【指宿市女性教師暴行事件】被害者の母と加害男性、緊迫のやり取り

 今年9月に鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任に呼び出されて体を触られるなどの暴行を受けて傷を負った事件は、女性の被害届を受けた鹿児島県警が24日までに加害男性を傷害の疑いで書類送検し、一つの区切りを迎えた。

 卑劣な犯行に重い罰が下されることを祈るばかりだが、残念なことに、被害者である女性教師を“悪者”に仕立てる誹謗中傷が後を絶たないという。事件を単なる傷害事件に矮小化しようとする動きも顕在化しており、女性教師が勤務する小学校の校長は、「示談」を示唆して、事実上加害教師を庇う姿勢さえみせている。

 ハンターは、事件発生直後の9月26日に、被害女性の両親と当該小学校の校長・教頭が犯行に及んだ男性教師から事情を聴いた際の録音データを入手。数十分にわたるやり取りのすべてを文字起こししていたが、被害女性の名誉のため、その一部を公開する。以下は、“犯人”と被害女性の母親の、緊迫した対決の場面。読者に予断を与えないよう、解説などを加えないことにした。

■9月26日 於:指宿市内の小学校

被害者母:本日26日です。数日経っていますけれど、この時点での、まあさっき言ったこと、いつからあの子に、その……ああいったことをしようと思ってたか、かねてどう思ってたか、今現在やったことに対して、あの子に言うことがあるのか、その辺を言ってください。
加害教師:はい、あの、○○先生とはそういった個人的なお話とか、付き合いとか、そういったことは一切なかったです。ただこれまで、研究授業ですとか、また今回教育実習とかを引き受けてくださっていましたので、まっ、私自身から、まっ、それに対する、まっ、お礼とかそういったのはしておりました。で、今回につきましても、来週指宿養護学校の方からあの、教育実習、教育実習の、教育実習があるんですけれども、まあそういったことも、まっ快く引き受けてくださっておりましたので、まあもしよろしければ、あの私が家族からいただいたあのそういった果物等をあの差し上げたいと、お礼として差し上げたいと、ま、そのようなことからあの声をかけるに至ったところです。

ただ、あのやはりその一番のやはり問題点といいますのは、やはり、あのその渡し方、まぁこれはお母さまからも先日言われましたけれども、随分時間も遅かったですし、またいろいろな方法で渡すこともできたという風に思っております。その件はもう私自身の完全な、あのー認識不足、判断のミスだという風に考えているところです。

そして、この数日、えーいろいろなことを考えてきましたけれども、日に日に自分の犯してしまったことの罪の大きさ、それから周りの人に対する影響、そして、えー何よりあの○○先生自身に対して深い心と、あのー傷を負わせてしまったなと、大変あの申し訳なく思っておりますし、まっ、謝ったところで、到底許してもらえないことだという風には考えております。

今後につきましては、やはり○○先生が一番はあの現職復帰と言いますか、普通の状態で、教壇に立つことが、やはり一番あの優先的に考えていくことだという風に考えておりますので、まっ私にできることはなんでも、あのー処罰等誠実に受け止めて、まずは○○先生自身がこれまで通り本校に勤務できるように、あのーあらゆることに努めていきたいという風に考えているところです。はい。

被害者母:娘に対して、何をしたというのは認識されていますよね。
加害教師:あっ、はい。

被害者母:なんか今の話では、なんかそんな大変なことはしたようには聞こえないんですけど。何をしましたか?
加害教師:はい、あの本当に、こう猥褻にあたるような、そういったことをしてしまって、本当にもう、あの謝っても謝っても、本当にどうしようもないということだというふうに、はい。大変申し訳なく思ってます。

