【江差看護学院パワハラ事件】もみ消し図る北海道庁

悪質な集団パワハラを、何とかもみ消そうとする北海道庁の思惑が露呈した。

副学院長を含む複数の教員による悪質なパワハラが明らかとなった北海道立江差高等看護学院で7日、関係者への説明会が開かれ、道の聞き取り調査結果と今後の方針が示された。一言でいうなら“姑息”。重い犯罪行為を軽いコミュニケーション不足にすり替え、苦しんできた生徒たちの傷口に塩を塗りつけたに等しい。

■保健福祉部の文書からみえた道庁の意思

道庁による聞き取り調査は、関係者の内部告発でパワハラが問題化した先月中旬に、江差高等看護学院の在校生と教員らに対し行われたもの。密室の中での話であったことから、「真相究明にはつながらない」(卒業したある生徒の保護者)、「どうせ形だけの反省で終わる」(卒業生)といった声が上がっていた。

案の定と言うべきだろう、それまで学院側とつるんでパワハラの訴えを握りつぶしていきたとされる担当職員は、道庁が逃がしたらしく春の人事で異動させている。

説明会の告知も一部の関係者に対してのみで、開催までわずか1週間前という身勝手なもの。広い北海道では、参加したくてもできない関係者が多かった。要するに、“説明した”というアリバイが必要だっただけで、犯罪行為を続けてきた教員の処分も、入れ替えもしないということだ。その証拠が所管課である道保健福祉部地域医療推進局医務薬務課が作成、配布した下の2枚の資料。関係者の了解を得て、公開する。

《学生及び教員に対する意見交換の結果について》と題する資料①の「学生の受止め」に記されているのは、本当の被害の実情ではない。複数の教員による集団パワハラは、言葉にできないほどの酷さだったといい、「数年たっても身体がふるえる」(ある卒業生)というほど。学園内での聞き取りに、ありのままを話せた生徒がいたとは思えない。

実際、今後の配信記事で紹介していくパワハラの実例は、「コミュニケーションがとれない」であるとか「言い方が強い」といった程度のものでは全くない。「厳しいと思われるときでも、指導として受け止めることができる時もある」は、まさにこれまで、生徒をいたぶっていた教員らが、「あなたののせいでこうなったよ」と、無理やり認めさせてきた話と通底する。形を変えた隠蔽とは、こうした手法のことなのだ。

「教員の考え」に至っては、無反省と開き直りに反吐が出そうだ。「コミュニケーション不足」「理解してもらいたい思いから言葉を重ねた」――。その程度のことで、理不尽な留年や休学、退学に追い込まれる生徒が続出するはずはなかろう。

何の処分も下さずに幕引きを図ろうとする道庁側の思惑は、資料②《今後の対応方針とその具体策について》をみれば、瞭然である。論より証拠。じっくりと上掲の文書を見ていただきたい。問題の深刻さを理解していないのか、あるいは意図的に軽く済まそうとしているのかのどちらかだろうが、犯罪行為を犯した教員らを野放しにすることだけは確かだ。これでは何の解決にもならないし、在学中の被害者はさらに恐怖を抱え込むことになる。もみ消しの意思を露わにした道庁は、形を変えた“犯罪者の共犯”だと指摘しておきたい。ハンターは絶対に容認しない。

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