今月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍政権が緊急事態宣言を発令した。直後の終末、日本を代表する歓楽街であ「博多・中洲」、「新宿・歌舞伎町」、「札幌・すすきの」の様子を取材した。
4月11日 PM7:30 博多・中洲
九州一の歓楽街から人が消えた。通るのは車だけ。たまに歩いているのは、明らかに中洲の住人だった。毎週中洲で飲んできたと豪語する会社社長が、がっくりと肩を落とす。「人と会えない家飲みじゃつまらないけど、仕方がない。いつまで自粛が続くのか分からないけど、中洲に戻ったら贔屓の店が無くなってたとか、あり得ない話じゃないよね。日銭を稼いで食べてる人たちは、本当に大変だと思う。県や市は、とにかく困っている人たちに、できる限りの手を尽くしてほしい。布製マスク2枚なんて、バカな真似だけはして欲しくないな」
4月11日 PM8:00 新宿・歌舞伎町
灯りが消えない「眠らない街」も、人通りはまばら。歌舞伎町で働いて30年以上だという男性は、ため息交じりにこう話す。「こんなことは初めて。人のいない歌舞伎町なんて……。正直、コロナが恨めしい。店を開けても、お客さんが来ないんだから経費がかさむ一方。自粛要請がなくても、店を閉めざるを得ない」
4月11日 PM8:00 札幌・すすきの
全国に先駆けて2月末に緊急事態宣言を出した北海道だが、一定の効果があったのか、今月6日頃までは感染者数が横ばい傾向にあった。地元のジャーナリストは、11日の段階でこう話していた。「すすきの人出は少ないといえば少ないですが、まったく人がいないわけでもなく、微妙な感じです。札幌は、緩んでいると言うべきかもしれない。第二波が来るのではないかという声が上がり始めている」
ジャーナリストの心配は現実のものとなり、5日連続で感染者が2桁を超えるという事態を受けた北海道と札幌市は、12日、共同で事実上二度目となる緊急事態宣言を出している。