被害者母:10時過ぎでしたよね?
加害教師:はい。

被害者母:晩の10時過ぎ。
加害教師:はい。

被害者母:水曜日ですか。
加害教師:はい。

被害者母:今週水曜日の晩の10時過ぎに。
加害教師:はい。

被害者母:呼びつけて、女の子をですよ。
加害教師:はい。

被害者母:自分の部屋に、呼びつけて。
加害教師:はい。

被害者母:駐車場で渡すというなら、まだわかりますけど。
加害教師:はい。

被害者母:部屋まで、401(部屋番号)だからとか言ったらしいですね。
加害教師:はい。

被害者母:取りに来てと。で、玄関先でもらえるのかと思ったら、台所にあるから、選んでって。
加害教師:はい。

被害者母:好きなのを選んでって言ったそうですね。
加害教師:はい。

被害者母で、そこで帰ろうとしたら、まぁあのーアイスクリームとかがあるから。
加害教師:はい。

被害者母まぁ食べてと、いらないと言うのに、食べきれないから、食べて食べてと言って座らせた。
加害教師:はい。

被害者母ですよね。
加害教師:はい。

被害者母で、それから、あなたはエビスビールの350㏄を何本も飲んでいますよね?
加害教師:はい。

被害者母女の子がそこにいるのに、酒を飲み始めてますよね。
加害教師:はい。

被害者母何時間も。で、本人は10時半ぐらいにはもう、10時ぐらいに呼ばれているので、10時半ぐらいにはもう帰る、帰れるって思っていたんですよ。
加害教師:はい。

被害者母他の人にも会う約束っていうか、電話する約束があって。10時半ぐらいにまた電話をするからって。言ってるんですよ。
加害教師:はい、はい。

被害者母で、電話が来なかったから、お友達も心配していたんです。
加害教師:はい。

被害者母本人は帰りたくて仕方がなかったはずです。
加害教師:はい。

被害者母言ったはずです。それをあなたは引き止めましたね。酒を何本も、酒ていうかビールを何本も飲みつつ。
加害教師:はい。

被害者母引き止めたんじゃないですか。本人はだって10時半には電話をするからねって言ってあるので、どうですか?
加害教師:はい。あのー、正直そういった言葉は、まぁ私がアルコールを飲んでいたせいもあるかもしれないんですけども、まぁ私はそのような認識は捉えなかったですけども。ただ○○先生自身がおっしゃっていることが、やはり一番正しいという風に思っておりますし、まっそもそも先程お母さんがおっしゃいましたように、部屋まで、401(部屋番号)までと、もうその時点で、あの私の、あのー、声に出したこと、その判断、そこもうその時点で、あのーすべてが間違っていたと思っております。

被害者母その時点だけじゃないですよね。
加害教師:はい。

被害者母その後ですよ、延々と引き止めた挙句に、12時を回りました。夜中の12時ですよ。帰りたいと。で、まっ、その間も立ち上がって帰ろうとしたようなんですけれど、なかなかこう出させてもらえない、部屋を出させてもらえないというな状態だったみたいですね。
加害教師:……

被害者母覚えてないって言うんですかね。
加害教師:いえ、まぁあのー、普通にお話はしておりましたけれども、ただあのー○○先生自身がそのように仰っていますので。

被害者母立ったり、座ったりしてたらしいですよ。帰りたくて。
加害教師:あのー、一度だけトイレには、あのー行かれたんですけれども、はい。

被害者母帰ろうってしてたでしょう?
加害教師:いや、すみません。私が、その辺を十分に、あの汲み取ることができずというか。はい。

被害者母そうですか。
加害教師:はい。

被害者母その後のことをですよ。この間私ここに来たときよりも、さらに詳しく娘に聞いたんですよ。もう涙が出そうでした。まぁ、あなたは覚えている、覚えていないって、そこら辺ははっきりしたくないのでしょうけど、覚えていないはずがないです。たかが、ビールを飲んだぐらいで忘れるようなことじゃないので。やったことは覚えているはずです。そこら辺を覚えていないというのは卑怯ですからね。あなたは、帰ろうとする子を、靴を履いて靴紐を触っているときに、ここら辺ですよね、ここら辺を触ってきて、やれなんか、太りすぎだかなんか知りませんけど、脂肪の話をして、二の腕をなんかこっち側だったって言ったかな、掴んできて、で、したって。背中もなんかこうして触ってきたっと、後ろからこうして触ったり。こんなところに普通手をやりますか。で、掴んだと。で、やめて下さい、と。で、出ようってしましたよね、うちの子。でしたよね?
加害教師:はい。

被害者母で、鍵を開けて、ドアを開けました。で、うちの子は、出ようとしました。それをあなたは引っ張りましたね。
加害教師:はい。引っ張ったと思います。

被害者母引っ張ったでしょ。だって傷ついてましたもんね。引っ掻き傷までね。相当引っ張ったらしいですね、何度も何度も。で、うちの子はドアを開けて、閉まるところの壁に手をかけて、一方は。一方はあなたに引っ張られてるから、この状態でここに果物の袋を下げてですよ、自分のバックを下げて、この状態で引っ張り合いをしたって言いました。この状態ですよ。両手でも男の力になかなか敵わんもんですよ。この状態、この片手しか使えない状態で、抵抗したって言いました。で、あなたは無理やり引っ張ったって。もう両手で今度は引っ張ったみたいですね。ここだったか、まぁこっちだったか。両手で引っ張って、引っ張り込まれたって、また。言いました。そこはどうですか。
加害教師:はい。

