田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|受注辞退で9400万円の利得

福岡県田川市(二場公人市長)が昨年5月に実施したごみ収集業者のプロポーザル選定に関する疑惑を巡り、実際の受注業者名を非開示にした同市の処分は不当とするハンターの審査請求を受けた市情報公開・個人情報保護審議会が「開示すべき」と答申、市は10日付けで非開示処分を取り消す裁決を下し、隠蔽してきた業者名を開示した。

結果は、昨年来ハンターが報じてきた通り。3工区のうち、1工区と2工区で1位になった「早雲商事」(田川市)が2工区の受注を辞退。3工区1位の「クリーン北部九州」も何故か受注を辞退して、2位につけていた1工区を早雲商事から譲られる格好で受注していた。その結果……。

◇   ◇   ◇

問題の事業は、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」。A工区(市内西側の可燃ごみ)、B工区(市内東側の可燃ごみ)、C工区(市内東側の可燃ごみ)に分けて業務委託されるもので、今年4月からの実施に向けて昨年5月にプロポーザル方式での業者選定が行われた。

選定が進められたA、B、C三つの工区のうち、A、B両工区で第一位となった「早雲商事」がA工区の受注を辞退。さらに、C工区一位の「クリーン北部九州」も辞退届を出すという異例の展開に――。ハンターの取材で、別々の3社が仕事を分け合う形で契約が結ばれていたことが明らかとなっていたが、市はA、C両工区の契約結果を黒塗り非開示にして隠ぺいを図っていた。

ハンターは昨年9月、非開示を不服として田川市に審査請求。今月になって田川市が処分取り消しに追い込まれ、25日までに黒塗りだった業者名が開示された。下が、これまで隠されていたA工区の契約書である。

 A工区を受注したのは、ハンターの取材結果どおりC工区の受注を辞退した「クリーン北部九州」。これによって、それぞれの工区の受注状況は、今回開示された下の文書のようになり、C工区を辞退してA工区の受注に回ったクリーン北部九州は、約9,400万円もの利を得た格好となっている。

 本件の業務を請け負う業者は、プロポーザル方式で選定されており、応札にあたってはそれぞれの業者が「提案書」を提出している。当然、業務遂行が可能であることを前提にしたもので、自社が他の業者より優れていることを謳っていたはずだ。それが選定結果が出たとたんに辞退――。「おかしい」と思うのが普通だろう。異例の受注事態が相次いだあと、「早雲商事」と「クリーン北部九州」がいずれも約2億4,000万円の仕事を分け合っているのだからなおさらだ。

では、「辞退」の理由はどのようなものだったのか?下が、昨年開示された「早雲商事」と「クリーン北部九州」の辞退届である。

2枚を見比べた瞬間に、ほとんどの人が疑問を抱くのではないか。プロポーザルの審査結果が通知されたのは昨年の5月28日だが、早雲商事の辞退届提出は3日後の5月31日。一方、クリーン北部九州の辞退表明(文書に『辞退届』のタイトルがないため)は、審査結果通知から約1か月半近くあとの7月12日だ。クリーン北部九州の辞退表明は、なぜこうも遅くなったのか――?同社の辞退表明文書は、なぜ大部分が黒塗り非開示になっているのか――?

不可解というしかない一連の動きだが、田川市情報公開・個人情報保護審議会が、これまで市が非開示にしてきた文書の一部を「開示すべき」と答申したことで新たに明らかになった記載が、疑問に対する答えを導き出すことになる。次週の配信記事で、深まった疑惑について詳細を報じる。

 

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