先月23日、田川郡内にある8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」(組合長:永原譲二大任町長)が整備を進める“ごみ処理施設”に関連する文書の情報公開を巡って、永原譲二大任町長が村上卓哉田川市長に圧力をかけた。
永原氏は、田川市議が請求した大任町の発出文書を「出すのなら、田川市長名に作り替えたものを出せ」と強要、首を縦に振らない市長に対し「(田川郡東部環境衛生施設組合の)議会から出ていけばいい。いやなら自分たちで(ごみ処理施設を)建てりゃいい」、「あんた方には協力せん」、「こんなことしとったら、あんた、4年間もたんよ」などと脅していた。
困ったことに、暴君に同調する小役人はいつの世にもいる。永原町長が村上市長に圧力をかけた際に立ち会ったとされる田川市市民生活部の勢島伴睦部長は、ハンターの記者とのやり取りの中で市の幹部とは思えない発言を繰り返し、市民や市長を裏切っていた。以下、勢島部長との一問一答である。
――2点ほど確認したい。まず、環境政策課はあなたの所管か?
勢島:えーと、環境政策課ですか?はい、ええと、私のところの市民生活部の所管ですね。――ごみ収集運搬業者選定プロポーザルの関連文書が開示されたので、その内容について説明を受けるため、3回も環境政策課を訪ね池口芳幸課長との面談を申し入れたが。何の連絡もない。担当部長として指導してもらいたい。
勢島:一応本人には伝えます。――伝えますじゃなくて、命じてください。
勢島:いや、命令はしますけど、本人がどうするんか、ちょっと……。――本人がどうするかわからん?そんな行政組織がありますか?上司の命令に応じなくてもいいんですか?
勢島:いや、命令というか、指示は出しますよ。――あなた方は税金で飯食ってる。もうちょっとしっかりしたらどうか?
勢島:だから、再度言ってるじゃないですか。指示はしますと。指示はします。あとは、でも、もう強要は逆にできないでしょ?――強要ではない。命じるということ。それに応じないということならば、懲戒処分にでもするしかないだろう。
勢島:話が飛躍してますけども。――飛躍していない。開示した文書について説明するのは当然の義務。その義務を果たせと上司が言ってのに、拒否するのなら、処分されるのが役人の世界だ。
勢島:はい。それは当然ですね。ええ、ええ。――次の問題。最近、大任町長が、田川市に情報公開請求があった文書を出さないよう、市長に圧力をかけたという報道があった。うち(ハンター)は強要、脅迫と書いた。
勢島:はい。大任町長が。それは読みました。はい。――部長が同席したことは間違いないか?
勢島:はいはい。――強要や脅し的な文言があったのは事実か?
勢島:ええとですね、その言葉自体がどうのこうのというのはあれなんですけど、あの私はこれまでというか、あの、ずーっとその内容等もずーっと、えーっと、いろいろと聞いているんですよね。で、そのような話の中でのことを前々から大任の町長さんから聞いてますので、その内容とかですね。強要とかいうような感じには私は取れなかったです。――なんの話だと思ったのか?
勢島:ま、お願いというか、そうしたことにもなるよ、というようなことを。要するに客観的に言ったら……。――“そうしたこと”とは、“ごみは入れさせんよ”ということか?
勢島:入れさせんよ、というか……。――“出て行けばいい”、とかは?
勢島:どうですかね?ええと、あの……。――焼却灰のうち、田川のものだけを引き受けさせないようにするぞという、そういうことにもなるよという言い方をしたのではないか?
勢島:あのですね、ええと、結局、灰の受け入れ先を、ええと、今三町一村の添田町でやりよるですよね。そこの受け入れに関しては、ええと、まあ、8月からその川崎町と田川市の、ええと、施設組合の分の灰が、もう一杯になるのでということで、あの……。――それを受けないよ、と。
勢島:受けんよというか、結局、今までは市町村、前の市長とですね、副市長と、ええと、口頭でなんか、いろいろと話はしていたけれど、結局、正式な形ではないので、えー、あのー、受け入れはできないかもしれませんということは言ってましたね。――永原さん、そういったということ。議会から出て行ってもらうとかは?