被害者母やりましたよね?
加害教師:はい。その通りだと思います。

被害者母本人はそう言ってます。
加害教師:はい、はい。

被害者母引っ張り込まれて、あなたはすぐにドアを閉めて、鍵を掛けたって。間違いないですか。
加害教師:もう、○○先生のおっしゃる通りだと思います。

被害者母いや、あなたは覚えていますか。
加害教師:……まぁ。

被害者母人がどうこうじゃない。
加害教師:はい。

被害者母あなたはどうなんですかって?
加害教師:はい、そうした。しました。したと思います。

被害者母したんでしょ。覚えてるんでしょ。今更シラを切ったって、しょうがないですよね。
加害教師:はい。

被害者母酒のせいにしたって、覚えていませんって言ったって、何も罪は変わらないんですよ。
加害教師:はい。

被害者母覚えているなら、覚えているで、正直に言ってほしいです。人としての気持ちがあるんであれば。
加害教師:はい。

被害者母しましたよね?
加害教師:はい。

被害者母で、娘は、そん時どう思ったか。もう終わったって思ったって言っていました。半ば諦めたんですよ。でも諦めきれなかったから、またあなたに抵抗したわけですよね。一瞬力が抜けたって、その時に、慌てて鍵を開けて飛び出して行ったって言ってました。で、車まで行って、そこで他の人に電話をしたりとか、メールをしたりとか、震える手でしてたんですよ。どんな気持ちだったかわかります。わかんないでしょうね、そんなことする人にはね。思い出すだけで腹が立つんですけど。そういうことを、要はそれはどういうことを意図してやったんですか。引っ張り込んで、いやだって言って。
加害教師:はい。

被害者母壁に手をかけて――。
加害教師:はい。

被害者母ドアが閉まらないようにして、一生懸命抵抗している女性をですよ、力づくで引っ張り込んで、また鍵を掛けるって、どういうことかわかります?
加害教師:はい。

被害者母何をしたかったんですか?
加害教師:はい。あの、それまで、2、3時間ぐらい学校のことを中心に、ずっと話が弾んでましたので。

被害者母弾みますか?
加害教師:もう少しお話をしたいと、そういうのはありました。

被害者母へぇ、引っ張り込んで、嫌がる女性を引っ張り込んで、夜中にですよ。
加害教師:はい。

被害者母もう(そこで)1時前じゃないですか。
加害教師:はい。

被害者母無理やりそこに引っ張り込んで、よろけさせて、その隙に鍵を掛ける、それは話をしたいという姿勢ですか。それ以上の下心があったんじゃないですか。どうなんです?
加害教師:あったと思います。

被害者母思いますですか。あなたは常日頃そういった気持ちはなかったんですか?
加害教師:いえ。常日頃からはありません。

被害者母その日は本当に計画的ではなかったんですか?
加害教師:はい。本当に……。

被害者母にしては、晩の10時くらいに来て、部屋まで来てっていうのはおかしいですよね。
加害教師:はい。

被害者母計画的でなければ、
加害教師:はい。

被害者母そんなこと普通しません。
加害教師:はい。

被害者母女性をその時間に部屋まで来いって、下心があるとしか思えないですよ。それは危ないと思いますよね。要は下心があったんですよね、そん時は。
加害教師:いえ、本当にその時は果物を本当に渡したいと本当にそう思いました。

被害者母じゃあ部屋で話をしている間に、そういう気分になったということですか。
加害教師:少し。もうこれは本当に私の心の弱さだと思っております。

被害者母押し倒してやろうと。
加害教師:いえ、それは思わなかったです。ただ、もう少し付き合って欲しいというのはありました。

被害者母それ、そういう姿勢になりますか。付き合って欲しい、話を聞いてほしいってことですか。
加害教師:はい。

被害者母それでそこまでですよ、嫌がる女性の腕を引っ張り、爪痕が残る、あとあざが残るまで引っ張って、ほぼ倒れるぐらいまでよろけさせて、ドアに鍵を掛ける。話を聞いてほしいという風には、とれないですよね。正直に言ったらどうなんです?
加害教師:はい、本当に…….。

被害者母さっき下心があるって言いませんでしたっけ。
加害教師:はい。

被害者母なかったんですか、あったんですか?
加害教師:下心は最初はありませんでした。はい。

被害者母そん時はどうでしたか。夜中になって。
加害教師:ただ時間が経つにつれて、段々段々、私も、あの酒の量も増えてきましたし、時間も遅くなってきましたので、まぁそういった部分がでてきたと思います。

