の表現にも頷ける。

退学や休学を強要されたという訴えも、一人や二人の話ではない。「いつ退学するの!」「休学すれば!」「もう来るな!」「指導を受ける資格がない」――被害状況を整理するため作成している表には、教育者が発したとは思えない言葉の数々が並ぶ。

生徒を追い込む際には、バカ呼ばわりするなど生徒を意味なく罵倒して無理やりそれに同意させたり、前述した「時間切れで課題未提出」という“でっち上げ”を理由にするなど、卑劣極まりない手口を使っていた。江差高等看護学院は、もはや「学び舎」と呼べる施設ではない。

これまで道庁の所管課に対しては、何人もの関係者が江差高等看護学院で行われている集団パワハラの実態を訴えてきたという。しかし、少数の道庁職員が「握りつぶしてきた」(卒業した男性)とされ、今回ようやく表面化した形だ。

北海道では、地域によって看護学校で指導する教員の数が少なく、簡単に補充もできない現状があるというのだが、それはパワハラの横行を認める理由にはならない。「パワハラを苦に自殺したとしか思えない生徒もいた」という話が信憑性を帯びる事態である以上、早急に教員の総入れ替えを図り、犯行に及んだ教員らに厳しい処分を下すべきだろう。

同学院では、きょう18時から、道庁と学院側による関係者向け説明会が開かれる。その場で教員らのパワハラをどこまで認めるか、あるいは認めないか――注目である。

本稿の最後に、早朝に送られてきたばかりの、卒業生のメールを紹介しておく。

道立江差看護学校卒業生です。私は卒業するのに何年もかかりました。私の在学中にも自殺未遂した学生がいました
私も何度も自殺を考えました。理不尽なんてものではないです。人格否定です。私が卒業した年は、私のように留年した学生含めてたった10人ほど。ストレートで卒業した学生は1桁でした。
言われたこと今でも覚えてます。トラウマになりました。

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