勢島:出て行ってもらう……。あー、はいはい。――仰ってる。永原さんが。
勢島:ええと、そこはですね、出て行ってくれって言ったのはどうかは、あれなんですけど。組長同士がですね、結局、その例えば、口頭でもなんでも約束したことが、やっぱり反故にされると、信頼性がなくなるねということは言ってました。――反故にするもなにも、そもそも大任の町長が田川市の情報公開に介入してくること自体が間違いではないのか。田川市内の情報公開であって。そこに介入すること自体が間違っている。
勢島:ああ、はい。――もう一点、その情報公開の内容を大任町長に伝えた、お伺いをたてに行った課長さんについて。
勢島:はい。――池口さんで間違いないか?
勢島:あー、はいはいはい。――明かな違反行為。守秘義務違反だ。
勢島:あのー、池口がそれを伝えたんですか?――伝えている。これは大任町の関係者から私が直接聞いている。
勢島:いや、それは、私は、あの、そういった報告は受けていないですよ。――報告を受けていない?
勢島:はい。あのー、結局伝えたということは受けていませんよ。――相談もしたことないというのか?
勢島:ご相談といいいますと?――大任町長にこういう情報公開がかかっていますよ、と。佐藤さんという議員から開示請求がかかっているということを池口さんが教えないと、佐藤さんの名前は出ない。
勢島:いや、その出るか出ないかはわかりませんけれども。あの、結局その、大任町さんから出された文書についての……。――部長、それはいけない。永原さんが来たとき、佐藤さんの名前が出ているのではないか?
勢島:いや、はい。それは出てましたよ。あの、23日の日でしょ?あの6月23日の市長との面談のときのことを言われているんでしょ?――そうだ。なんで永原さんは請求者の名前を知っているのか?
勢島:あっ、いや、それはわかりません。私は。――だからそれは池口さんが伝えないと、辻褄が合わない。では聞くが、池口さんに出張命令書は出ているのか?大任町に池口さんが行くときに。
勢島:それは、出てます。出張に行くのは報告は受けています。――すると、池口さんが情報公開の相談に行ったことを、あなたは知っていたということでいいか?
勢島:情報公開の相談に行ったんじゃないと、私は聞いています。――何をしに行ったのか?
勢島:出された文書の発信元に対して、あの、確認をしに行ったんだと思いますけど。出された文書に関する……。要するに大任町さんから出された……。――では、永原さんは田川市に何をしに来たというのか?佐藤議員が出した情報公開に応じるなと言いにきたんじゃないのか?応じるなという文脈の中で脅したということだろう。
勢島:いやいや、応じるなじゃないと思いますけど。要するに、前の組長との約束をしたことが、あの、どうなっているんだということだと思いますけど。――どうなっているんだ、という話ではなかったはずだ。永原さんが発出した文書をそのまま出すな、出したらこうなるよ、という話ではないのか?
勢島:そのままの文書を出さずに、ええと、市長名で書いて、あの、ええと、そのなんて言いますか?情報を請求した人に出したらどうだという話を、確か……。――永原さんが、そういうことを言われた。なるほど。市長名に変えろということでいいか?
勢島:はい。――そうなると情報公開にならない。
市民生活部長:いや、だから、それでいいんじゃないかっていうような話はしていました。――良くないに決まっている。発出者の名前を市長に変えろ、さもなくばこうなるよ、という話じゃないか。だから、それを一般的には強要という。ご存じないのか?
勢島:ご存じないですね。――勉強されたほうがよろしい。
勢島:あーはい、わかりました。――あなたは、田川市民の味方なのか、永原さんの味方なのか?
勢島:田川市の味方とか、大任の味方とか、どちらでもないですよ。――誰が聞いてもこれは田川市民に対する強要・脅迫だ。
勢島:いや、だからそこは……。――あなたとは見解が違い過ぎるようだ。せいぜい永原さんの肩を持ってたらいい。
勢島:いやいや。
「田川市の味方ではない」と断言した人物が、田川市の市民生活部長を務めているという矛盾――。田川市民は勢島部長の発言をどう受け止めるだろうか。