被害者母部分?
加害教師:はい。

被害者母そういった部分っていうと、具体的に何をしたかったんですか?
加害教師:まぁそのような……。

被害者母どうしたかったんですか。そこまでのことをして。
加害教諭:まぁそのような……。

被害者母性行為をしたかったんですか?
加害教師:いえ。性行為はそんなことはないです。

被害者母じゃあ何をしたかったんです?
加害教師:ただもう少し、あの――。

被害者母本当のことを言ってくださいね。
加害教師:はい。

被害者母人として。
加害教諭:はい。

被害者母あなた教員ですよね、まだ。
加害教師:はい。

被害者母人としてですよ、恥ずかしくないように本当のことを正直に言ってもらわないと、謝罪にも何にもならないですよ。
加害教師:はい。

被害者母嘘ばっかで、塗り重ねたって。
加害教師:いえいえ。はい。

被害者母下心は?
加害教師:はい、もう。下心はあったと思います。

被害者母あったんでしょ。どうにかなりたいと思っていたわけでしょ。
加害教師:はい、そうだと思います。

被害者母そうでなきゃ、そんなこと普通しませんもん。
加害教師:はい。

被害者母話を聞いて欲しいからっていって、そこまでのことをしますか。そんだけ抵抗している女性をですよ、引っ張り込んで、鍵を掛けるなんて。要は監禁して、強姦目的だったと言われても仕方がないですよね?
加害教師:はい。

被害者母それはわかるでしょ。
加害教師:はい、わかります。

被害者母酒のせいにするんじゃないですよね?
加害教師:はい、その通りです。

被害者母ちゃんと覚えているでしょ。だったかもしれませんみたいな、曖昧な言い方をするのはやめてほしいですね。
加害教師:はい。

被害者母覚えてますよね。誠実に言ってください。
加害教師:はい。誠実に答えております。

被害者母覚えてますか。
加害教師:あの、すべてを覚えているわけではないですけども、まっそのお母さんがお話したことはその通りだと思っております。

被害者母性的なことに、至ろうとしたということですよね。
加害教師:はい。

被害者母そこは誠実に見つめてくださいよ、人間だったら。
加害教師:はい。

被害者母どんなに怖かったと思います。
加害教師:はい。

被害者母ああもう終わったって、思ったって。もう本当に涙が出そうだった。それを聞いたら。どんだけ絶望しただろうと思ってですよ。
加害教師:はい。はい。

被害者母本当に。最初ここに来たときは、それを聞いていなかったので。なんかもう腹が立つやら、涙が出るやらで…。あなた子供さんいるんですか。
加害教師:いえ、いません。

被害者母子供さんいないんですか。じゃあまだ親の気持ちはまだわからないんでしょうね。
加害教師:はい。

被害者母本当に……。でもあなたのお母さんが聞いたらですよ、どう思われますかね。
加害教師:はい。

被害者母あなたは女の兄弟はいませんか?
加害教師:はい。いません。

被害者母いないんですか。なかなか女の気持ちはわからないんでしょうね。こんな目にあってですよ、どんだけ傷つくのか。もう少しそこをですよ、考えていただきたいですね。
加害教師:はい、はい、その通りです。

被害者母教員は人の気持ちを押しはからないといけないんじゃないですか。
加害教師:はい、その通りです。

被害者母子供たちの気持ちを推し量らないといけないんじゃないですか。
加害教師:はい、その通りです。

被害者母子供たちの気持ちも他の大人の気持ちも蔑ろ、それじゃ教員をやる資格なんてないですよね。
加害教師:はい。

被害者母私たちの怒りとか悲しみだとか、たぶん通じないでしょう。子供さんもいないし、女の兄弟もいないということであれば、わからないのかもしれないけど。本当に許せないんですよ。
加害教師:はい、わかっています。

被害者母いくら言っても言い足りないくらいなんです。
加害教師:はい。

被害者母謝罪の言葉を述べてください。もっと大きな声で。
加害教師:はい。○○先生、この度は私自身の軽率、自分勝手な行為により、先生はもとよりご両親、それから校長先生、教頭先生をはじめ多くの方々に深い傷を負わせてしまいました。あの、大変申し訳ございませんでした。あの、いくら謝っても決して許されない行為だという風に思っています。えーしっかりと処罰を受けて、誠実に対応していきたいという風に思っております。この度は誠に申し訳ございませんでした。

(以下、次稿)

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